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日本
動物医療コラム

【病理診断の現場から】
形態学診断医の あれ!この症例~去勢後に発生した精巣腫瘍~

このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。

掲載記事は掲載日時点の情報であり、記事の内容などは最新の情報とは異なる場合があります。

経過

犬、ヨークシャーテリア、12歳、去勢済みオス(1歳未満で去勢)。右鼠径部の鼠径輪近傍に10mm大腫瘤を触知。

症例画像

写真A

症例画像

写真B

診断:細胞診:腫瘍(精巣腫瘍を疑う) 組織診:精巣外のセルトリ細胞腫

解説

細胞診(写真A)では、脂肪滴を含む背景に単一形態の腫瘍細胞が得られていました。脂質産生を伴う腫瘍として、皮脂腺腫瘍や脂肪肉腫、精巣腫瘍などが鑑別に挙がります。細胞形態からはセルトリ細胞腫など精巣腫瘍が疑われる所見ですが、去勢済み個体との情報が一致しませんでした。

その後摘出された腫瘤の病理組織検査(写真B)では、典型的なセルトリ細胞腫の病変が観察されましたが、腫瘤周囲に既存の精巣実質や精巣上体などの構造は見られず、精巣外に原発したセルトリ細胞腫と診断されました。

本例は1歳未満で適切に去勢された個体で、一般的に去勢により精巣腫瘍のリスクはなくなります。しかし、時に精索間質細胞からなる胎生期の遺残組織が精索に見られ、それを起源として精巣外に精巣腫瘍が発生する可能性が報告されており、本例はそれと一致すると考えられました。

富士フイルムVETシステムズ株式会社 診断医(病理組織) 原田知享

【富士フイルムVETシステムズ広報誌2023年春号掲載記事より】

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