甲状腺機能亢進症とは

体の代謝を活発にする甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで発症します。高齢のねこちゃんでは多く見られる病気です。「よく食べるのに痩せている」「よく吐く」「毛並みが悪くなった」「性格が攻撃的になる」などの症状が挙げられますが、ご家族さまからは、病気に見えないことも少なくありません。悪化すると食欲の低下や、呼吸困難が見られることも。少しでも気になる様子があったら、検査を受けましょう。また、予防法は確立されていないため、健康診断などで、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
甲状腺機能亢進症に見られる症状
「最近痩せてきた…」と気になったことはありませんか?
下記のうち、どれか1つでも気になることがあれば、検査を受け、早期発見を心がけましょう。
よく食べるのに体重が減った

鳴き声が変わった

よく吐く

水をたくさん飲むようになった

毛並みが悪くなった

年齢のわりに活発

血液検査で甲状腺機能の状態を把握することができます
ねこちゃんと楽しく豊かな生活を送るために、
年に1~2回は動物病院へ行き、健康診断を受けましょう!
年齢別 甲状腺機能の異常値(%)*1

- *1 2021年2月~2022年1月に富士フイルムVETシステムズ株式会社の検査を受けた猫に対する調査結果より、甲状腺機能検査T4の結果を使用。
富士フイルムVETシステムズ参考基準範囲より上回った値を異常値としています。異常値の場合は精密検査が必要です。
Q & A
Q. 原因は何ですか?
Q. 原因は何ですか?
A. 甲状腺ホルモンが上昇することでおこり、甲状腺が大きくなっていることもあります。
Q. 甲状腺機能亢進症は治りますか?
Q. 甲状腺機能亢進症は治りますか?
A. 抗甲状腺薬の服用によって症状が改善することが多いです。場合によっては手術で甲状腺を摘出します。
Q. 重症化するとどうなりますか?
Q. 重症化するとどうなりますか?
A. 体重がどんどん減少し、脱水により腎不全となる可能性があります。
Q. どのような検査が必要ですか?
Q. どのような検査が必要ですか?
A. 採血をして血液中の甲状腺に関係するホルモンの濃度を調べます。
甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても、ねこちゃんに負担がかかります。
監修:日本獣医生命科学大学 名誉教授 左向 敏紀 先生
甲状腺機能亢進症の一般的な併発障害
- 甲状腺中毒性心筋障害
- 腎不全
- 全身性高血圧症
- 消化管障害
甲状腺機能亢進症の主な検査
- T4
- FT4
- TSH
甲状腺機能亢進症の主な治療法
- 内科療法…抗甲状腺薬の投与、食餌療法(療法食)
- 外科療法…甲状腺切除
猫の甲状腺機能亢進症 診断フローチャート*2

- *2 モノリス通信17、18号 西飯 直仁 先生
早期発見・早期治療によって症状の悪化を抑えることができれば、発症後もねこちゃんは通常の生活を送ることができます。
監修:岐阜大学 名誉教授 鬼頭 克也 先生
岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科 獣医内科学 教授 西飯 直仁 先生
本記事は掲載日時点の情報であり、記事の内容や、施設名、所属、役職などは最新の情報とは異なる場合があります。