CUREVISTA Openプロジェクトにおけるサービス担当の使命。フィールドから聞こえてくる声をシステムにどう織り込むか、お客さまと患者さんが喜ぶものをどうカタチにするか。サービス・エンジニア宮崎康弘が「感じて動いたこと」。
私たちサービス・エンジニアが一番に心掛けているのは、患者さんと検査に従事される方のために、「システムが壊れないようにする」ことです。もしもの時も検査・治療を最優先・最短時間で復旧させる仕組みづくりを設計段階から取り入れる。私にとっては「システムを止めない」が、この商品開発のコンセプトでした。
「動き続けさせること、止めないこと」はあくまでも目標です。どんなシステムでも機械である以上、リスクをゼロにはできません。しかし、壊れてから飛んでいくのと、壊れる前に予定を立てて向かうのとではまったく異なります。メーカー側の話だけでなく病院側も同様です。
事前に予測する、そういう仕組みをシステムに実装し、すべてとはいわないまでも、できるかぎりシステム側で情報を把握して、故障の予兆をつかむことができるような仕組みをつくれないか。それが私たちサービス・エンジニアの立場から求める一番大きなポイントでした。
まずは日頃第一線で対応しているサービス・エンジニアの意見をグローバル規模で収集し、優先順位をつけて取り込んでいくところからはじめました。
たとえば部品交換。最初から「交換は30分以内」というコンセプトを決めて、それをとにかく守る設計や仕組みを目標としました。たとえ消耗部品の交換でもお客さまのシステムを止めることになります。ポイントは時間がかかるものを「どれだけ減らせるか?」です。パーツの内蔵化は見た目としてはいいのですが、場合によっては作業効率が下がってしまうこともあります。CUREVISTA Openは、そんなデザインと効率の両立を追求しました。
CUREVISTA Openは、お客さまとのコミュニケーションの在り方においても、1歩先をめざしています。ログ情報によるシステムの状況確認、迅速な不具合箇所の特定対応……。そして予防保全に効果的なメンテナンス周期管理も視野に入れています。消耗部品に関しては、年月による交換周期を設けることに加え、ご使用環境ごとに使用回数ログによるデジタル的な交換周期管理もめざしています。さらに、日頃のシステムの稼働環境を把握できれば、お客さまと運用や環境改善について相談しシステムダウンの回避策も見えてくるでしょう。
将来的には、蓄積されたログ(いわばビッグデータ)を活用して放射線科や検査科の運用効率向上や病院経営を支援するためのツールを提供するといったレベルまで到達することが、私の目標のひとつですね。