「がん」は、わんちゃんの死因1位*1であることをご存じですか?
- *1 犬のサイズ別の死亡原因 中型犬・大型犬 8歳以上
アニコム ホールディングス株式会社「家庭どうぶつ白書2023」
そもそも「がん」ってなに?
腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、悪性腫瘍の総称を「がん」と言います。
人のがんと同様に異常な細胞が制御不能に増殖する病気です。
これらの異常細胞が身体の様々な部分に影響を及ぼします。

がんの分類
分類 | 発生する細胞 | がんの例 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
固形がん | がん | 体の表面や臓器の粘膜などを覆っている細胞(上皮細胞) | 大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、前立腺がん、膵臓がん、肝細胞がんなど |
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肉腫 | 骨や筋肉などを作る細胞 | 骨肉腫、軟骨肉腫、脂肪肉腫、未分化多形肉腫、粘液線維肉腫、平滑筋肉腫など | ||
造血器腫瘍 (血液のがん) | 白血球やリンパ球などの、血管や骨髄、リンパ節の中にある細胞 | 白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など |
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参考:がん情報サービス ganjoho.jpを元に作図
がんはどのように発生、進行するの?
体の表面にできるがんの場合

参考:がん情報サービス ganjoho.jpを元に作図
① 正常な組織
② 正常な組織の中に、遺伝子が傷ついた(変異した)異常な細胞ができる
③ 異常な細胞の中で複数の遺伝子の変異が蓄積して増殖が止まらなくなり、腫瘍(かたまり)を作る
④ 浸潤:異常な細胞が、基底膜(上皮と間質の境目にある膜)を越えて広がる
⑤ 転移:血管などに入り込んで全身に広がる
いわゆる「血液のがん」と呼ばれる造血器腫瘍では、かたまりをつくらないものもあります。(がんの分類参照)
良性と悪性の一般的な違い
良性腫瘍
- 急激に大きくならず、成長が遅いことが多い
- 他の組織や臓器に広がらないことが多い
- 必要に応じて手術で取り除く
- 生涯にわたって症状の出ないものや生命に影響を及ぼさないものもある
悪性腫瘍(がん)
- 急速に成長し、時に侵攻的に他の組織に広がることがある
- 転移して他の部位にがん細胞が広がることがある(例えば、血液やリンパ系を通じて)
- ほとんどの場合、治療が必要となる
- 早期発見と治療が生命を救うカギとなる
監修:富士フイルムVETシステムズ株式会社 社内獣医師
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