技術営業とアプリケーション担当。より臨床現場に近い立場からプロジェクトに参加し、
お客さまの声を「出し切れた」という思いに至った。技術営業・須賀健悟と嶋田智昌が「感じて、動いたこと」。
須賀:
もともと私は当社のX線透視システムの低被ばく性能に強い自信をもっています。それでも、普段から技術営業として臨床現場を近くで見るなかで、低被ばく化技術のさらなる向上を期待する声をたくさん頂戴していました。ドクターや放射線技師だけでなく、患者さんの近くに立つ看護師の方々も、手技に立ち会うほど被ばくが増える可能性は高くなっていきます。看護師の方々の具体的なご意見も多数いただき、その声をしっかりと開発に活かしました。
嶋田:
一方で、「低被ばくだから画質は悪い」では本末転倒ですよね。つまり低被ばく化実現のためには、必然的に高度な画像処理技術が求められます。CUREVISTA OpenではVISTABRAINという新世代の画像処理エンジンを搭載して、たとえば「IntelliFRAME (フレーム補間処理)」という処理には、今回さらに新しい技術を投入しました。これにより、画面の動きを検知して行っていた従来の補間技術に加え、画素単位での動きの「方向」と「量」を補正しながら、より高精度にフレームを倍増させることができます。
須賀:
検査環境の改善も大きな課題です。内視鏡をはじめとした周辺機器が増え、検査室内の床には多くのケーブルが這っていることも多く、スタッフの方がつまずく原因になります。CUREVISTA Openでは、それをシステムの両サイドにまとめることで、そういったリスクを減らそうとしています。
嶋田:
検査室の用途が多様化する一方で部屋の広さには限りがありますし、さまざまな機材が持ち込まれるとワークスペースが狭くなりがちです。そうなると、装置の奥行も重要になってきます。CUREVISTA Openは、前モデルよりも奥行きが20cm以上コンパクトになるよう設計しました※。加えて壁にピタッと設置できるデザインにもこだわったので、たとえばストレッチャーしか入らなかったスペースにベッドが入るなど、機材の増加以外の面でもメリットが出てくるかもしれません。
嶋田:
ほかには直感的な操作性にもこだわっています。デザインや操作性は、医療行為そのものを劇的に改善するものではないかもしれませんが、スタッフの方々の動線や作業効率が少しずつでも改善されていくことを期待しています。
須賀:
検査環境改善に対する配慮の代表例としては、たとえば2WAY ARM(2方向[縦・横]移動アーム)が挙げられます。縦横2方向の移動がX線管支持器のみで可能なので、テーブルトップを完全固定することができます。視野移動のための天板移動で、もう被検者を動かす必要はありません。ほかにも手技用スポットライトの装備や背面への回り込みのスムーズさ……カタログスペックには現れない魅力もたくさん盛り込めたと思います。これらすべての開発の原点は「お客さまの声」です。CUREVISTA Openをとおして、普段の医療行為の中に「安心」を感じていただくことをめざしています。