デザインストーリー
新規事業創出活動
未知の事業をリードする私たちの挑戦
ワークスタイル変革期の今、富士フイルムビジネスイノベーションでは、「未来の働き方」に価値をもたらす新規事業の創出に取り組んでいます。革新的プロジェクトの中心的役割を担っているデザイナーが語ります。
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UI/UXデザイナー
瀬尾
2010年入社。複数のデザインファームでアートディレクターを経験。現在、新たにUIデザインやデザイン思考を学びながら他部門協業の事業創出を目指す。 -
インダストリアルデザイナー/UXデザイナー
椎原
2012年入社。ハードウェアのデザイン開発を行うチームと兼務。オフィス複合機の外観デザインに従事する傍らで、新規事業のUXデザインや社内技術起点の価値創造に携わる。 -
UXデザイナー
大久保
2011年入社。インダストリアルデザイン、デザイン戦略を経験した後、新規事業におけるUXデザインを手がける。
同じ夢に向かいながら、わが道を突き進む
——新規事業創出活動に関わったきっかけや思いは?
瀬尾 以前は、事業部門でクリエィティブディレクターとして、クライアント企業へのマーケティングサービスを担当していました。事業部の中で新規事業に携わっていたのですが、「自社の製品・サービスをゼロから立ち上げるのって面白い!」と手応えを感じ始めていました。そんなとき、デザインセンターの社内公募を知り、これまでのキャリアと違う分野に挑戦するチャンスだと手を挙げました。
椎原 自分は複合機だけでなく、新しいことにもチャレンジしてみたいという探求心はずっと持っていました。現在進行形で複合機を担当しつつ、同時進行で未来の事業を考える――地に足をついた仕事もしながら、一方では道なき道も突き進む感じで、自分の中では面白い働き方をしているなって思います。
大久保 社内全体に「次の未来をカタチにしよう」という挑戦の空気がどんどん高まっていますよね。私は、入社以来、将来の価値アイディアを発表するデザイン提案活動に毎年参加してきましたが、商品化に向けたリアルな挑戦に100%注力してみたいと思ったんです。
瀬尾 僕らは同じチームだけど、それぞれがプロジェクトをもち、事業化に向けて同じ夢に向かいながら、時には連携して乗り越える。新しいことをしたいという情熱でつながる仲間という感じですね。
未来の空想や技術を“形”にするプロジェクトの数々
——これまで取り組んできた、あるいは現在進行中のプロジェクトについて教えてください
椎原 人と人が会う、語り合うことで生まれるクリエイティビティは、AIでは代替できない価値があります。五感を刺激しながら、離れた人ともリアルにつながる異次元のコラボレーションの開発を進めています。
大久保 椎原さんのプロジェクトは、社外の600人近いお客様にプロトタイプを体験していただく価値検証も行い、「今すぐ欲しい!」という反応も多く寄せられましたよね。
椎原 コラボレーション空間に入ると、「おお!」って声が必ず聞こえてきました。すごい世界が始まりそうって期待感はもっていただけた気がします。でも、実現するには、乗り越えるべき課題がいくつもあります。お客様や社内の意見、要望を取り入れながら、改善と検証を重ねていくのがこれからのミッションですね。
大久保 私も全国をめぐって、2030年の働き方と求められるソリューションを描いたムービーを発表しました。制作にあたっては、ワールドワイドのエクストリームな働き方をする人たちにインタビューして、将来の働き方について仮説を立てることから始めました。「将来のお客様のお困りごとは何か?」「新しい働き方に役立つプロダクトは何か?」という問いの答えを可視化することができました。
瀬尾 今も展示会やキックオフミーティングの冒頭などでも動画が流されて、見た人から共感の輪がどんどん広がっていますよね。
大久保 うれしいですね。時間と場所に縛られない、より自律したワーカーが増えていくと予測しています。私たちが先頭に立って、このようなワーカーを支援する製品・サービスを創出していけたらと思っています。このムービーが、その第一歩となっていけばと思います。
瀬尾 その勢いを加速させるべく、大久保さんのプロジェクトに今期からジョインしました。新しい働き方を実現するソリューションをともに探っていきたいと思います。
これまで私は社内にある技術をビジネスのシーズとして掘り起こす価値探索プロジェクトに携わってきました。インダストリアルデザイナーの手を借りて、社内技術を活用した製品モックをつくって提案する活動です。プロジェクトを事業化していくには、社外はもちろん、社内の各部門にある技術や知見を掛け合わせていく他部門協業も欠かせないと思っています。
大久保 せっかく社内に研究者たちが考えたアイディアがあるのに、価値が理解されてない。それを瀬尾さんが形にしたことで、たくさんの人が体験でき、意見が集まりました。「こうあったらいいな」という空想や、今ある技術に形を与えるのがデザインの大きな役割です。私たちが可視化していくことで、いろんな人を巻き込んでいけたらいいですよね!
デザイナーに求められる役割はますます拡張していく
——新規事業創出で楽しいこと、もしくは大変と感じることは?
椎原 既存のルールや制約に縛られずに、自分たちがやりたいように表現できる圧倒的な自由があります。その代わり、ルールもプロセスも自分たちでつくっていかないとまったく進まない。整備されてない山を登っていくような感覚ですね。たびたび遭難している気がしますが。
大久保 でも、真剣にトライして、失敗することで、発見があったりするんですよね。私は価値を提案するだけでは、社会へ届けるまで到達できないという壁にぶつかりました。価値とビジネスが成立するポイント見つけたり、他部門やステークホルダーと対等に議論したりするスキルが足りないと痛感したんです。そこで大学院に通いはじめ、経営学の体系的な知識を学んでいる最中です。
瀬尾 キャリア中盤でのリスキリングってワクワクしますよね。自分はデザイナーに求められる役割って、どんどん拡張している時代だと感じています。新たにUIデザインなどを学びながら、技術・ビジネス・顧客をつなぐ架け橋となれるデザイナーに進化することが自分の目標です。
自分で目標を決めて、挑戦していける環境がある
——皆さんが挑戦を続けるモチベーションはどこにありますか?
瀬尾 もっとデザイナーとしての自分を高めていきたいという気持ちと、世の中の誰かの役に立つ製品・サービスを自分で生み出していきたいという思いですね。
大久保 今、社内でもプライベートでも、夢をもつ人たちとの出会いが増えています。多様な背景やスキルをもつ仲間から刺激を受けながら、新たに学んで、やりたいことへ進んでいることが自分のエンジンですね。そして、社内に挑戦できる場があり応援してくれるからこそ、仕事と学業の両立ができるのだと思います。
椎原 このプロジェクトを通じて、働く人が抱えている課題、あるいは気づいてない課題を見つけて、解決策を見せられるのがデザイナーの仕事の面白さだとあらためて実感しています。チームの仲間で切磋琢磨しながら、僕らの力で、みんながもっと快適に働ける、まだ見ぬ働き方を形にしたいと思います。