1948年創業で、都内でも5本の指に入る古い歴史を持つホテルです。欧米を中心とする海外からの旅行者がお客様の90％以上を占めています。江戸時代以来の豊かな伝統と文化が息づく東京・芝の地にあって、2020年に「人、街、歴史をつなぐLibrary Hotel」としてリブランドしました。この街の風土や人、歴史に軸を置いた1,500冊以上の書籍コレクションを通じて、今ここでしかできない価値体験のご提供に努めています。また、姉妹ホテルとして、アートを取り入れた「日本の美意識が体感できる時空間」をコンセプトとする「パークホテル東京」（汐留）も運営しています。

当ホテルでは、CO₂排出削減や食品ロス削減など、SDGsに貢献することを目指し、サステナビリティの取り組みに注力しています。欧米ではサステナビリティの意識が日本より浸透しており、ホテルにおいてもこの対応が不十分だと、現地旅行エージェントに取り合ってもらえないほど。そこで当ホテルでも、歯ブラシやヘアブラシなどのアメニティーはプラスチック使用量の少ないものにしたり、水をペットボトルでご提供する代わりに室内にデキャンタだけをご用意して、お客様自身でフロアごとのウォーターサーバーに汲みに行っていただく形にしたりと、サステナビリティに配慮したサービスの拡大に努めてきました。加えて、全社でSDGsに関わる具体的なKPIも設定し、目標値の達成に向けて取り組んでいますが、こうした取り組みを一層強化することで、ホテルの魅力をさらに高めたいと考えていました。
一方、ライブラリーやアートをコンセプトにしていることから、本のしおりやフライヤー、ドリンク券などのデザインのクオリティーを高めたいというニーズがありました。社内にデザイナーがいるため、思いついたアイデアはすぐ形にしたいところなのですが、外部印刷会社などに試作を発注していると時間や費用がかかることが課題でした。

ApeosPort-VI C RCシリーズは、使用済み商品から回収した部品を再利用することで、原材料調達や製造・輸送など製品ライフサイクル全体のCO₂排出量を大幅に削減した環境配慮型の複合機です。CO₂排出量削減や「廃棄ゼロ」を目指す考え方は、まさにSDGs貢献に向けた当ホテルの考え方や取り組みと合致しています。機能そのものは普通の複合機と同等ですが、再生型複合機を導入する意義を社内でしっかり周知した結果、従業員がプリントすることそのものをより大事に考えるようになるなど意識の向上につながりました。
もう1つのApeosPro C650は、オフィス複合機とプロユースのプリンターとの1台2役に使えるため、これまで外注していた印刷物の一部を、よりスピーディーかつ低コストで内製することが可能になりました。例えば、当ホテルではSDGs貢献に向けた取り組みの一つとして、バナナの茎の繊維を使用した「バナナペーパー」で名刺を作っていますが、ApeosPro C650で内製化して印刷費を抑えることによって、普通の用紙を使った場合と同等のコストで制作できています。また、新規の印刷物の企画を社内で検討する際には、試作品を外注する費用も時間も不要となるなど、業務効率化や経営判断のスピードアップにも貢献しています。さらに、ApeosPro C650は富士フイルムビジネスイノベーションが保有する「グリーン電力証書」により、導入後2年間にわたり、消費する電力を再生可能エネルギーにより発電された「グリーン電力」と見なすことが可能となり、お客様が排出するCO₂排出量の削減へ貢献できることもメリットとなっています。