Partner Interview/05
DX推進のカギは企業文化づくり
働く人に光をあて
“はじめの一歩”を踏み出そう
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社
大阪支社 営業統括一部 メジャー営業二部
メジャー営業1グループ
藤田 征也
※ 部署名、役職名は2021年4月時点の情報です。
お客様「目線」ではなく、お客様「起点」のソリューションを
2019年入社の藤田は、大阪で大手の企業様へのフロント営業を務めている。3年経った今、当時の自分を次のように振り返る。
「もちろんお客様目線で仕事を進めていましたが、『この課題なら、あの商品で解決できそうだ』といったように、商品が中心の『プロダクト志向』で、すでに顕在化している課題へアプローチしていました。しかし、自分なりにDXとは何かを突き詰めていくうちに、考え方が変わりました。パンデミックによる社会の変化や組織の現況や文化、社員の方々の心理状態など、個々のお客様の状況をもっと深く知らなければ、お客様のDXを真に推進することはできないと感じたのです。今はお客様を知り抜き、潜在的な課題を見つけることから始める、いわば『お客様起点』の解決策をご提案することを心掛けています」
以前、先輩から「俺たちは売らなくていいもいいんだ」と言われたことがある。「営業なのに売らなくていいの?」と理解できなかったが、今は分かる。
「真のソリューションには定型などありません。お客様にどんな経営課題があるか、部門間での課題は何か、現場では何に困っているのか、事象と事象の間の空間まで観て、それを解決するにはどうすれば良いか。お客様起点で考えていけば、必然的にお客様に『ほしい!』と思っていただけるご提案になり、『売れる=買っていただける』ようになる。だから『売らなくていい』のだと思い至りました。今は、その実現に向けてお客様の理解に努め、お客様起点の解決策をご提案できるよう最善を尽くしています」
導入したDXを運用し続けられるか。人材育成も大きな課題
最近は、DX関連のツールやシステムを導入したはいいが、使いこなし効果を出せるかどうか心配している企業様が多い、と藤田は感じる。
「現場業務の中でどう使うかという運用面や、浸透させていくための教育面に課題を感じている企業が多いように見受けられます。誰がDXの旗を振るのか、将来その方が異動されたらどうするのかなど、答えのないDXを推進するための文化づくりが難しいのです。なぜDXに取り組むのか、一人ひとりにどんなメリットをもたらすかなどの啓発も含めて、DXを推進する人材を育てることが、ツールの導入よりも今後さらに重要な課題だと感じます」
だが、文化づくりは難しい。そこでキーとなるのが、共通言語を作り、一般社員にスポットをあてる仕組みづくりだと言う。
「ツールを取り入れていただいた企業様の中には、上手にツールを使いこなしている社員様も複数いらっしゃいます。その方々に中心となっていただき、社内のDX化を推進するのが文化づくりには有効です。社内のDX化は、単に上から降ろしていくだけでは進みません。現場の方に光をあて、率先して推進する仕組みを構築できれば、社内もおのずと活気づき、DX化もスピードアップしていきます。もちろん、技術的な側面でお悩みがあれば、われわれも積極的にセミナーを開催していきますので、ぜひ現場始点でDX化を推進してほしいですね」
DX推進の文化づくりは難しい課題だが、藤田は社内外の実例を通じて解決していきたいという。
「弊社では、全社員にDXステートメントカードを配布して、カードの裏に『私のDX宣言』という個人で記入する部分を作りました。これは、一人ひとりがDXを自分ごとのように考えるきっかけと、『私のDX宣言』に何を書いたのかが社内で共通の話題になることで、DX文化を浸透させるための取り組みとして実施されました。同様の施策はお客様の社内でも有効だと思っています。一方、弊社には、お客様の声を聞いて製造に反映する『ボイスオブカスタマー』という文化が根付いています。これまでDX化をサポートしたお客様からも、DXの推進過程で発生した良いこと、悪いことなどの“生の声”をお聞きし、しっかり蓄積しています。これらもフルに活用して、適切なソリューションをご提案するだけでなく、文化づくりもしっかりフォローしていきたいですね」
改正電子帳簿保存法への対応をDX推進へのきっかけに
藤田は、DXにどこから手を付ければいいか分からないというお客様には、改正電子帳簿保存法(以下、電帳法)への対応を入り口にすることをお勧めしている。
「DXは『デジタイゼーション』、『デジタライゼーション』『デジタルトランスフォーメーション』の3段階に分解できます。DXの基盤として、まず紙などのアナログデータの運用や管理をデジタル化する『デジタイゼーション』が必要になります。改正電子帳簿保存法では取引データの電子保存や紙文書のスキャナ保存などペーパーレス化が求められており、絶対に対応しなければならない要件ですので、デジタイゼーションのきっかけ、そしてDXの始めの一歩としては最適です。その際、ペーパーレス化における一連のプロセスのハブとなるのが複合機です。これからの時代、複合機は『紙を出力する装置』から『紙を電子化する装置』としての役割がより大きくなり、電子化の入り口となっていくでしょう。そこから、業務全体をデジタル化する『デジタライゼーション』、ビジネスモデルや企業文化を変革する『デジタルトランスフォーメーション』へとつながっていきます」
実際に電帳法対応についてのお問い合わせは多い。
「請求書などの電子取引におけるデータの電子保存を義務化する規定については、対応に猶予期間※が設けられましたが、それでも2年間です。担当しているお客様からは、他社がどのように対応したか、実例の紹介を求められます。また、大手の企業様の場合、本社部門だけでなくグループ会社や関連会社なども含め、トータルな対応を考えないといけないこともあります。そんな時に、弊社が全国で経験した豊富な事例と、社内の専門家の高度なスキルで、お客様の状況に応じて適切に対応できるのは大きな強みです」
DX 成功のコツはスモールスタート
一人ひとりの想いを実現し、お客様とともに新たな事例をつくっていく
結局のところDXは手段でしかない。その会社で働く一人ひとりの想いを実現すること――それが、理想のDXだと藤田は考えている。
「解決策は何も弊社の商品である必要はない、と思っているんです。若手社員はつい、自社の商品を通じてお役に立ちたい、というプロダクト志向になりがちです。私自身もそう考えてしまうこともある。それも大事ですが、それ以上に『今はまだないものを新しくつくっていく』ことに重きを置きたいと思っています。お客様起点で考え、お客様と一緒にソリューションをつくりだす。そうして生まれた新しい解決策を、新たな事例としていく――それが、私にとってのDX提案です。私たちにはパートナー企業の製品サービスを含む幅広い商品ラインアップがあり、今までお付き合いいただいたお客様と解決してきた豊富な事例があります。全国1万人の同僚の知見も含めて、お客様にベストの解決策をお届けする――そうした取り組みを続けながら、お客様と長い間お付き合いいただけるようになっていきたいと考えています」
※部署名・インタビュー内容などは、2022年2月時点の取材内容に基づきます。
お問い合わせ
DXに関する
ご相談・お問い合わせはこちら
─お客様を成功に導く懸け橋となる存在へ─
DXの実現へ、お客様と共に歩んでまいります。