オランダ・チルバーグ市にあるFUJIFILM Manufacturing Europeは、写真感光材料やオフセット印刷用刷版などさまざまな製品を手掛ける、欧州の中核生産拠点です。2021年には、バイオ医薬品などの研究開発・製造における細胞培養に不可欠な培地の新工場を稼働。日本・米国・欧州の3拠点による培地のグローバル供給の一翼を担い、製薬企業をはじめとした顧客のニーズに迅速にこたえています。
FUJIFILM Manufacturing Europeでは、使用電力の全てを再生可能エネルギーの1つである風力発電由来の電力に切り替えています。具体的には、2011年に敷地内に設置した5基の風力発電機を通じて22 %の電力を確保(2022年度実績)。残りの78%についても、風力発電事業者から供給を受けています。同生産拠点で使用する電力は、全て再生可能エネルギーです。
また、蒸気生成のために一部用いる天然ガスの使用削減に向けて、培地の新工場では風力発電由来の電力で加熱し蒸気を生成する電気ボイラーを導入予定。既存工場でも削減施策を実施し、カーボンニュートラルの実現を目指しています。
さらに、FUJIFILM Manufacturing Europeでは、2016年に敷地内に大規模廃水処理施設を建設し、近隣企業3社と共同利用しています。この施設はオランダでは珍しい「膜分離活性汚泥法(Membrane Bio Reactor)」方式を採用し、日量1,000万リットルの水を安全かつ効率的に浄化することが可能。地域の廃水処理場の浄化にかかる負荷の軽減に貢献しています。