このウェブサイトはクッキーを使用しています。このサイトを使用することにより、プライバシーポリシーに同意したことになります。

日本
動物医療コラム

リピーターの飼主さまを増やし“かかりつけ病院”となるためのポイント

このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。

一部メディアではいまだに「ペットブーム」などの言葉が用いられることもありますが、実態としては日本の犬猫の飼育頭数は微減または横ばいで推移しており、日本の人口自体が減少傾向で少子高齢化が進んでいる現状も踏まえると、今後も犬猫の飼育頭数が大きく伸びることは期待しづらい状況です。そのような中でリピーターの飼主さまをつくることは、動物病院にとってより重要性を増しています。今回は、初診で訪れた飼主さまをリピーターにして、かかりつけ病院としていただけるためのポイントについてご紹介します。

2. 病院情報の提供

ウェブサイトなどで病院の特徴や取組について情報発信をしている動物病院も多いと思いますが、初診の時点でその情報を熟読して理解されている飼主さまは、想像以上に少ないものです。

そこで以下のような病院の情報をまとめた資料を事前に作成しておき、診察券と一緒に初診の飼主さまにお渡しすることをお勧めしています。

  • 診療時間や病院の特徴などをまとめた基本パンフレット
  • 力を入れている診療科や特定の治療や手術などについてまとめた資料
  • パピークラスやシニアクラスなどのイベントについてまとめた資料
  • LINEやInstagramを活用していればアカウント情報やQRコード

など。

上記のような資料を複数作成し、薄手のファイルにセットしてファイルごと初診の飼主さまにお渡ししている動物病院もあります。初診時はその飼主さまの病院に対する興味、関心も比較的高い状態ですので、そのタイミングで病院のことをより深く知っていただけるような資料提供を積極的に行いたいところです。

4. 定期的な情報提供

初診時だけではなく、その後も定期的に飼主さまへのアプローチをするようにしましょう。混合ワクチンや狂犬病の案内は多くの病院で行っていると思いますが、それ以外にもダイレクトメールなどで定期的な健康診断の案内をするのもお勧めです。健康診断の情報発信については「健康診断の情報発信の手法あれこれ」のコラムもご参照ください。

またLINEなどのメッセージツールを活用されている場合は、定期的に季節に応じた獣医療に関するメッセージ(春はフィラリア予防、夏は熱中症予防など)を送るなどもお勧めです。定期的なアプローチ、コミュニケーションをすることで、飼主さまにとって動物病院がより身近な存在となるよう努めましょう。

 

本記事のまとめ:飼育頭数が減少し、動物病院数が増えている現状において、飼主さまにリピーターになっていただく重要性は増しています。飼主さまにとってのかかりつけ病院となれるよう、できることをしていきましょう!

【2024年5月/文責:動物病院経営パートナーEn-Jin 代表取締役 古屋敷 純】