コラム

Webサイトの「問題点」が簡単に見つかる!分析のコツとメリット

Webサイト分析の目的

Webサイトを運営するにあたり、多くの企業では「なぜサイトを運営するのか」という目的をあらかじめ設定しているのが一般的でしょう。例えば、自社の認知度の向上や新規顧客の獲得、ブランドイメージの向上などが挙げられます。

Webサイト分析は、Webサイトから得られるアクセス数やコンバージョン率といった情報をもとに 「自社で設定した目的をきちんと果たせているか」をチェックするために行ないます。もし未達成の場合は、目的と現状とのギャップ把握や問題点の洗い出し、適切な改善策を講じるために必要な情報を集めることも、Webサイト分析の重要な役割です。

Webサイト分析を行なう3つのメリット

続いて、Webサイト分析の実施でどのようなメリットが期待できるのか、以下の3つを挙げそれぞれ解説します。

・ユーザーの属性やWebサイト内の行動を把握できる

・改善施策導入後の効果測定ができる

・ROI(投資対効果)を最大化する

■ユーザーの属性やWebサイト内での行動を把握できる

Webサイトに訪問するユーザーの属性や好み、行動パターンを把握できるのは、Webサイト分析の大きなメリットの一つです。

例えば、多くのPV(ページビュー)を獲得しているページを見つけた場合、そのコンテンツにはユーザーの興味関心を惹き付ける要素があると判断できます。そのデータと性別や年齢といったユーザーの属性や流入経路も踏まえた分析は、ユーザーの行動やニーズの把握にもつながるでしょう。

また、PVを集めている要素がわかれば、人気ページやコンテンツのさらなる拡充も可能です。自社ブランドやサービス、製品へのユーザーの理解度を深めつつ価値のある情報を提供できれば、問い合わせや購入などの成果(コンバージョン)が期待できます。

コンバージョン率が低い、もしくはPVが少なく人気がないページやコンテンツには、何らかの課題があると考えられます。課題が発生している場所がどこなのかをWebサイト分析によって突き止められれば、より適した改善施策の立案が可能です。

■改善施策導入後の効果測定ができる

Webサイトの運用において注意が必要なのは、「一度改善すれば終わり」ではない点です。施策によって変化があったのかを確認し、必要に応じて継続的に実施する必要があります。

Webサイト分析は、この改善施策導入後の効果測定において大きな効果を発揮します。PV、コンバージョン率、ROIなどあらゆる観点からデータを収集できるため、改善施策の効果をより具体的に確認することができます。

また、効果測定の結果に応じてさらなる改善策を導入すれば、より高いROIを得られるかもしれません。

■ROIを最大化する

ROIとは、事業などの投資した費用に対してどのくらいの利益を得られたかを示す指標です。Webサイト分析では、おもにWebサイトを活用した販促のROI(投資対効果)の最大化が期待できます。

例えば、広告がどのくらいの成果を出しているか、削減可能な広告やキャンペーンはないかを調査・特定できます。加えて、効果が高く重点的に活用すべきチャネルの特定や実施中のマーケティング戦略の調整も可能です。

ROIの向上に役立つ効果的な広告やチャネルを把握することは、予算の効果的な配分を考えるうえでも役立つでしょう。

Webサイト分析で問題点を見つけるコツ

Webサイト分析を実施するにあたり「何から取り組むべきかわからない」と感じる方は少なくありません。

ここからは、Webサイト分析で問題点を見つけるコツについて3つ挙げ、具体的に解説します。

・全体の数値から細部の数値を見る

・時系列の変化を捉える

・イレギュラー要因を考慮する

■全体の数値から細部の数値を見る

Webサイト分析では、まず全体の数値やデータを見てから細部の数値やデータをチェックしましょう。

最初から細かい階層やページのデータを見ても、数値の変化の良し悪しやサイト全体への成果へのインパクトがわかりにくく、分析に必要な材料も不足する恐れがあります。その結果、偏った分析結果や改善策の仮説を立ててしまう可能性もあるでしょう。

そのため、まずはサイト全体のPV数や離脱率を見てから、特定のページの具体的な数値を見ていくことが大切です。「PV数が多くよく閲覧されている」「PV数は少ないがコンバージョンにつながりやすい」など、各ページの特徴を踏まえながらデータを分析するとよいでしょう。

■時系列の変化をとらえる

現状を把握し問題点を見つけるには、時系列によるデータの変化をとらえることも重要です。PV数やコンバージョン、滞在時間などを一定の期間内で分析・比較し、目立った変化がないかを見ることで過去の施策効果や問題点がわかります。

例えば、過去1年間のアクセス数の変化を分析するとしましょう。分析結果においてある時点でアクセス数が大きく減少していた場合は、直前に行なった仕様変更(SEO対策やデザインの改修など)や影響を受け得る外部要因が何かを調査します。

分析からアクセス数が減少した要因が明らかになれば、今後のアクセス数減少の予防や対策を考えるうえで役立つ情報となります。

■イレギュラー要因を考慮する

前述の「影響を受け得る外部要因」と一部重複しますが、Webサイト分析ではWebサイトに影響をおよぼす可能性のある環境の変化や突発的な事象についても考慮すべきです。

自社での改善施策の実施以外にも、法改正や経済状況の変化といった社会情勢、外部メディアによる自社製品・サービスの紹介などが結果に関わっている場合があります。なぜ通常と異なる結果が出ているのか、その原因を正確に把握することで、イレギュラーに適切に対応しやすくなるとともに、新たな改善策やリスク対策の立案につながります。

CRO(コンバーション率最適化)につながる分析指標

ここまでで、Webサイトの分析によるメリットと分析のコツを紹介してきました。続いて、分析によるメリットのうちの一つである「コンバージョン率の改善」に関連する手法「CRO」について紹介します。

CRO(コンバージョン率最適化)とは、Webサイトの改善によって製品購入やフォームの送信など、自社の目的に沿う行動を取るユーザーを増やすための工程です。CROの実施によって、ユーザーへの理解をより深めるとともにより良いユーザー体験の提供、ROIの向上や顧客からの収益増加などの効果が期待できます。

以下は、CROにつながる主な分析指標と手法です。

・流入経路と流入キーワードを探る

・ランディングページを最適化する

・エントリーフォームでの離脱率を把握する

■流入経路と流入キーワードを探る

ユーザーの流入経路は検索エンジンに限らず、SNSやディスプレイ広告、外部Webサイトのリンクなどさまざまです。したがって、まず各流入経路におけるコンバージョン率を調べるとよいでしょう。

コンバージョン率が高い・低い流入経路がわかれば、「高い方は施策をより強化する」「低い方は施策を改善、もしくは投資を抑える」などの対策が可能です。

検索エンジンからの流入を調べる場合は、コンバージョン率に加えてユーザーがどのようなキーワードから来ているかを分析することも重要です。

■ランディングページを最適化する

CROでは、ランディングページの最適化も欠かせない要素といえます。ランディングページとは、Webサイトを訪れたユーザーが最初に閲覧するページのことで、ユーザーにとってWebサイトの入り口となる重要な役割を担うものです。入口となったランディングページ別にコンバージョン率をチェックすることで、どのページがコンバージョン獲得により貢献しているかがわかります。

ランディングページを改善するための指標としては、コンバージョン率のほかに直帰率やスクロール率、平均セッション継続時間などが挙げられます。ランディングが少ない、直帰率が高いなどの問題が生じている場合は、Webサイトを訪れるユーザーの期待に沿うタイトルやコンテンツ内容への改修、コンバージョンへの導線設計の見直しなどを行なうことでコンバージョン率の改善が期待できます。

■エントリーフォームでの離脱率を把握する

エントリーフォームは、ユーザーがWebサイトにおいて資料請求や問い合わせ、商品購入などで個人情報を入力するフォームのことです。エントリーフォームの改善は、コンバージョン率を最適化するための定番の手法といえます。

例えば、フォーム項目数の見直しや入力例の表示、入力形式のチェック機能の活用などが具体的な施策となるでしょう。ユーザーにとって快適に入力しやすいエントリーフォームを作り、離脱率の低下につなげられれば、コンバージョン率の最適化につながります。

CROには「Marketing Cockpit」がおすすめ

WebサイトのCROに取り組みたいけれど難しい、もしくはスキルを持つ人材がおらず実現するためのリソースが足りないとお困りの方もいるかもしれません。

CROの実現なら、ぜひMarketing Cockpitの導入をご検討ください。Marketing Cockpitは、プロ人材によるデジタルマーケティング支援サービスです。貴社の状況や目的に合わせて、CROをはじめ最適なデジタルマーケティング体制の構築ができるプランの提案、サポートを行ないます。

以下は、Marketing Cockpitの導入によりデジタルマーケティング効果の最大化に成功したエッチ・ケー・エス様の事例です。

自動車部品の開発から製造・販売を行なっているエッチ・ケー・エス様では、自社のWebサイトをどのようにマーケティングに活用すべきかという課題を抱えていました。その一方で、社内に専門のスキルやリソースがなく、データ分析やマーケティング活用に向けた施策を先送りにせざるを得ない状況が続いていました。

上記の状況に加え、社会的なDX推進の流れにともなう社内のデジタル化による生産性向上や業務変革の必要性が高まったことから、今回のサービス導入に至りました。

導入後は、プロの視点によるCROを含むプランを実行することで、試乗会イベントの予約申し込み数が3.5倍に増加し、売上アップも実現しました。さらに、顧客情報を蓄積するCRMツールを活用しWebサイトを改善、Marketing Cockpitで分析を行ないさらなる改善につなげるという好循環を生み出すことにも成功しています。

現在では、社内におけるデジタルマーケティングへ取り組む姿勢にも変化が生じ、部門を横断した円滑な業務体制の構築を実現できています。

Webサイト分析によるマーケティング効果を最大化するためには、ツールの導入だけではなく、データを活用する仕組みの構築が重要です。

Marketing Cockpitではデジタルマーケティングのプロフェッショナルである専任担当が、貴社の状況やご要望に合わせて、提案から施策の実⾏、分析、改善まで トータルでサポートいたします。