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CSR活動報告│健康

医療サービスへのアクセス向上

当社は、医療サービスへのアクセス向上に貢献することを目指し、2030年度までに医療AI技術を活用した製品・サービスを世界196のすべての国に導入することを目標にしています。2023年度は累計100か国に導入し、2023年度の目標を達成しました。

ITを活用した医師や医療従事者の負担軽減

当社は、医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援などに活用できるAI技術を「REiLI(レイリ)」のブランド名で展開し、国内外のアカデミアと共創し、医療現場の課題解決に取り組んでいます。

2019年には外部機関と、AI技術を用いた間質性肺炎の診断支援技術を共同開発。 2024年にはAI技術を用いた外来患者向け転倒リスク予測技術の開発と、日本医用画像データベース(J-MID)向け次世代クラウ ド管理基盤の構築を外部機関と共同で実施しました。J-MIDは、国内のどこからでも高速な医用画像の登録・参照・検索を可能にし、医用画像を活用した画診断支援AI技術の研究開発を促進することが期待されています。

国内外のアカデミアと共創を通じて、今後もAI技術を活用した製品・サービスを提供し、医療現場の効率化につながる医療ソリューションの拡大普及を促進していきます。

富士フイルムのAI技術「REiLI」ロゴ

グローバルヘルスに貢献する感染症診断システムの開発・普及

富士フイルムグループは近年、「結核」終息への貢献に注力してきました。結核はエイズ、マラリアと並び「世界三大感染症」とされており、2015年に国連総会で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)の目標3「すべての人に健康と福祉を」においても、「2030年までにエイズ、結核、マラリアおよび顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶する」ことが目標に掲げられています。

結核による死亡者数は、全世界で年間約150万人に上るとされており、特にアジアやアフリカなどにおける新興国では、医療サービスへのアクセスが十分に整備されていないことなどを背景に、多くの人々が「感染」や「重症化」の高いリスクにさらされています。こうした社会課題を解決し、一人でも多くの人の命が救われるよう、小型の携帯型X線撮影装置の開発とその提供を通じて、新興国における結核検診の支援活動を行っています。

新興国への診断技術指導と健康習慣の普及

当社は、新興国の医療環境改善のためには、各国での製品の普及だけではなく、医療技術の向上が重要と考え、人材育成、検診習慣の普及等の以下のようなサポートを行っています。

  • 2020年から2022年にかけて、ケニアにおいて周産期分野*1における現地指導医の育成を通じた超音波画像診断装置の普及事業を実施

  • 2023年にエジプトの複数の州で放射線技師や医学部生約500人を対象に、医療最新技術のトレーニングを提供

  • 上記実績をもとに2024年には、エジプト統一調達・医療品・医療技術管理庁(UPA)と、最先端の画像解析と診断技術を展開し、エジプトの医療技術者の能力向上を図るトレーニングプログラムを提供する覚書(MOU)に調印

  • インドにおいてもX線を用いた結核検診普及実証調査プロジェクトを推進

今後も新興国での医療環境改善に向け、各種活動を推進していきます。
 

  • *1 周産期分野:周産期(妊娠22週から出生後7日未満)における、妊娠・分娩に 関わる母体・胎児管理と出生後の新生児管理を対象とする医療分野のこと。