当社は1963年に創業し、自動車部品などのメッキ加工からスタートしました。その後、アルミダイカスト^※などの業態を経て、現在は、アルミ合金・マグネシウム合金の機械加工や表面処理を中心に事業を展開し、主に自動車・精密機械・建機業界向けに各種部品を納品しています。
※ ダイカストとは、溶かした非鉄金属を金型に流し込み、さまざまな形に成形する鋳造技術の一つ

PCやインターネットの利用が必須となる中、当社では情報システム専任の担当者を置く余裕がなく、PCに強い総務部の社員がIT機器やネットワークの運用、トラブル対応を担当していました。ところが、その社員が急に退職することに。それでもすぐに困ることはなかったのですが、重大なトラブルが発生する前に、「今後のITの運用・管理を誰が担うのか」を早急に検討する必要に迫られたのです。
改めて確認すると、必要なIT機器などは各現場の判断で買い足すなど、統一的な運用・管理ができていませんでした。また、セキュリティー対策についても全社的な社内ルールの策定を推進していましたが、先の総務部社員の退職に伴って、完成までは至っていませんでした。しかしその一方で、取引先の大手企業から社内のセキュリティー対策について調査が入るなど、セキュリティー対策の重要性を改めて感じていました。
加えて、業務効率化やコストダウンの取り組みも、これまでに実施してきました。しかしながら、これからは単なる効率化やコストダウンではなく、いかに事業の付加価値向上を図るかが重要であり、そのためにはどうIT活用を進めていくかが重要な経営課題であると考えていました

導入にあたっては、富士フイルムビジネスイノベーションの専任スキルを持つ担当者と相談をしながら課題を洗い出し、IT戦略のロードマップ作成から着手。場当たり的な増設で混乱していたLAN配線の整理といった基本的なことから始めて、重要データを守るためにサーバーを増強、さらにPCをすべて入れ替えてOSのバージョンやセキュリティーソフトなども統一し、ITシステムの常時監視と円滑な運用・管理を可能にする基盤を整備しました。IT Expert Servicesの導入前にはネットがつながらなくなるトラブルが年に数回発生し、先の総務部社員もIT環境のすべてに精通しているわけではなかったので、復旧に数時間から半日を要し、業務に支障をきたすこともありました。しかしながら、現在ではそうした問題は解消しています。
一方、そうしたIT環境の変化を経験することで、社員のセキュリティーに対する意識は確実に向上しましたし、ITに関するさまざまなトラブルや疑問などに丁寧・確実に対応してもらえる問い合わせ窓口があることで、大きな安心感が得られました。
また、企業をターゲットにしたサイバー攻撃などが相次ぐ中、取引先から当社のセキュリティー対策について質問を受けても、「IT Expert Servicesを導入し、専門的なアドバイスを受けながら対応している」と答えれば安心してもらえるというのも、大きな導入効果と言えますね。

高い専門性を持ったスタッフがIT関連業務を支援し、提案をしてくれるサービスですから、IT基盤を強化したいと考えている会社なら、業種を問わず導入メリットがあるのではないでしょうか。自前で情報システム部門を持てない規模の会社、特に、大手企業との取引がある会社におすすめできます。自分たちでできないことを任せられる、いわば電気の保安サービスと同様の必要不可欠なサービスだと思います。

今までの取り組みでIT活用の土台づくりがやっと完了し、マイナスの状態からゼロになったところ。業務においても、実はまだ紙ベースの発想から抜け出せていません。今後、どうすればこのIT環境を強みに変えることができるのか。富士フイルムビジネスイノベーションジャパンの担当者から、製造業における他社のIT活用の成功事例を教えていただきながら、まずは「IT化した仕事」の具体的な将来像を自分たちで描くことが先決だと考えています。