メタリックカラーCMS技術
富士フイルムビジネスイノベーションのプロダクションプリンターは、CMYKトナーとゴールドトナー/シルバートナー、クリアトナーといった特色トナーの組み合わせによって、付加価値の高い印刷物の提供を目指しています。
鮮やかなメタリックカラーを実現
特殊トナーを生かした付加価値の高い印刷物へのニーズに応えるため、ゴールドトナー/シルバートナー単色だけでなく、CMYKトナーとの掛け合わせにより、さまざまなメタリックカラーを再現できる、メタリックカラーCMS技術を開発しました。
従来のプロダクションプリンターでは、ゴールドトナー/シルバートナーはCMYKトナーの上層に形成されるため、CMYKトナーは隠ぺいされてしまい、鮮やかなメタリックカラーを再現することはできませんでした。そこで、ゴールドトナー/シルバートナーの上層にCMYKトナーを形成することが可能なプロダクションプリンターにより、鮮やかなメタリックカラーを再現することが可能となりました。
PANTONEライブラリー、独自のスウォッチテーブルによるメタリックカラーを実現
PANTONEライブラリーのようなメタリックカラー特色を、CMYKトナーとシルバートナーの組み合わせで再現する場合、メタリックカラーでは観察方向における色再現が異なるため、従来の拡散方向(45°)の測色値に基づくカラーマネジメント技術では、入射光の正反射方向に近い測色角度(15°) 正反射方向(15°)における色再現が、ターゲットとなるメタリックインクと異なってしまい、十分な光輝感が得られないだけでなく、色の見え方も異なるという課題がありました(図2)。そこで、メタリックカラーの特徴である複数の観察方向に対する色再現性を考慮することで光輝感を高め、メタリックインクに色の見え方を近づけることが可能なカラーマネジメント技術を開発しました。この技術により、シルバートナーとCMYKトナーの掛け合わせで、様々なメタリック色を再現できるだけでなく、従来機種に比べてPANTONEのメタリックカラーライブラリに近い再現を実現しました。
さらに、カラーマネジメント技術の知見をもとに、社内デザイナーの意見をフィードバックし、プロダクションプリンターに対して最適な光輝感のメタリックカラーを実現する富士フイルムビジネスイノベーション独自のスウォッチテーブルを設計しました。このスウォッチテーブルを用いることにより、メタリックブルー、メタリックレッドなどのシルバートナーベースのメタリックカラーに加えて、青金、赤金などのゴールドトナーベースのメタリックカラーを用いた印刷物を簡単に作成することが可能になり、表現力の広がりによる、新たな価値提供を実現します。