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エピソード1

社会から孤立する人を、つなぎたい

命を救う仕事をITソリューションでサポートする。

最先端のデジタル技術を用い、仕事やビジネスの手法やプロセスを変革する DX(デジタルトランスフォーメーション)。
その成否が、業種や規模の違いを問わず、企業や組織の未来や従業員達の働き方を大きく変えていきます。

セキュアなITソリューション・サービスを提供し
24時間体制で社会課題と向き合う福祉団体をサポート

Danielの横顔 Helenaの手元。ペンを持っている。 Helenaの横顔

「FUJIFILM CodeBlue」は、ニュージーランドのさまざまな企業や団体にITソリューション*1を提供し、効率的な働き方をサポートしています。2020年3月、お客さまの社会福祉団体「Presbyterian Support Northern(以下PSN)」からの依頼は、急を要するものでした。社会から孤立し、助けを必要とする人のための電話相談サービスが、Covid-19感染拡大に伴うロックダウン宣言で停止の危機に。張り裂けそうな思いで電話してくる相談者への窓口がシャットダウンされるまで、残り48時間を切っていました。

以前から「PSN」におけるITソリューションの構築およびサポートを担ってきた、「FUJIFILM CodeBlue」のDaniel McIvor(以下Daniel)は、当時の様子を語り始めました。

--Daniel
私たちのお客さまである「PSN」は、社会から孤立する人を支援する福祉団体です。彼らが運営する組織のひとつ「Lifeline」では、毎日、自傷リスクの高い人からの相談に24時間体制で対応しています。

そして、私たちは「Lifeline」へ、相談者からの電話やメールに対応するシステムを提供し、長い間ともに歩んできました。相談者やスタッフのプライバシーを守りながら、いつ、どんなときでも、セキュアにコミュニケーションがとれる環境をサポートすることが私たちの役目です。

私たちのITソリューションが、社会問題に取り組む「Lifeline」のような組織の運営を支え、地域社会へのより良い貢献につながっていることは、素晴らしいことだと感じていました。

人材育成・採用にかかるコストと時間をカット
ビジネスを成長させる「ITアウトソーシング」の活用

IT活用を推進し、働き方を革新するためには、自社の業務に精通した人材とIT関連のスキル・知識を持った人材が協力するのが一般的です。しかし多くの企業や組織では、IT部門担当者が既存の業務に追われて、新しい取り組みを検討する時間がなかったり、ITに長けた人材がいなかったりするケースがあります。さらに、近年では、個人情報保護規制の強化、サイバー攻撃の増加など、企業の情報セキュリティリスクは高まっており、まさに、IT活用の推進は喫緊の課題とも言えます。

これらの「人手不足」による問題を解消するためには、適切なスキルと個々のリソースを確保する必要があります。しかし、自社の社員育成や人材採用には、多くの時間と費用がかかるもの。

そこで、注目されているのが、「ITアウトソーシング」の活用です。
富士フイルムビジネスイノベーション(株)は、IT活用を支援する商品・サービスの提供を通じ、お客さまの課題解決に貢献しています。

*1 ITソリューションとは?

ITソリューション・サービス

富士フイルムビジネスイノベーション(株)は、業種、業務ごとの課題にこたえる各種ソリューションを提供。中小企業向けITアウトソーシングサービスではIT戦略の立案と、その戦略に基づいたIT環境の導入、運用・管理から、定期レビュー・改善までを支援。企業がIT人材への大きな投資をせず、効果的にIT活用を進め、経営戦略を実現することを支援します。

コロナ禍の不安から増える相談件数
しかし、ロックダウンで相談に対応できなくなる危機に

PCに向かって作業をするHelena。眼鏡をかけている

毎月約8,000件寄せられていた相談電話は、コロナ禍になると約10,000件にまで増え、助けを求めるメールは約3万通に到達。外出自粛による孤独感、収入の減少、感染への恐怖などのストレスから、自分や他人を傷つける危険性のある人々が増えていました。チームのメンバーもまた、それぞれの不安を抱えながら、業務の負担増大に対応することのストレスを感じ始めていたころ。さらに追い打ちを掛ける事態が生じます。

ニュージーランド政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、2020年3月25日から国内全土で外出を制限する措置を発表。この発表があったのは2020年3月23日であり、ロックダウン開始まで48時間を切っていました。

当時、「Lifeline」のシステムは在宅勤務環境が整っておらず、セキュリティの観点より、オフィス外で相談者からの電話を取ることができませんでした。ロックダウン宣言を受け、相談者とのコミュニケーションがとれなくなることに対して、スタッフ達は不安な気持ちを抱きました。中には、オフィスに寝泊まりをして電話対応することを想像したスタッフもいたようです。

ロックダウンへの不安、相談者の問い合わせに対応ができなくなることへの不安、チームと連携が取れなくなる不安、いくつも重なり合う不安が「Lifeline」のスタッフ達を襲いました。

ミッションは「48時間以内の在宅勤務 完全移行」
限られた時間の中で、顧客が求めるシステム構築の実現を

DanielとHelena

そして、「FUJIFILM CodeBlue」へ依頼が入ります。
依頼内容はもちろん「48時間以内の在宅勤務 完全移行」。

--Daniel
大量の個人情報を扱う「Lifeline」の場合、在宅勤務に切り替えることは簡単な話ではありません。
しかし、どんなに時間的に難しくても、「1件たりとも困っている人たちの相談に、対応し損ねることはできないから、在宅でも対応できるシステムを構築して欲しい」との依頼です。私たちは、彼らが地域社会に素晴らしい貢献をしていることを、長年のサポートを通じてよく知っています。
顧客の依頼であるという理由だけではなく、本当に困っている人たちがいるからこそ、是が非でも、48時間以内に「これまでの支援を継続できる新しいシステム環境」を構築しなければなりません。

目標は、自宅でオフィスと同じレベルのシステムを使えるようにすること。そして、データのセキュリティと保全性を確保することです。

本来であれば、システム環境の要件から検討・実装・テスト・運用と長い時間を要する業務依頼です。しかし、日ごろからITソリューションを提供し、顧客の業務内容や想いを理解している「FUJIFILM CodeBlue」には、「たとえ、短時間だとしても実現させてみせる」という強い自負と責任感がありました。

オフィス内に鳴り続ける相談電話。明日、相談の電話に出られるのかという緊張。関係する人々の不安をよそに、日は高く上りまた沈んでいきました。

長年、積み上げてきた関係性によって、
いかなるときも、顧客の業務をサポート

DanielとHelenaが打ち合わせをしている
DanielとHelenaが廊下を歩いている

ついに、全スタッフが自宅で相談対応できるリモートワークシステムが完成。「FUJIFILM CodeBlue」から「Lifeline」へ「オフィス環境と同じレベルの、システムアクセス・セキュリティ・柔軟性を備えたホームオフィス環境が整いました」と連絡できたのは、ロックダウンが施行される数時間前のことでした。

--Daniel
今回、限られた時間の中で大きな助けとなったのは、これまでの付き合いの中で「Lifeline」のニーズや実際のオペレーションを理解できていたので、すぐに作業に入れたことです。「長期的な付き合い」があったからこそ、求められる高度なセキュリティシステムを細かい打合せをせず、短時間で構築できたと思っています。

「Lifeline」で相談電話の応対にあたるHelena de Fontenayさん(以下Helena)は、このように話します。

--Helena
「FUJIFILM CodeBlue」のシステム構築により、サービスの停止を免れることができ本当に助かりました。

彼らはオフィスで働くときと同じ安全性を約束してくれたんです。また、ロックダウンの中、自宅で業務にあたる70名のスタッフの新しいシステムに関する問い合わせにタイムリーに対応してくれたことにも本当に感謝しています。

Helenaさんからの「ありがとう」という言葉に、Danielさんも照れ臭そうに返しました。「私たちも一緒に地域社会をサポートできて光栄です」と。

働く場所を限定しないという価値
ITソリューション・サービスで叶うワークライフバランス

オフィスでインタビューにこたえるHelena

「Lifeline」では、今も在宅勤務を継続しており、Helenaさんは、この解決策が世界中の電話相談サービスで活用されるよう共有したいと話します。

--Helena
リモートワークが可能になり、スタッフやボランティアの業務内容が場所によって左右されることがなくなりました。早朝や不規則な時間にも対応でき、問い合わせの件数が予想外に急増したときも、「誰かサポートに入れない?」と声をかければ、お互いにサポートし合えるのです。

ITは、
人の代わりにはなれないけれども、多くの人をつなぐことができる

富士フイルムは、写真フィルムで培った技術やノウハウを活かし、新たな分野への挑戦を続けてきました。その結果、今ではヘルスケアや高機能材料、ビジネスイノベーション*2などを中心とした事業の多角化につながっています。そして、今回のように、社会から孤立する人をITソリューションでつなぐのもその仕事のひとつです。

--Daniel
今回の事例では、「ロックダウン中も社会的な支援を続けていきたい」という関係者の強い想いがあったからこそ、富士フイルムのITソリューションを活かすことができました。ITは決して人の代わりにはなりません。しかし、ITがあれば、働き方を変え、新たな方法で人と人とをつなぐ手助けができます。
そして、「顧客との長期にわたる関係性が意味を持つ」と再認識できた事例でもあります。これからも、単発のシステム導入やメンテナンスではなく、顧客が抱える課題に、末長く寄り添い、ともに歩んでいく想いを持ってサービスを提供できればと考えています。

モニターを指で示している
モニターを前に真剣に協議するDanielと同僚

富士フイルムは
ITソリューションで人の
「想い」をつなぐことに挑戦し続けます。

*2 ビジネスイノベーション事業とは?

ビジネスイノベーション

富士フイルムグループが展開する事業領域のひとつ。働き方革新やデジタルトランスフォーメーションを支援する商品やサービスの提供により、ビジネス領域におけるお客さまの経営課題の解決に貢献する。

卓越した提案力で
企業と人が輝くITソリューション・サービスを提供

富士フイルムグループはビジネスイノベーション事業において、オフィスドキュメント分野のパイオニアとして、高い堅牢性を有した複合機に代表される卓越した商品技術力と、お客さまの経営課題を把握し解決に導く営業力・提案力を強みに、常に業界をリードしてまいりました。
長年にわたって培ってきた技術やノウハウによって、紙と電子を組み合わせながら必要な情報を最適な形に変換。業務フロー全体の最適化や顧客関係性強化など、ビジネスにおけるさまざまな場面での課題解決のサポートを強みとしています。
富士フイルムグループの総合力を強みに、データやデジタル技術を有効活用することで、お客さまが抱えるさまざまな課題を継続的に解決し、企業も人も輝く社会の実現に貢献していくことを目指しています。