このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。
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今回のコラムではホームページ(ウェブサイトとも言いますが、本コラムではホームページ(HP)で統一表記します)の重要性や自院のHPの分析のポイントについて紹介します。
1.HPは情報発信の“最重要拠点”
最近では、初診の飼主さまに「どのようにして当院のことを知りましたか?」とお伺いすると、多くの方が「HPを見て」と回答されます。反対に、一度もHPを見ることなく、「通りすがりで」「電話帳で調べて」といった理由で来院されるケースは非常に少なくなりました。このことからも、現在の動物病院経営において、HPがマーケティングの必須ツールとなっていることがわかります。また飼主さまだけでなく、動物病院に就職を希望する求職者も応募する前にはHPを見ることが当たり前になっており、そこで与える印象が志望度にも大きく影響します。
「新患獲得のための情報発信ツールの選択」のコラムでも、情報発信の“最重要拠点”はHPであるとお伝えしました。HPは動物病院の場所や診察時間などの基礎情報はもとより、その病院の特徴や院長先生の考え方を飼主さまや求職者に365日24時間発信してくれるものです。ポイントを抑えて、飼主さまや求職者にとって魅力的なサイトにするためには、まずはHPの重要性を理解し、自院のHPの現状をよく知ることが大切です。
2.GA4で自社HPを定期的に確認する
- 「自院のHPを1日何人くらいの方が閲覧しているか」
- 「自院のHPで一番見られているページはどのページか」
- 「自院のHPを一番多く見ているのは、どの市区町村に住んでいる人か」
これらのことは全て、Google社が提供している「GA4(Googleアナリティクス 4)」というツールを使えば誰でも簡単に知ることができます。このツールは誰でも無料で使うことができます。

GA4の分析例
上図はあるHPのGA4の画面の一例ですが、過去90日間に9.9万人の方が訪れ、ページが53万回表示されていることや、その人数の推移などがわかります。もちろんこれだけではなく、サイトを訪れている方の年代、性別、使っているデバイスの種類(PC、タブレット、スマホなど)などもGA4で知ることができます。
GA4の利用には自院のHPに特定の「コード」を埋め込む必要がありますが、多くの場合はHPが完成した時点で制作会社がこのコードを埋め込んでくれています(HP制作会社としても、自社が制作したHPの分析をする必要があるためです)。したがってGoogleのアカウント(メールアドレス)を取得して「このアカウントにGA4の権限を付与してください」と依頼すれば、ほとんどの場合、すぐに上図のような分析画面を見ることができるようになります。まさに「使わなきゃ損」なツールですので、ぜひご利用されることをお勧めします。
3.分析結果をHP運営に活用する
このような分析結果はHPの方針を決定するうえでとても便利で、例えば以下のような経営判断、意思決定に活用することができます。
- 見てほしいページがあまり見られていないから、ページの入口をわかりやすくしよう
- ●●市の人にもっと見てほしいから、そのためのキーワードを追加しよう
- 先日広告を出したらその直後から閲覧数が伸びている。広告は正解だったな。
- 長らく有料求人サイトに掲載しているが、そこからのリンクでHPを訪れている人はほとんどいないから、掲載を打ち切ろう
- TwitterやFacebookは人気なのに、そこからHPへの流入が少ないので対策を考えよう。
逆に言えば、HPの現状分析もしないまま、思いつきや業者の勧めるがままになんとなくHPをリニューアルしても、思った効果が出なかったり、ひどい場合はうまくいっていたところが改悪されてしまい閲覧数が減ったり、検索順位が下がってしまうことさえあります。繰り返しになりますが、上記のGA4を導入すれば、自院のHPの基本的な分析が無料で可能ですので、まだ使ったことが無い方はぜひ一度見てみることをお勧めします。

【2025年3月/文責:動物病院経営パートナーEn-Jin 代表取締役 古屋敷 純】
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