エストラジオール
エストラジオールはエストロジェンの一種で、卵巣、胎盤、副腎皮質、精巣間質細胞で産生されます。卵胞嚢腫、卵巣腫瘍、エストロジェン中毒の診断に有用です。また、発情前期から発情期に高値を示します。
- 項目名
エストラジオール
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.3
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.3
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
EIA法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬: オス11.0未満メス(避妊)7.1未満
猫: オス21.9未満メス(避妊)19.8未満- 単位
pg/mL
プロゲステロン
プロゲステロンは、黄体から産生され、妊娠維持に関与します。発情前期から発情期のLH(黄体形成ホルモン)サージに先行し上昇するため、エストラジオールの低下を併せて確認することで交配時期の決定に用いることができます。そのほかの臨床兆候や膣スメア所見を併せてご判断ください。卵巣遺残症候群の確認にも有用です。
- 項目名
プロゲステロン
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.3
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.3
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
EIA法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬:メス(黄体期)2.56以上、メス(黄体期外)0.70以下、オス0.70以下
猫:メス(未避妊)0.99以下、メス(避妊)0.50以下、オス0.50以下- 単位
ng/mL
テストステロン
テストステロンは強い作用をもつ雄性ホルモンです。大部分が精巣で産生され、雌や去勢雄では低値を示します。去勢歴不明雄における両側腹腔内潜在精巣の確認に有用です。
- 項目名
テストステロン
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.3
- 他材料/量(ml)
ヘパ漿/0.3
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
EIA法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬: オス(未去勢) 4.47以下 オス(去勢) 0.10以下 メス 0.12以下
猫: オス(未去勢) 3.93以下 オス(去勢) 0.10以下 メス 0.10以下- 単位
ng/mL
参考情報
受託可能な性ホルモン測定の主な臨床的意義および対象となる疾患・状態
項目名 | 臨床的意義 | 対象となる疾患・状態 |
---|---|---|
エストラジオール | エストロジェン産生腫瘍におけるエストロジェン過剰症の診断補助、術後の転移・再発の確認 | セルトリ細胞腫、顆粒膜細胞腫 |
発情の確認*1 | ― | |
プロゲステロン | 遺残卵巣の確認*2 | 卵巣遺残症候群 |
手術歴不明のメスにおける黄体期の証明 | ― | |
分娩開始時期の予測、黄体機能の確認による流産の予防 | 妊娠、黄体機能不全 | |
プロゲステロン拮抗薬(アグレプリストン)による内科治療の適応判断 | 子宮蓄膿症 | |
テストステロン | 生殖腺機能、造精機能の評価*3 | 性行動の不全、造精機能障害 |
手術歴不明のオスにおける去勢/両側性腹腔内潜在精巣の鑑別*3 | 潜在精巣 |