相次ぐ異常気象や大幅な海面上昇など、ますます深刻化している環境問題。
富士フイルムはグローバルにビジネスを展開する企業として、環境問題の解決に貢献するため、環境負荷を減らす取り組みを展開しながら、社会に価値を提供し続けています。
富士フイルムの創業の原点は、写真フィルム。その製造にはきれいな空気と水が不可欠であることから、創業以来、環境への配慮や保全は、豊かな生活を支える優れた製品づくりに欠かせないと考え、環境問題の解決に取り組んできました。この考え方は、医療機器や医薬品、高機能材料、ビジネスイノベーションなど、幅広く事業を展開するようになった今も、DNAとしてグループ全体に根付いています。
富士フイルムグループは、CSR計画「Sustainable Value Plan 2030」(SVP2030)で掲げた脱炭素目標の達成に向け、2021年に環境戦略「Green Value Climate Strategy」を策定。環境負荷の少ない生産活動(Green Value Manufacturing)と優れた環境性能を持つ製品・サービス(Green Value Products)の創出・普及の二軸で、環境負荷の低減と社会への価値提供の両立に挑み続けています。
- 使用済み複合機のリユース・リサイクルを推進
- 中国リサイクル拠点で、太陽光発電の活用などによりカーボンニュートラルを達成
1934年の創業から、決して足を止めることなく、環境負荷の低減に挑み続けている富士フイルム。「社会への価値提供」と「環境保全」の両立を目指して、新しい脱炭素目標の達成に向けた取り組みを国内外で加速させています。
事業が多角化した今もDNAとして息づいている「環境への配慮や保全は優れた製品づくりに欠かせない」という考え方を大切に、これからもイノベーションに挑戦し続け、環境負荷も減らすことで、より良い世界を未来の世代に残していきます。
環境負荷低減に取組む意義
多くのメーカーの製造時のエネルギー使用量は、自社の製造工程での燃料消費に伴う直接排出「Scope1」と、購入電力の使用に伴う間接排出「Scope2」の2つに分けられます。富士フイルムは、サプライチェーンの川上に位置しているため、燃料・電力の使用量が高い企業のひとつです。例えば、液晶ディスプレイに欠かせない偏光板保護フィルムなどでは、製膜や乾燥工程で熱を必要とします。製品ライフサイクル全体で環境負荷を低減するためには、私たちが燃料の脱炭素化や再生可能エネルギーの導入を進めることが重要な役割を担うと考えています。
工場内で使用する蒸気と電気を同時に生成し、省エネルギーを図るコジェネレーション設備。
広く普及し始めたのは1980年代ですが、富士フイルムでは1960年代にいち早く導入し、省エネルギー化のノウハウを蓄積してきました。
また、2000年代にはコジェネレーション設備で使用する燃料をCO2排出量の少ない天然ガスに転換し、燃料の脱炭素化を進めてきました。
2017年8月に発表したCSR計画「Sustainable Value Plan 2030」(SVP2030)では、「環境」を重点課題の一つとして位置づけ、「事業を通じた社会課題の解決」と「事業プロセスにおける環境・社会への配慮」の両輪で気候変動対策を加速。2021年12月には、国際的な枠組みであるパリ協定の1.5℃目標に合わせ、SVP2030で掲げた脱炭素目標を上方修正しました。