コンクリート面のひびわれをAIで自動検出する「ひびみっけ」。構造物を撮影する際に、スマートフォン(スマホ)で撮影してもいいのでしょうか? この質問にお答えします。結論から言うと、スマホは適していません。それはなぜか、簡単に説明していきましょう。
コンクリート面のひびわれをAIで自動検出し、点検業務を効率化する「ひびみっけ」では、まず検査対象のコンクリート構造物を撮影して画像を得るところからスタートします。今や写真撮影で最もよく使うのはスマホのカメラという人も多いでしょう。最近のスマホのカメラは驚くほど高性能で、試しに構造物を撮影してみると、非常に奇麗に仕上がります。これで十分かと思いきや、ひびわれ検出にとって適した画像ではない場合があるのです。
一番問題となるのはスマホ特有の画像処理です。最近のスマホで撮影した写真は非常に奇麗に見えるという感想を持つ方も多いかと思いますが、その理由としてカメラアプリが瞬時に画像処理を行い、細かなノイズを自動的に除去していることが挙げられます。しかし、この処理によって、ひびわれも一緒に除去されてしまう可能性があるため、ひびわれ検出には不向きといえます。
ひびわれ検出は、撮影された画像が、人の目で見てもひびわれだと判別できる必要があるのです。美しい写真と、詳細まで明瞭に写る写真は別物だというわけです。
また、画素数に関しても注意が必要です。ひびみっけで使用するカメラの画素数は2,400万画素以上を推奨しています。スマホだと機種や設定にもよりますが1,200万画素程度が主流(2024年現在)で、幅0.1mmや0.2mmといった微細なひびを写すためには、非常に多くの枚数の撮影をしなくてはならなくなります。
ではコンパクトデジタルカメラ(レンズ部分の交換ができない、レンズ一体式のカメラ)ではどうか?と思う方も多いでしょう。こちらも前述のスマホと同じく画素数が2,000万画素に満たない機種が多く、一部の機種はスマホと同じような画像処理(ノイズ除去)を行ってしまうことが確認されているため、推奨していません。
また、高所(高橋脚など)はドローンで撮影する場合がありますが、ドローンには必ずしも大きなデジタル一眼カメラを搭載できるわけではなく、内蔵の小型カメラが主流です。この場合、お持ちのドローンのカメラの仕様を事前に確認し、撮影条件を考慮した上で撮影することが必要です。詳細は弊社資料を参考にしてください。(お手元にない場合は資料請求またはお問い合わせください。)
なお、コンクリート面のひびわれをチョーキングしたものを描画し、データ化する「チョーク検出」の場合は、仕様を満たせばスマートフォンやコンパクトデジタルカメラも使用可能です。