X線透視システムがお客さまのファーストチョイスとして、そしてマーケットリーダーとして存在し続けるには?新たなCUREVISTA Open開発の全体的なコンセプトは?その起点となる統括責任者のエピソードから。
「ええもん、つくったなぁ」
「ええもん、つくったなぁ」
私たちは、これまでX線透視システムとしてVISTAシリーズを展開してまいりました。病院に定点カメラを据え付けて、ドクターや放射線技師さんの動線などを観察させていただき、客観的に分析してつくったシステムです。エスノグラフィーという手法ですが、現場から生まれたシステムといっても過言ではありません。
私は長く設計に携わっていましたが、完成と同時に営業に出てお客さまへ直接提案に伺った時期がありました。商品提案、数多くのプレゼン……1年近くで400件ほどお客さまのところへお邪魔しました。
そんな折、導入してくださったあるお客さまから、しみじみとこんなお言葉をいただいたのです。
「ええもん、つくったなぁ」
ちょうど10年前のことです。
現場重視、すなわちお客さま本位で開発できたことを実感した瞬間でした。今回の新商品開発コンセプトの起点はまさに、お客さまのこの言葉です。
変化への対応。その先へ
CUREVISTA Openの目標として掲げたのは「医療の進化に伴う、さまざまな検査への対応」です。ハイクオリティな性能でさまざまな診療科が検査や治療のために効率的に使え、稼働率も飛躍的に上げていけること。それは大病院だけでなく小規模病院ではなおさら求められます。
そして「検査だけでなく治療環境への対応」。それはX線透視システムがさまざまな治療現場・環境で使われていることを、共同研究などのシーンで気づきました。そう、私たちはシステムの使われ方やトレンド変化を肌で感じ、理解し、それに素早く対応する必要があるのです。
お客さまのためになるシステムをつくりあげるのがゴール。そのために現場の声を「システムの形ができる前から組み込む」ことがスタートとなりました。
商品の青写真もなにもない開発キックオフの段階で、さまざまな部門の精鋭メンバーを集めました。国内営業、国際営業、技術営業、マーケティング、設計、品質保証、サービス……部門が違えばお客さんと接する場面も異なり、経験や考え方も異なります。集められたメンバーが各部門を引っ張っていく。当初は苦労もありましたが、やがて完璧なワンチームになっていきました。
集められた声は925項目
プロジェクトメンバーから集まった声は最終的に925項目にのぼり、それをひとつずつ何週間も見直す作業が続きました。設計開発期間は有限で、後戻りはできません。誰が何を言ったか、採用・不採用、その理由まで、何周も回して記録し最終的な理想像をつかみ、その道のりを見つけていきました。
プロジェクトメンバーそれぞれが指示されて動くのではなく「自らが感じて、動く」。そこにこそCUREVISTA Openに注がれた情熱が存在します。
特筆すべき価値、魅力が盛り込まれた新しいシステム……多くのお客さまに「ええもん、つくったなぁ」と感じていただけるのではないかと期待しています。