お客様導入事例
kintoneで新型コロナウイルスの紙カルテを電子化 紙を探す時間がほぼゼロに
事例の概要
- 新型コロナウイルス感染症患者の対応時、カルテ探しに多大な時間を要していた
- カルテが紙のため担当者間でタイムリーに患者情報の共有ができなかった
- 誰でも患者対応可能にするための対応履歴や対応ステータスの管理ができていなかった
- 名前やIDで瞬時にカルテ情報の閲覧が可能となり、問い合わせ対応が格段にスピードアップした
- 複数の担当者で同時に患者情報の閲覧が可能となり、効率化が図れた
- 別の担当者でも患者対応履歴を確認し、引き継ぎ対応ができるようになった
- 短期間で運用を開始することができる
- 専門知識がない職員でもシステム構築・改善が簡単
- 他業務での活用や拡張が可能
事例の詳細
品川区保健所様の業務内容を教えてください
導入前はどのような課題を感じていましたか
感染症対策係では、新型コロナウイルスの患者情報を紙とMicrosoft Excel(以下Excel)で管理していました。感染症流行のピーク時は約100名の職員が同時に患者へ疫学調査を行います。その後、内容を紙のカルテに記載しExcelに入力していました。そのため、Excelへのタイムリーな反映が追いつかず、患者からの問い合わせ時には最新情報を紙カルテで閲覧する必要がありました。
しかし、紙カルテを大量の段ボールの山から探すだけでも一苦労でした。患者数が多い時には電話が鳴りやまず、カルテを探している間に次の患者からの問い合わせに対応しなければならず、対応が間に合わない状況でした。また、紙カルテでは患者の現在の対応状況を一目で確認することができず、対応漏れの確認などにも膨大な時間を要していました。
品川区保健所 保健整備担当部長
秋山 徹 様
導入の決め手を教えてください
kintoneは設計から運用開始まで約2か月という極めて短期間で構築できる点がポイントでした。
今回の新型コロナウイルス感染症のような想定外の対応が必要な場合でも、スモールスタートが可能なことにとても魅力を感じました。また、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンはサイボウズのパートナーとして導入実績も多数あり、kintone認定資格取得者※も多く安心してお任せできました。
※ kintoneを使った業務改善のスキルをサイボウズが公式に証明する資格
※ 富士フイルムビジネスイノベーションジャパンkintone認定資格取得者数143名(2024年1月時点)
品川区 健康推進部専門参事
保健所 保健予防課長 事務取扱
坂野 晶司 様
導入後の効果について教えてください
カルテが紙からkintone上にデータ化されたことで、名前やIDをもとに自席で患者情報を即座に確認できるようになりました。その結果、患者からの問い合わせや医療機関などの関係各所にも複数の担当者で同時に確認ができ、タイムリーに対応できるようになりました。また、別の担当者へ引き継ぐ際も現在の対応状況が一目で把握でき、効率化が図れました。
これまでの患者への発生届受領連絡は、スマートフォンや携帯電話で1件ずつ手入力していました。kintone導入後は登録されている携帯電話番号の情報をCSVで出力し、SMS(ショートメッセージ)※1一斉送信システムへ取り込むことで素早く送信できるようになりました。手入力していた業務の効率化はもちろんのこと、正確性の向上にもつながっています。
加えて、新規陽性者の状況把握のスピードも格段に上がりました。これまでは1件ずつExcelへ入力していましたが、HER-SYS(ハーシス)※2から発生届のCSVデータをkintoneへ一括取り込みできるため、届出の確認や対応状況がリアルタイムに更新できるようになりました。特にスピードが求められる入院や救急対応が素早く行えるようになりました。療養証明書の発行といった多くの問い合わせが入る業務も効率化されたと感じています。
第6波はkintoneがなければ乗り切れなかったと思います。導入のきっかけは疫学調査のためでしたが、現在はどんどん活用の幅が広がっています。例えばワクチン接種券の管理もその一つです。区民からの大量のオンライン申請を取り込み、処理・管理するために大変役立っています。
※1 携帯電話同士で電話番号を宛先にしてメッセージをやりとりするサービス
※2 新型コロナウイルスの感染者情報を国や自治体が共有するシステム
品川区保健所 保健予防課
感染症対策係 堀越 智博 様
品川区保健所 保健予防課
感染症保健担当 保健師
佐々木 理紗 様
(左から)
品川区保健所 保健予防課 感染症対策係 堀越 智博 様
品川区保健所 保健予防課 感染症保健担当 保健師 佐々木 理紗 様
kintoneはどのような組織におすすめですか
複数人で管理する台帳を使用した業務(進捗管理が必要なコールセンターなど)に非常に向いていると思います。
Excelファイルの場合は複数人での同時編集は困難ですが、kintoneであれば可能です。また、kintoneの直感的なインターフェースにより、職員がプログラミングスキルを持っていなくても簡単な操作だけでアプリ作成から公開まで即座に実施できます。
アプリ改修も、専門の事業者へ依頼することなく、必要な時に簡単かつ柔軟に改修できるため、実務担当者の声を反映して使いやすく改善していくことが可能となります。通常のシステム開発では不可能なスピード感で実装できる点が強みです。「デジタル化に関心があるが踏み切れない」といった悩みを抱えている組織がまずトライしてみるには最適だと思います。
品川区保健所 保健予防課
新型コロナウイルス予防接種担当
齊藤 祐哉 様
さらなる活用や今後の取り組みについて教えてください
今回の疫学調査システムについては、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンに構築いただきましたが、全庁の職員が各課の業務に応じたアプリの作成や運用ができるようにkintone活用の場が広がってきています。その他の庁内業務のシステム化においてもkintoneは非常に有効だと感じています。
導入後も富士フイルムビジネスイノベーションジャパンにはアプリの作成や変更時にアドバイスをいただいており、サポート体制にも大変満足しています。継続的にアドバイスをいただきながらさらなる活用を推進していきたいと考えています。
(前列左から)
品川区保健所 保健整備担当部長 秋山 徹 様
品川区 健康推進部専門参事 保健所 保健予防課長 事務取扱 坂野 晶司 様
(中列左から)
品川区保健所 保健予防課 新型コロナウイルス予防接種担当 齊藤 祐哉 様
品川区保健所 保健予防課 感染症保健担当 保健師 佐々木 理紗 様
品川区保健所 保健予防課 感染症対策係 堀越 智博 様
(後列左から)
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン 皇甫 亮
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン 坂本 智
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン 渡邊 千晃
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導入ソリューション
kintone
データベースツールをノンプログラミングで、誰でも簡単に作ることができるクラウドサービスです。
企業プロフィール
品川区役所
- 業種
- 公共
- 従業員
- 2,727名(2023年4月1日現在)
- 本庁所在地
- 〒140-8715 品川区広町2-1-36
※掲載内容は2023年4月時点の情報です
地域住民の健康を支える業務を担っています。感染症予防の推進、ワクチン接種体制の整備、患者の健康相談などを行っています。