デザインストーリー
ハードウェアデザイン Apeos C7070 / C6570 / C5570 / C4570 / C3570 / C3070 / C2570
進化をかたちにしたA3カラー複合機
富士フイルムビジネスイノベーションとして新たなスタートを切るにあたり、デザイナーが目指したこと。それは、ビジネスの現場を支えてきた複合機をより洗練化させ、使い勝手のよい商品として刷新させることでした。オフィスワークに心地よい体験をもたらす複合機が生まれたデザインプロセスをご紹介します。
グローバルリサーチから見出したもの
新商品の開発プロジェクトは、デザイナー自ら海外に足を運び、様々な働き方を実践しているワーカーにインタビューすることから始まりました。
そこで気づいたのは、それぞれの企業がオフィス環境をこれまで以上に重視し、従業員の創造性を高めるために独自の工夫を凝らしているということでした。そのような多様化が進む環境で使用される複合機は、その環境の一部としてふさわしいデザインであるべきと考えました。
また、インタビューを重ねる中で、「複合機がクラウドやAIと連携して便利に使えるなんて知らなかった」という声に何度も遭遇し、複合機の進化が知られていない現実を目の当たりにしました。中身が進化しているのだから、それをしっかりと伝えられる先進的なデザインにするべきだと気づかされたのです。
先進性が一目でわかるシンボリックなシルエット
私たちが着目したのは複合機全体の印象を決定づけるシルエットです。
複合機を構成するプリンターとスキャナーがより一体となって見えるようにすることで、「複合機らしさ」を払拭し、先進性を感じさせるシルエットを表現できるのではないかと考えました。そこで、スキャナーユニットから操作パネルへとつながる「斜面」を大胆にもうけ機器全体をシンプルに表現するデザインを採用しました。
ICカード認証装置、スキャナーハンドル、操作パネルなどの主要操作部をスロープに集約することで、ユーザーの操作動線を最小限に抑え、スムーズに操作できるレイアウトを追求しました。
洗練されたカラーと質感
多様なオフィス環境に美しく溶け込みながら、先進的で知的さを表現するために、本体にはハイコントラストのモノトーンカラーを採用しています。質感も入念に調整を行い、より精緻さを感じさせるきめ細やかなテクスチャーを作りこみました。
操作ノブやレバーハンドルといった本体内の操作部のカラーリングは、暗い場所でも視認ができるように様々な照明環境を想定して検討しました。何度も調色と使い勝手の検証を積み重ね、操作する箇所が一目でわかるカラーに仕上げました。
人と機器とのインタラクションをデザイン
複合機の操作をより心地よくするために追求したのは「光」と「音」によるフィードバック表現です。
ジョブ完了時や用紙の取り忘れを、落ち着きのある光と音でお知らせしユーザーを自然に導きます。操作パネルのLED発光は、機器から離れた場所からは明快に視認できる一方で、機器の前に立った時は画面操作を邪魔しないよう光の方向を工夫しています。
よりワールドワイドに使っていただくために
先進性を表現するとともに安心感を持ってお使い頂けるよう丁寧に考え、かたちと使い勝手に落とし込みました。今後も、世界中のお客様が心地よく働けるように、オフィスワークを支える複合機の理想形を追求していきます。