ビタミン
ビタミンB12(コバラミン)
- 項目名
ビタミンB12(コバラミン)
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.5
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存/冷凍保存
- 測定方法
CLIA法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:230~900
猫:200~840- 単位
pg/mL
葉酸(犬)
核酸、アミノ酸代謝に関わる水溶性ビタミンです。消化管内細菌が合成し、過剰増殖がある犬では上昇します。またEPI罹患時にも腸からの吸収低下により低値となります。
- 項目名
葉酸(犬)
- 対象動物
犬
- 材料/量(ml)
血清/0.5
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存/冷凍保存
- 測定方法
CLIA法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
3~12
- 単位
ng/mL
電解質・ミネラル
ナトリウム(Na)
細胞外液中の浸透圧活性物質で、細胞外液の量と浸透圧を規定する重要な陽イオンです。体液異常の検出に用います。
- 項目名
ナトリウム(Na)*1
- 対象動物
犬・猫・ウサギ・ウマ
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.2
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
電極法
- 報告日数
即日
- 参考基準範囲
犬:141~152
猫:147~156
ウサギ:140~149
ウマ:134~139- 単位
mEq/L
カリウム(K)
大部分が細胞内液に存在する陽イオンです。細胞膜電位の維持に関わり、濃度の異常は神経、筋肉の機能に影響を及ぼします。高カリウム血症の原因は多岐にわたり、主に尿からの排泄障害(末期腎不全、尿路閉塞等)や、副腎皮質機能低下症(アジソン病)でみられます。低カリウム血症は、尿中への排泄増加(腎疾患)、嘔吐下痢による体液の喪失に関連します。また、カリウムは血球内に多く含まれるため、溶血により偽高値を示します。
- 項目名
カリウム(K)*1
- 対象動物
犬・猫・ウサギ・ウマ
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.2
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
電極法
- 報告日数
即日
- 参考基準範囲
犬〔血清〕:3.9~5.5
犬〔ヘパ漿〕:3.8~5.0
猫〔血清〕:3.6~5.3
猫〔ヘパ漿〕:3.4~4.6
ウサギ〔血清〕:3.7~5.5
ウマ:3.5~4.7- 単位
mEq/L
クロール(Cl)
細胞外液の陰イオンで、最も多いイオンです。体液異常の検出、酸塩基平衡の指標として測定されます。一般的にナトリウムの値に付随して変化します。
- 項目名
クロール(Cl)
- 対象動物
犬・猫・ウサギ・ウマ
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.2
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
電極法
- 報告日数
即日
- 参考基準範囲
犬:102~117
猫:107~120
ウサギ:98~113
ウマ:98~103- 単位
mEq/L
カルシウム(Ca)
血清中カルシウムは神経・筋肉などの細胞機能の維持・調整に重要な陽イオンです。血中のカルシウムは蛋白結合型、陰イオン結合型、および遊離カルシウム(イオン化カルシウム)で構成されています。したがって、血中の蛋白の増減や陰イオンの増減により影響されます。解釈の際には蛋白濃度を必ず評価し、陰イオン増加をきたす疾患がある場合にはその影響を考慮する必要があります。
- 項目名
カルシウム(Ca)
- 対象動物
犬・猫・ウサギ・ウマ
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.2
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
MXB法
- 報告日数
即日
- 参考基準範囲
犬:9.3~12.1
猫:8.8~11.9
ウサギ:13.4~16.0
ウマ:11.7~12.7- 単位
mg/dL
イオン化カルシウム
総カルシウムのうち、遊離カルシウムの濃度です。高Ca血症時にintactPTH、PTH- rpとあわせて測定することで、原発性上皮小体機能亢進症・2次性上皮小体機能亢進症・悪性腫瘍随伴高カルシウム血症などの鑑別に有用です。イオン化カルシウム単項目での受託はしておらず、intactPTH、PTH-rpなどとセットでの受託となります。
- 項目名
イオン化カルシウム
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷凍保存
- 測定方法
イオン
電極法- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:1.24~1.56
猫:1.22~1.50- 単位
mmol/L
無機リン(IP)
血中のリン濃度は腎臓からの排泄、腸管吸収、骨吸収、細胞内外液間の移動などの要因によって決定されます。したがって、腎疾患などでは低値となりますが、結果はカルシウム濃度と併せた解釈が推奨されます。一般的に若齢動物では生理的に高値となります。
- 項目名
無機リン(IP) 表1*2
- 対象動物
犬・猫・ウサギ・ウマ
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.2
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
酵素法
- 報告日数
即日
- 参考基準範囲
犬:1.9~5.0(1歳未満は3.3~7.7)
猫:2.6~6.0(1歳未満は4.6~8.3)
ウサギ:1.6~4.1
ウマ:3.2~4.9- 単位
mg/dL
項目名 |
犬 |
猫 |
単位 |
---|---|---|---|
ALP(アルカリフォスファターゼ) |
69~333 |
77~358 |
U/L |
無機リン(IP) |
3.3~7.7 |
4.6~8.3 |
mg/dL |
血清マグネシウム(Mg)
体内のマグネシウムは多くが骨内に存在し、その他にも軟部組織や細胞外液に含まれます。血中のマグネシウム濃度は蛋白濃度、腸管吸収、腎臓排泄などの要因に左右され、多様なホルモンの影響を受けます。
- 項目名
血清マグネシウム(Mg)
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
酵素法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:1.6~2.4
猫:1.6~2.8- 単位
mg/dL
血清銅(Cu)
- 項目名
血清銅(Cu)
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
比色法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:46~76
猫:50~107- 単位
μg/dL
血清亜鉛(Zn)
- 項目名
血清亜鉛(Zn)
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
比色法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:64~198
猫:53~152- 単位
μg/dL
鉄代謝関連
血清鉄(Fe)
主として、鉄欠乏性貧血の確認として測定します。TIBC、UIBCと併せて解釈する必要があります。
- 項目名
血清鉄(Fe)
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
Nitoroso PSAP比色法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:102~304
猫:72~194- 単位
μg/dL
TIBC(総鉄結合能)
TIBCはトランスフェリンの量を示しています。TIBCのうち、鉄と結合したトランスフェリンが血清鉄として測定され、血清鉄、TIBC、およびUIBCを総合的に評価することで鉄代謝の状態を把握することができます。TIBCは血清鉄とUIBCの和として算出されます。
- 項目名
TIBC(総鉄結合能)
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
計算法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:284~515
猫:233~447- 単位
μg/dL
UIBC(不飽和鉄結合能)
UIBCは鉄と結合していないトランスフェリンを表しています。血清鉄、TIBCとともに測定することで鉄代謝の状態を把握することができます。
- 項目名
UIBC(不飽和鉄結合能)
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
Nitoroso PSAP比色法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:46~352
猫:94~333- 単位
μg/dL
フェリチン(犬)
鉄欠乏早期に減少する「貯蔵鉄濃度」の評価に有用です。
- 項目名
フェリチン(犬)
- 対象動物
犬
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
ラテックス凝集法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
46~231
- 単位
ng/mL
トランスフェリン飽和度*3
- 項目名
トランスフェリン飽和度
- 対象動物
犬
- 材料/量(ml)
―
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
―
- 測定方法
計算法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
24.1~83.5
- 単位
%
生体色素
総ビリルビン(T-Bil)
胆汁中の色素で、多くは破壊された赤血球のヘモグロビンに由来します。体内のビリルビンの貯留は黄疸を引き起こします。高ビリルビン血症が見られた場合、原因が溶血性、肝性、肝後性のどれに当たるか鑑別する必要があります。
- 項目名
総ビリルビン(T-Bil)
- 対象動物
犬・猫・ウサギ・ウマ
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.2
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
化学酸化法
- 報告日数
即日
- 参考基準範囲
犬:0.5以下
猫:0.4以下
ウサギ:0.4以下
ウマ:0.7~1.7- 単位
mg/dL
その他
ANP
ANPはナトリウム利尿の促進および血管拡張作用があります。主に心房筋で産生・貯蔵され、心房の伸展刺激によって放出されるため、心房拡大のマーカーとして有用です。
特に僧帽弁閉鎖不全症で有意に上昇します。興奮・運動により心臓に負荷がかかり、測定結果が高値になる可能性があります。20分程度、安静にしてから採血を行ってください。
- 項目名
ANP
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
アプロチニン血漿/0.3
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷凍保存
- 測定方法
CLEIA法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:8.6~105.8
猫:102.7以下- 単位
pg/mL
NT-proBNP
- 項目名
NT-proBNP
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(mL)
血清/0.3mL
- 他材料/量(mL)
―
- 保存方法
冷凍
- 測定方法
蛍光免疫測定法
- 報告日数
~2
- 参考基準範囲
犬900以下
猫100以下- 単位
pmol/L
BTR(アミノ酸分析)
BTRとは、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と芳香族アミノ酸(チロシン)の濃度をそれぞれ測定した比率です。アミノ酸代謝異常を確認するために測定します。
- 項目名
BTR(アミノ酸分析)
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.3
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.3
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
酵素法
- 報告日数
~2
- 参考基準範囲
BCAA 400~600 チロシン 20~50 BTR 8以上
- 単位
μmol/L
AFP(犬)
- 項目名
AFP(犬)
- 対象動物
犬
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.2
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
ラテックス免疫比濁法
- 報告日数
~2
- 参考基準範囲
50以下
- 単位
ng/mL
ヒスタミン(犬)
肥満細胞腫では、腫瘍性に増殖した肥満細胞からヒスタミンが放出され、血中ヒスタミン量が増加します。術後の経過観察や治療効果の判定、腫瘍随伴症候群の確認として用います。
- 項目名
ヒスタミン(犬)
- 対象動物
犬
- 材料/量(ml)
EDTA血漿/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷凍保存
- 測定方法
ELISA法
- 報告日数
~5
- 参考基準範囲
0.6以下
- 単位
ng/mL