このまま製品化した紙を「非塗工紙」といい、表面の白さによって「上質紙」「中質紙」「更紙」に分けられ、コピー用紙、ノート、書籍、まんが本などに多く使われます。
一方、原紙にお化粧を施した紙を「塗工紙」といいます。塗料を塗ることで表面の凹凸がなくなるだけでなく、塗料が印刷インキを吸収するので、きれいな印刷をすることができます。
女性にはお馴染みのファンデーション。これって石を細かく砕いたものを肌に塗り、表面の凹凸を隠しているって知っていましたか? 紙もお化粧と同様に顔料(細かい石の粉)と接着剤を混ぜた「塗料」という液体が紙の表面に薄く塗られています。
パルプを抄いてできた紙を「原紙」といい、この時点の紙は繊維が重なりあってできている都合上、表面を良く見ると凸凹です。
このまま製品化した紙を「非塗工紙」といい、表面の白さによって「上質紙」「中質紙」「更紙」に分けられ、コピー用紙、ノート、書籍、まんが本などに多く使われます。
一方、原紙にお化粧を施した紙を「塗工紙」といいます。塗料を塗ることで表面の凹凸がなくなるだけでなく、塗料が印刷インキを吸収するので、きれいな印刷をすることができます。
「塗工紙」は、塗料の量が多い順に「アート紙」「コート紙」「微塗工紙」などに分けられます。アート紙は写真印刷などの仕上がりが重視されるものに使用されます。コート紙は雑誌やパンフレットに、微塗工紙は雑誌やチラシなどに使われます。 このほか、平滑性・光沢性を求めたキャスト紙は塗料が乾く前に塗工した面を金属面に押し付けて乾燥させた非常に光沢の強い紙で、カレンダー・雑誌などの表紙に使われます。 他にも、光沢を抑えたマットアート紙、マットコート紙などがあります。 また、紙の質は塗工する紙(原紙)で変わります。たとえばポスターなどの高級印刷物は、上質紙に塗工した物が使われ、チラシや雑誌などは中質紙や再生紙に塗工した中質紙系のものが使われます。微塗工紙の原紙も再生紙が良く使われます。
<今回のポイント>
●紙はその白色度で上質・中質・下級が決まり、さらに塗工する塗料の量で分類されます。
Q.コピー用紙と呼ばれる紙は製紙会社では「PPC用紙」と呼ばれます。では、「PPC」とは何の略でしょう?
A."Plain Paper Copy"(お化粧をしていない素顔の紙を使った複写)の略です。
せっかくですから、「PPC」についてご紹介しましょう。
PPCはみなさんが普段使用しているコピー機のことです。ここでコピー機の原理についてカンタンにお話ししましょう。 機械の中には光が当たった所の静電気だけが逃げる性質の板(感光体)があります。まずこの上に目に見えない静電気の絵を描きます。次にトナー(カーボンの粉と、熱で溶けて紙につく性質をもつ接着剤が混ぜ合わされた粉)を感光体に近づけると静電気のある部分にくっつきます。ここに紙を当てて、紙の裏側から電圧をかけることでトナーを感光体から紙に写し取ります。最後に熱をかけて接着剤を溶かし、トナーが紙から取れないようにします。 PPC用紙はコピー機の中で電気や熱にさらされても詰まったり丸まったりしないように作られています。 世界で初めてこの原理を使ってオフィス用のコピー機を発売したのが、1959年米国ゼロックス社からでした。日本ではその3年後に富士フイルムビジネスイノベーションから発売しました。