富士フイルムは、化学品、高機能材料、機器など幅広い製品を製造しているため、「化学物質の取り扱い管理」及び「製品に含まれる化学物質の管理」の2つの側面から、製品の成り立ちに応じた管理規定を策定し、グループ全体で運用管理を行っています。世界各国・地域の法規制動向も的確に把握し、早期に対応準備を開始する体制も構築し、確実かつ効率的な化学物質管理を推進しています。
富士フイルムグループにおける取り組み
当社グループとして進めている、適切な化学物質管理のための活動についてご紹介します。
製品・技術における取り組み
機能性ポリマー製造時の環境負荷削減に貢献する「水溶性アゾ重合開始剤」
接着剤や塗料、コーティング剤などの機能性ポリマーを製造する重合工程においては、一般的に他の物質を溶かす性質を持つ有機溶剤と有機溶剤に溶解する油溶性の重合開始剤が使用されます。有機溶剤の利用や廃棄の際には、健康への影響や大気汚染をもたらす恐れのある、環境負荷の高いVOC(揮発性有機化合物)が発生します。
当社グループで開発した水溶性アゾ重合開始剤は、有機溶剤ではなく水に溶けやすい性質を持ちます。そのため、一般的な油溶性の重合開始剤と比較した場合に製造工程全体で使用する有機溶剤の削減が可能となり、有機溶剤利用時・廃棄時に発生するVOCの削減に貢献します。
さらに、有機溶剤利用・廃棄の際に発生するCO2排出量も低減されます。当社は今後も、環境負荷削減につながる素材の提供を継続していきます。