デザインストーリー

ICカード・コピーカード グラフィックデザイン

白銀比をモチーフとしたデザインの展開

新商品のグラフィックデザインを展開するにあたり、私たちが最も大切にしたのは、今までもこれからもドキュメントを通じてお客様に価値を提供したいという願いです。そのコンセプトをかたちに落とし込むまでのデザインプロセスを、ICカード・コピーカードを例にご紹介します。

ICカード・コピーカード グラフィックデザイン

富士フイルムビジネスイノベーションとして展開するグラフィックデザインを任された私たちは、ブランディングとして何を表現するべきかを考えました。デザイナー間でさまざまな議論を交わす中で、改めて感じたのは「私たちの会社はドキュメントを中心に、コミュニケーションを支援する会社」なのだという強い自負です。今後もその気持ちを変わらず持ち続けながら、新しいソリューション領域にも積極的にチャレンジしていきたい。そんな想いから、美しく比率として古くから用紙の寸法に使われている「白銀比」をモチーフに、新商品のグラフィックデザインを展開する考えに至りました。

※白銀比(1 : √2)は大和比とも言われ、法隆寺・五重塔のような日本建築や畳、生け花、美人画、用紙サイズにも用いられている。

用紙パッケージ グラフィックデザイン

白銀比を採用したデザインの1つが、ICカードとコピーカードです。ICカードにはダークグレーをベースに濃度の異なるティールの白銀比の矩形がレイアウトされています。ドキュメントを生業としてきた私たちのDNAを表現する白銀比のモチーフに、複合機で採用されている富士フイルムビジネスイノベーションらしさを表す色の組み合わせを施すことで、継承と革新を表現しています。ICカードに採用しているグラフィックは、立体感をつけて空間に浮かび上がるような印象を与えていますが、これはICカードがクラウドをはじめとしたさまざまなネットワークにつながるゲートウェイの働きをすることをイメージしています。

コピーカードは、コピーのみに使用されるカードであることから、影は付けず2次元の世界にとどめています。代わりに度数によるバリエーションが存在するため、新たに定義したカラーパレットから色を採用してカラフルに展開しています。この白銀比をモチーフとしたデザインは、アプリケーションやソフトウェアの商品のパッケージにも展開することで統一した世界観を醸成しています。

ICカード・コピーカード グラフィックデザイン

富士フイルムビジネスイノベーションの顔となる商品のブランディングを手掛けた今回の経験はかつてないほど大きなチャレンジでしたが、デザイナーにとってとても大きな財産となりました。

今後もさまざまなアイテムに展開していく中で気をつけたいことは、丁寧なブランディングを心がけていくことです。せっかくよいものを作っても、見せ方次第ではデザインの鮮度が落ちてしまうこともあります。長く続くデザインとして育っていけるよう、5年後、10年後を見据えながら私たちは最適なブランディングのデザインを考えていきます。