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日本
動物医療コラム

【病理診断の現場から】
形態学診断医の あれ! この症例 ~猫の急性骨髄性白血病~

このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。

掲載記事は掲載日時点の情報であり、記事の内容などは最新の情報とは異なる場合があります。

経過

猫、6歳、去勢雄。元気消失食欲低下を主訴に来院。総白血球数は68,000/μLで、分類不能細胞が88%を占めている(59,840/μL)。血液塗抹検査では、重度の好中球減少(340/μL)と重度の血小板減少(15.0×103/μL以下)が認められた。貧血は認められない(Ht 30.3%、RBC 632.0×106/μL、Hb 10.1g/dL、MCV 47.9fL、MCHC 33.3g/dL)。非特異的エステラーゼ染色(NSE)を行ったところ、ほとんどの腫瘍細胞が陽性反応を示した(写真右下端)。また、その反応はフッ化ナトリウム阻害試験(NaF)で阻害された。

〈細胞診所見〉

血液塗抹

診断:急性骨髄性白血病(AML)

解説

末梢血中には写真のような分類不能細胞が多数認められ、血液細胞腫瘍と診断されました。形態学的評価に加え、特殊染色が実施された結果、腫瘍細胞は単球由来である可能性が高いと考えられ、急性骨髄性白血病(AML)の中でもAML-M4、M5が疑われました。
血液細胞腫瘍を診断する際には、形態学的特徴に加え、フローサイトメトリーによる表面抗原の詳細な評価が推奨されますが、国内では受託できる機関が限られているのが現状です。残念ながら、弊社でもフローサイトメトリーを行うことは出来ませんが、その他の手段として、この症例のように特殊染色を用いることで、腫瘍細胞の由来を詳細に調べることが可能です。
血液細胞腫瘍を疑う症例に遭遇した際には、是非ご相談ください。

富士フイルムVETシステムズ 形態学診断医 榎本薫子(臨床病理学)

【富士フイルムVETシステムズ広報誌2021年秋号掲載記事より】

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