このコンテンツは医療従事者向けの内容です。
短時間で全身を検査できるCT検査は、診断、治療、救急時など幅広いシーンで利用され、今日の医療現場では欠かすことができない検査です。
一刻を争う状況下にある患者さまにもより精度の高い画像診断を、よりスピーディにお届けするために。
富士フイルムの経験とAI技術で、CTをより使いやすく。
“抑える技術”がより高精度な臨床診断を支える
心臓の動きによるモーションアーチファクトを“抑える技術”でノイズを低減
心臓CT検査では心拍数や心臓の動きなどさまざまな要因が画質に影響を与えます。従来の画像再構成法では冠動脈の動きによるブレが発生し、期待した画質の画像が得られず診断に影響を及ぼすことがありました。これらの問題を改善するために、富士フイルムはCardio StillShotを開発しました。Cardio StillShotは心臓CT検査で収集したRawDataから被写体の動く方向と量を4次元的に算出し、画像再構成時に補正を行うことで最高28msec*1の実効時間分解能を実現します。高い実効時間分解能により、心拍の高い方でも動きによるモーションアーチファクトを低減したブレの少ない高精細な臨床画像を提供することで診断能向上に寄与します。
“抑える技術”を胸部領域全体に拡大
心臓CT検査(心電同期撮影)において適用可能であった動き抑制技術を、さらなる臨床現場での要望を叶えるべくCT検査(非同期撮影)に拡張しました。Body StillShotは、収集したRawDataから被写体の動く方向と量を4次元的に算出する際に、体軸方向の連続性を広範囲に維持することで動きによるブレの少ない画像を提供します。心電情報を必要としない演算アルゴリズムを採用することで、ルーチン検査への適用が容易になります。AI技術を活用して開発した画像再構成技術IPV*2との併用も可能で、さらなる高画質化に寄与します。
被ばく低減と視認性を両立
IPVはAI技術*3を活用して開発した画像再構成機能です。充分な反復処理により得られる画像を教師データとして処理を高速化。富士フイルムが開発したVisual Modelに基づき、RawDataを起点とした画像再構成処理により、NPS(Noise Power Spectrum)をFBP(Filtered Back Projection)に近づけ、高いノイズ低減率においても、画像の質感を維持します。画像ノイズを最大90%*2低減し、被ばく量は最大83%*4低減。低コントラスト検出能を最大2倍*5に改善します。
統計学的モデル、オブジェクトモデル、物理学的モデルに基づき、画像ノイズや画質を繰り返し演算処理により制御する技術です。
高周波から低周波まで均等な割合でテクスチャを調整しながら視認性に影響を与えるノイズ周波数特性を限りなくFBPに近づけました。
“スピーディな検査”を臨床に関わるすべての人に
チーム医療を支え続けてきた富士フイルムだからこそできたAI時代の新しいワークフローソリューション。それがSynergyDriveです。Deep Learning*7などを活用したワークフロー支援機能により、医療現場のさまざまな課題を解決し診療の効率化と質の向上に貢献します。
検査部位の位置決めが容易に
寝台が横に最大200mm移動するので、心臓領域や肩などの整形領域でも撮影領域の中心付近に撮影部位をポジショニングしやすくなり、検査効率の向上が期待できます。
広々とした800mmの開口径に加え、開口部分をなめらかな形状にすることで被検者へのアクセス性を向上させました。
Deep Learningを活用して開発した技術*7で、天井に取り付けた3Dカメラ画像を基に寝台上の人体の特徴点を検知し、3次元位置を算出するため、ワンボタンで垂直・前後・左右の3次元方向のセッティングが可能となります。頭部、胸部を含む合計14種類と適用部位を拡大し、フィートファースト、ヘッドファースト、伏臥位などのセッティングにも対応します。また、AutoPositioningの映像はスキャナ前面のTouch Visionや操作卓のモニタに表示することが可能です。
撮影されたスキャノグラム像から撮影範囲の自動設定が可能です。撮影位置の再現性の向上や検査効率の向上による設定時間の短縮が期待できます。Deep Learningを活用して開発した富士フイルムの臓器認識技術*7を用いることで、頭部、胸部を含む合計14種類の部位撮影に貢献します。また、あらかじめ撮影範囲のマージン設定ができるため、施設ごとの運用に応じて撮影範囲をカスタマイズできます。自動算出された撮影範囲を操作者が確認し調整することも可能です。
富士フイルムがこれまで培ってきた画像処理技術を、CT装置本体にも搭載し解析機能を充実。再構成した画像をCT装置本体に保存するのと同時に、SYNAPSE VINCENT Core*10に並行転送することで、撮影後から解析開始までの待ち時間を短縮することができます。 また、SYNAPSE VINCENT Coreと連携するRemoteRecon*11より、CT装置本体へ画像再構成の指示が可能です。CT装置が撮影で占有されている場合でも、解析処理のスループット向上が期待できます。
CT・MRIなどの断層画像から高精度な3D画像を描出し、解析を行う3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT Core」が、メディカルIT技術ブランド「REiLI(レイリ)」によるDeep Learningによって、さらなるバージョンアップを遂げました。膨大に蓄積された医用画像データを生かし、CTデータからの自動抽出機能や、脈管系の抽出機能が充実。画像認識技術を生かして、チーム医療を支え続けてきた富士フイルムだからこそ実現できた、AI時代の3D解析技術です。富士フイルムの「REiLI」が、チーム医療の最前線へと導きます。
「REiLI」によるDeep Learningを用いた臓器抽出で画像処理を簡単に行うことが可能です。
- 販売名
全身用X線CT診断装置 SCENARIA View
- 医療機器認証番号
230ABBZX00027000