橋梁やトンネルなどのコンクリート構造物の点検業務を効率化する社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」。ユーザー自身が撮影した構造物の画像を合成・解析して、ひびわれをAIが自動検出します。しかし、ひびわれを検出するためには、そもそもコンクリートに入ったひびわれが検出可能な像として写っていることが大前提となります。ここではひびみっけでひびわれ検出を実現するための推奨カメラ設定をご紹介します。
ひびみっけで最適なひびわれ検出を実現するためのカメラのスペックと設定
推奨される機材は、デジタル一眼カメラと三脚が基本です。これらを使って、ピントをしっかり合わせて以下の設定にして撮影すると、カメラ初心者でもうまく撮影することができます。多くのスマホでは、こうした設定自体、そもそも行う事が出来ない機種がほとんどです。
- カメラ機種
デジタル一眼カメラ
- 画素数
2,400万画素(6,000×4,000ピクセル)以上(推奨)
(実物大1,800×1,200mmを6,000×4,000ピクセルの画像で撮影)- 撮影モード
絞り優先モード
- ISO感度
200以下
- 絞り(F値)
F8
- シャッター速度
1/100秒以上
- その他
三脚を利用し、デジタルズーム機能は使用しないこと
カメラは高解像度撮影が可能なデジタル一眼カメラ(レンズ交換が可能なタイプ)であれば基本的には問題ありません(有効画素数2,400万画素以上)。カメラの設定で6,000×4,000ピクセル以上の画像を撮影できるものが該当します。この解像度があれば、ひびみっけのAIはひび幅0.1mmまで検出が可能になります。6,000×4,000ピクセルの解像度の画像であれば、1,800×1,200mm(1.8×1.2m)の大きさの対象物まで撮影しても0.1mmまで検出することが可能な精細さを保てることになります。
また、スマートフォンでの撮影は、基本的には不適切と考えていいでしょう。コンパクトデジタルカメラでもまだ解像度が不足気味のため、基本は2,400万画素(6,000×4,000ピクセル)以上の解像度のあるレンズ交換式のカメラで撮影しましょう。なお、コンパクトデジタルカメラやスマートフォンでも仕様を満たす場合、チョーク検出であれば利用可能です。
以下に、カメラの画素数、求められるひび幅の細さ、画角の広さの関係を記します。参考にしてください。
0.1mmのひび(0.3mm/画素)の撮影方法
1. カメラ画素数の確認
所有カメラの画素数を確認します。
例)当社「FUJIFILM X-T100」の画素数は6,000×4,000ピクセルです。
2. 撮影可能範囲の算出
ひび幅0.1mm以上を検出するには、横/縦の画素数にそれぞれ「0.3mm/画素」をかけて撮影範囲を算出します。
0.2mmのひび(0.6mm/画素)の撮影方法
1. カメラ画素数の確認
所有カメラの画素数を確認します。
例)当社「FUJIFILM X-T100」の画素数は6,000×4,000ピクセルです。
2. 撮影可能範囲の算出
ひび幅0.2mm以上を検出するには、横/縦の画素数にそれぞれ「0.6mm/画素」をかけて撮影範囲を算出します。
次に大事なのは、カメラの設定です。まずはカメラを絞り優先モード(カメラにより名称が異なります)に設定しましょう。モードを設定したら、絞り(F値)をF8以上に設定します。シャッタースピードは1/100秒以上ですが、絞り優先モードの場合、カメラが自動で決定します。ISO感度は200以下に設定します。ISO感度を必要以上に高い値に設定すると、ノイズ処理によって本来写るはずの細かなひびが画像から消えてしまいます。
フラッシュを使用する場合は、対象コンクリート面が150ルクス、最低でも50ルクス以上になるよう調整します。また、対象物に照明などが付帯していて、露出にムラが出過ぎるときは、フラッシュなどの補助光を当てて撮影します。