2023.07.27
ペーパーレス化の成功事例5選!
当社が実施した手順や成功のコツを含めて徹底解説!
DX推進や働き方改革などの社会的な機運に伴い、改めてペーパーレス化に注目が集まっています。
その一方で、事業活動で紙媒体をどれだけ利用しているかは企業ごとに三者三様であるため、ペーパーレス化の推進への取り組みも各社で異なってきます。そのため、自社で推進する際の参考として、「ペーパーレス化の事例を参照したい」といった要望をよく伺います。
この記事では、これまでに多くのペーパーレス化を提案してきた当社の実績に基づいて、ペーパーレス化の事例を紹介していきます。
当社が過去に実施したペーパーレス化への取り組みの手順も解説しますので、ぜひこの記事を参考にしながら、御社もペーパーレス化に取り組んでみてください。なお、ペーパーレス化の概略や方法・メリット・進め方などを先に知りたい場合、以下の記事を併せてご覧ください。
ペーパーレス化の成功事例5選!
従来は紙でコピーやプリントをしていた書類を電子化して管理することで、業務改善やコスト削減を主な目的に、ペーパーレス化を推進する企業が増えています。ペーパーレス化に当たっては、業務の課題を洗い出して、「それを解決するために何をするのか?」「どのようなツールを使うのか?」といった点を検討する必要があります。
以下では、ペーパーレス化の成功事例をご紹介します。成功事例を参照して推進の流れを理解したり、イメージを持ったりした上で取り組んでいくことで、ペーパーレス化をよりスムーズに実現することができるでしょう。
ペーパーレス化の事例 1
A社様は、ペーパーレス化を行い、帳票の電子化に成功しました。受注・出荷・納品などの一連の業務上の課題として、取引先から届く大量のファクス注文を紙で出力して保管していたことで、手間やコストがかかるといった点がありました。機器配置を見直すに当たり、電子帳簿保存法への対応の検討も含め、ペーパーレス化を進めました。
DocuWorksとペーパーレスファクス仕分けキットを使用して、届いた注文書を電子上で自動仕分け・自動保存することで、コストの削減と工数を省くことに成功しました。また、DocuWorksを使って書類の回覧などがスムーズになり、情報共有の即時性も向上しました。
ペーパーレス化の事例 2
B社様は、ペーパーレス化によって文書管理・文書共有の電子化に成功しました。大量の紙の文書の蓄積により、保管スペースがひっ迫していることが大きな課題でした。また、組織間の情報伝達のルールが定まってなかったため、ファクスのやり取りが多く、紙の文書は溜まっていく一方でした。
全社的にペーパーレス化を推進するに当たり、DocuWorksを使って保管倉庫内の紙文書を電子文書に移行し、Working Folderを使って情報伝達も含めて電子化することに成功しました。
ペーパーレス化の事例 3
C社様は、ペーパーレス化によって社内の押印作業のほか、取引先との契約締結のデジタル化に成功しました。コロナ禍で在宅勤務が増えたことで、押印や書類作成のための出社が負担となることや、取引先から電子契約を求められることが多くなり、これらの点に早急に対応しなくてはいけないという課題が生じました。
そこで、DocuWorksとWorking Folderの活用によって社内の押印や申請をほぼデジタル化し、在宅勤務しやすい環境を実現しました。また、電子契約ツールの導入により、取引先との契約締結の電子化へ対応することにも成功しました。
ペーパーレス化の事例 4
D社様は、ペーパーレス化によって帳票の電子化と共に、業務システムへのデータ入力業務の自動化に成功しました。受注処理業務では、取引先からファクスなどで送信されてくる注文書を、日次で大量に処理する必要があることから、人手不足の解消や残業時間の削減を主な目的に、業務効率化が課題となっていました。
そこで、DocuWorksを導入し、紙に慣れ親しんだ担当者でも、安心して電子上で業務を行うことのできる環境を実現しました。また、ApeosPlus desolaを併用することで、AI OCRの機能によって注文処理速度の向上やデータ入力不備の減少につながりました。
ペーパーレス化の事例 5
E社様は、ペーパーレス化によって組織間の連携速度や連携品質の向上に成功しました。請求書の支払業務では、経理部に対して紙の請求書が各組織からさまざまな方法で届くため、受付確認が非常に煩雑な状況となっていました。そのため、受付方法の標準化やデジタル化を検討し、生産性の改善に着手しました。
まずはkintone上に支払依頼の社内帳票を簡単に作成できるアプリを設計し、さらにDocuWorksを併せて導入しました。それらの二点により、支払依頼の申請書と請求書のスキャンファイルを、各組織がまるで紙と変わらない感覚で回付できる仕組みを形成しました。結果的に生産性の向上のほか、各組織も抵抗感なくスムーズにデジタル環境へ移行することができました。
当社が実施したペーパーレス化の取り組みの手順
ペーパーレス化を進める際、意識したいのは「紙の出⼒環境の⾒える化」です。
ペーパーレス化の対象となるような紙は出⼒環境で生成され、また、その周辺には紙を扱った業務が多く存在する傾向にあるため、当社では紙の出力環境の見える化が最も効果的だと考えています。
紙の出力環境の見える化ができていないことが、ペーパーレス化が思うように進まない要因であるため、そのことを前提に以下では手順を解説していきます。これからペーパーレス化に取り組みたい方や、取り組んでいるものの思うように進まない方などは、以下の手順を参考にしてみてください。
当社でペーパーレス化に取り組んだ際にも、紙の出力環境の見える化を中心にして推進していきました。生産性向上の一環として、出力されている紙の量の削減を目指すことにしたのです。実際にその手順を一つひとつ解説していきますので、「これまでにペーパーレス化に取り組んでみたものの、思うように進まなかった」などの場合は、以下の手順を参考にしてみてください。
【ペーパーレス化の手順】
- 紙の発生源を定量的に調査
- ペーパーレス化の範囲や対象領域を決める
- ペーパーレス化の実現に向けた課題把握
- ギャップを埋める解決策の選定
- 全社展開
1.紙の発生源を定量的に調査
まずは紙の発生源を特定し、どのくらいの量が発生しているのかを定量的に調査していきます。また、どこで発生しているのかも調査して、調査内容を可視化しておきましょう。例えば、以下のようなグラフを参考に可視化してみてください。
【参考画像】
可視化することでペーパーレス化に取り組みやすくなるので、発生量と発生場所をしっかりと意識して作成してみてください。
2.ペーパーレス化の範囲や対象領域を決める
紙の発生源や発生量を定量的に調査し、可視化が完了したらペーパーレス化の範囲や対象領域を決めていきます。効果の少ない部分を対象にペーパーレス化を進めてもあまり意味がないので、できるだけ効果の高いものをペーパーレス化の対象としましょう。
範囲や対象領域を決める際は、「検索頻度」と「⽂書量」が多い領域を選定してください。そうすることでペーパーレス化による高い効果が期待できるでしょう。
3.ペーパーレス化の実現に向けた課題把握
ペーパーレス化を進める対象が決まったら、実際に直面している課題を明確にしましょう。課題を把握することで、ペーパーレス化に取り組むに当たって直面している現状を正確に把握できるだけでなく、ペーパーレス化に取り組む⽬的を明確化することができます。
目的が明確化すれば、「課題解決への方向性」や「具体的な解決策」を決めやすくなります。スムーズでスピーディーなペーパーレス化が行えるように、しっかりと現状の課題把握に努めましょう。
当社がペーパーレス化を実施した際の課題設定は、以下の資料に詳細をまとめています。ダウンロードの上、ぜひ併せてご覧ください。
4.ギャップを埋める解決策の選定
課題把握とペーパーレス化に取り組む目的が明確になったら、次は実際に取り組んでいく解決策を設定しましょう。解決策の候補は一つではないため、いくつかの候補案を出していくことが大切です。例えば、「複合機スキャンの導入」「情報共有のクラウドサービスの導入」といったように、ツールやサービスを導入するにしてもさまざまな種類があります。
候補案として出た解決策の中から、ペーパーレス化に取り組む目的(最終的なゴールイメージ)を踏まえ、最適なものを選定してください。
こちらも同様に、当社が実践した解決策を以下の資料に詳細をまとめています。候補案の選定に悩ましい場合には、ぜひ併せてご覧ください。
5.全社に展開
解決策を決めたら実際にペーパーレス化に取り組んでいきます。はじめは一つの部門を対象にして行うなど、スモールスタートを意識して取り組んでください。その中で、複数回の効果検証を行なったうえで、効果が大きくなったと判断できたら全社展開していきます。
スモールスタートと複数回の効果検証によって、規模は小さいながらも一つの成功体験ができあがります。その体験を参考に全社展開していくことで、より効率的なペーパーレス化を進められるでしょう。
以上、当社も実践してきた「紙の出力環境の見える化」を起点とした手順をご案内しました。その他にも、ペーパーレス化の成功例に基づく手順はいくつか存在します。以下のページでそれらをまとめた資料を公開しているので、ぜひそちらも併せて参照してみてください。
ペーパーレス化を成功させるコツ
ペーパーレス化への手順を把握したら、さらに覚えておくと良い「成功のコツ」を把握しておきましょう。ペーパーレス化の取り組みに対する効果・効率は企業ごとに異なってくるため、以下で示すコツを参考にしつつ、自社に合った取り組みを検討してみてください。
もしコツを上手くつかめずに取り組んでいくことが難しい場合、当社で支援することができるので、こちらのフォームから「ペーパーレス化の支援を依頼したい」といった旨を記載のうえ、ぜひお問い合わせください。
【ペーパーレス化を成功させるコツ】
- 段階的にペーパーレス化を進める
- ペーパーレス化の必要性を周知する
段階的にペーパーレス化を進める
ペーパーレス化は一気に進めるのではなく、段階的に行っていくことが必要となります。例えば、取引先に関わる書類のペーパーレス化であれば、自社内のみで完結するというわけでなく、取引先の管理状況なども大きく影響してきます。そのため、取引先へも詳細に相談・連携しながら、段階的に進めていくことが不可欠になります。
それを一気に進めてしまうと、相手の業務に支障をきたしてしまうなど、各所との軋轢が生じてしまいます。そのため、どこまでペーパーレス化を行って問題がないかなどを確認しながら、次に進むようにしていきましょう。
ペーパーレス化の必要性を周知する
簡単に実現できるように思えるペーパーレス化でも、自社内に「ペーパーレスで業務を推進する風土」を形成・浸透するには、それぞれの組織でペーパーレス化の必要性に理解・納得ができるよう、説明や周知を徹底して行っていく必要があります。
紙を用いた業務に慣れていると、各組織から「現状の仕事のやり方を変えたくない」などの声も上がりがちです。そうした声が反発とならないように、ペーパーレス化の成功によって「どのような効果を得られるのか」「どのようなルールのもとで行っていくのか」などを細かく社内に周知し、社内全体の理解・協力を得られるような状態をつくっていくと良いでしょう。
特にペーパーレス化による効果の周知は、異なる組織間で共通の目標をもてるようになるため、非常に重要な点となります。一例として、ペーパーレスによって業務改善を実施した場合にどれくらいの効果を得られるのか、それをシミュレーションできる資料を提供・公開しています。以下よりダウンロードができるので、ぜひ活用してみてください。
まとめ
事業活動で紙媒体をどれだけ利用しているかは企業ごとに三者三様であるため、ペーパーレス化の推進への取り組みも各社で異なってきます。そのため、ペーパーレス化の事例を参照することは、自社内で推進していく際の大きなヒントとなるでしょう。
ペーパーレス化は定量的な分析を行い、現状を可視化するところから始めてください。「どのくらいの紙を使用しているのか」「どこで紙が発生しているのか」を可視化することで、ペーパーレス化の取り組みへの効率・効果が飛躍的に向上します。
また、一気に取り組むのではなく、スモールスタートで成功体験を積み重ね、その上で全社展開に踏み込んでいくことで、失敗する可能性を最小限にすることが可能となります。そうした点に留意しながら、ぜひ御社に適したペーパーレス化を実践していきましょう。
ペーパーレス化の進め方にお悩みの場合、当社のこれまでの実績やノウハウに基づいて支援することが可能ですので、以下のお問い合わせフォームから、ぜひお気軽にご相談ください。
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