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動物医療コラム

【病理診断の現場から】
形態学診断医の あれ!この症例~犬の甲状腺腫瘍~

このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。

掲載記事は掲載日時点の情報であり、記事の内容などは最新の情報とは異なる場合があります。

経過

症例画像

犬、トイプードル、16歳、避妊雌。左頸部の領域の腫瘤病変を主訴に来院。腫瘤は頸部腹側の浅頚リンパ節の近くに存在する弾力のある境界明瞭な皮下の腫瘤で、サイズは5×4cm。

診断:甲状腺腫瘍を最も強く疑う Most compatible with thyroid tumor

解説

裸核性の上皮細胞が多数みられることから内分泌腫瘍が考えられ、さらに採材された部位と細胞形態から甲状腺腫瘍が最も疑われます。上皮細胞が時折円形に配列し、内部にはサイログロブリンを含む赤みを帯びたコロイド(赤矢頭)が貯留しています。また、細胞質の内部には甲状腺ホルモンの前駆物質に由来するとされるタイロシン顆粒(黄色矢印)もみられます。

イヌの甲状腺腫瘍は良性のものは稀であり、臨床的に触診できるサイズであれば90%以上が悪性の甲状腺腫瘍です。この腫瘍は悪性挙動をとるにも関わらず、細胞診ではほとんど異型性がないことも珍しくありません。濾胞上皮細胞(甲状腺ホルモンを産生する細胞)、C細胞(カルシトニンを産生する細胞)のいずれも腫瘍化することがあり、今回のケースは前者の腫瘍が疑われます。

富士フイルムVETシステムズ 形態学診断医 島田優一(臨床病理学)

【富士フイルムVETシステムズ広報誌2022年秋号掲載記事より】

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