2024.11.15
情シスの役割とは?
【仕事内容や課題を徹底解説】
企業のIT基盤を支える情報システム部門(情シス)。その役割と重要性が近年ますます高まっています。本記事では、情シスの主な仕事内容や直面する課題、今後の展望について詳しく解説します。デジタル化が加速する現代ビジネスにおいて、情シスがいかに組織の競争力向上に貢献しているのか、その全容に迫ります。情シス担当者はもちろん、経営者や他部門の方々にも必見の内容です。
情シスとは?基本的な役割と仕事内容
「情シス」、つまり情報システム部門の基本的な役割と仕事内容について、以下で詳しく解説します。
情シスの定義と基本的な役割
情シスとは「情報システム部門」の略称で、企業内のIT基盤を構築・運用・管理する部門を指します。主な役割は、社内で使用するネットワークやIT機器、業務システムの管理運用です。
具体的には、基幹システムや業務システムの開発・運用・保守、IT戦略の立案と実施、社内ITインフラの整備、セキュリティー対策、ヘルプデスク業務などを担当します。
情シスは、業務効率化や生産性向上、コスト削減といった経営課題の解決にITを活用し、企業の競争力強化に貢献する重要な役割を果たしています。近年では、デジタル化の進展に伴い、情シスの役割はより戦略的になり、「守り」の業務だけでなく、ビジネス価値を創出する「攻め」のIT活用も求められるようになっています。
日々の仕事内容と主な業務
情シスの日々の主な業務は、社内ITインフラの管理・運用、システムの開発・保守、セキュリティー対策などです。特に重要なのがヘルプデスク業務で、社員からのIT関連の問い合わせに対応します。具体的には、PCやソフトウェアの操作方法の説明、また、よくある質問のFAQやマニュアルの作成、社員向けIT研修の実施なども担当し、社内全体のITリテラシー向上に貢献します。迅速かつ丁寧な対応が求められるため、コミュニケーション能力も重要です。
会社内での位置付けと重要性
近年、デジタル化やIT化を推進する企業が増加しており、情シスの会社内での位置づけと重要性が高まっています。経済産業省の調査によると、多くの企業がデジタル化の必要性を認識し、IT投資を増やす傾向にあります。
情シスは、企業のIT戦略立案から基幹システムの運用まで幅広い役割を担い、業務効率化や競争力強化に直結する重要部門となっています。
一方で、IT人材の確保・育成が課題となっており、多くの企業が人材不足に直面しています。そのため、情シスの役割はますます重要になると同時に、外部リソースの活用や既存社員のスキルアップなど、人材戦略の見直しも求められています。
情シスに求められるスキルと資格
情シスにはどんなスキルと資格が求められるのでしょうか。詳しく解説します。
情シス担当者に必要な主なスキル
情シス担当者には、幅広い技術的スキルとビジネススキルが求められます。技術面では、ネットワークやサーバーの知識が必須で、OS、アプリケーション、クラウドに関する知識やCLI(コマンドラインインターフェース)を使った操作能力も必要となります。
また、JavaやPHPといったプログラミング言語や、SQLなどのデータベース言語の理解も重要です。
セキュリティー対策においては、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどIT全般の広範な知識に加え、最新のサイバー攻撃手法や対策についての理解が不可欠です。
ビジネススキルとしては、社内の各部署とのコミュニケーション能力や調整力が重要です。特にヘルプデスク業務では、技術的知識を分かりやすく説明する能力が求められます。
さらに、業務効率化や課題解決のための分析力、IT戦略を立案・実行する能力も、情シス担当者には欠かせないスキルとなっています。
有用な資格とそのメリット
情シスに有用な資格には、以下のようなものがあります。
- 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
サイバーセキュリティー対策の専門家として認定され、企業の情報セキュリティー強化に貢献できます。 - ITIL Foundation
ITサービスマネジメントの国際標準フレームワークを学び、効率的なIT運用管理が可能になります。 - PMP(Project Management Professional)
プロジェクトマネジメントのスキルを証明し、大規模なIT導入プロジェクトなどをリードできます。 - CCNA(Cisco Certified Network Associate)
ネットワーク構築・運用の基礎知識を習得し、社内ネットワークの管理能力が向上します。 - AWS認定ソリューションアーキテクト
クラウド環境の設計・構築スキルを証明し、クラウド移行プロジェクトなどで力を発揮できます。
これらの資格取得により、専門性の向上、キャリアアップの機会拡大、社内外での信頼性向上などのメリットが得られます。また、最新のIT動向や技術を学ぶことで、企業のデジタル化推進にも貢献できます。
スキルアップのためのトレーニングや学習法
情シスのスキルアップには、体系的かつ実践的なアプローチが効果的です。まず、ITパスポートなどの基礎的な資格取得から始め、段階的に上位資格を目指すことで、幅広い知識を体系的に習得できます。
同時に、日々の業務で直面する課題に関連した書籍を並行して学ぶことで、実践的なスキルを磨けます。
オンライン講座や参加型のセミナーも活用し、最新技術や業界動向をキャッチアップすることが重要です。また、社内外のコミュニティーに参加し、他の情シス担当者と交流することで、新しい視点や解決策を得られます。
実務経験を積むことも不可欠で、新しいプロジェクトに積極的に参加し、理論と実践を結びつけることが大切です。さらに、問題解決能力を高めるため、日々の業務で直面する課題を分析し、効果的な解決策を考える習慣をつけることが、情シスとしての総合的なスキルアップにつながります。
情シスと社内SEの違い
情シスと似た職種として、社内SEがあります。情シスと社内SEにはどんな違いがあるでしょうか。詳しく解説します。
社内SEの定義
社内SEとは、企業内でシステムエンジニアとしての役割を担う人材を指します。情シスに所属し、主に社内のIT基盤の構築、運用、保守を担当します。具体的な業務には、基幹システムや業務システムの開発・運用、ネットワークやサーバーの管理、セキュリティー対策の実施などが含まれます。
社内SEは、企業の業務プロセスを深く理解し、それに適したITソリューションを提案・実装する役割も果たします。また、他部署とのコミュニケーションを通じて、業務効率化や生産性向上のためのシステム改善を実施します。
情シスと社内SEの相違点
情シスと社内SEは、企業のIT環境を支える重要な役割を担っていますが、その定義や業務範囲には明確な違いがあります。
情シスは、企業内のITや情報システムに関する業務を担当する部署や組織を指します。一方、社内SEは情シスに所属し、実際にシステムの開発や運用を行うエンジニア個人を指します。
業務内容においても違いがあります。情シスは企業全体のIT戦略の立案、システムの企画から運用・保守、IT予算の管理、セキュリティー対策など、より広範囲な業務を担当します。社内SEは主にシステムの開発、運用、保守などに特化しています。
求められるスキルセットも異なります。情シスにはIT技術だけでなく、経営戦略を理解することや、予算管理やプロジェクトマネジメントなどのビジネススキルも求められます。社内SEには、より専門的なプログラミングスキルやシステム開発のノウハウが必要とされます。
企業規模によっても違いがあります。大企業では情シス部門が確立され、複数の社内SEが所属することが多いですが、中小企業では情シスの幅広い業務を1人で担当することもあります。
情シスが直面する課題
さまざまな役割を担っている情シスですが、いくつかの課題に直面しています。以下で詳しく解説します。
情シスが直面する最大の課題の一つは、深刻な人材不足です。デジタル庁の資料によると、日本の労働者のデジタル/テクノロジースキルは64か国中62位と低迷しており、国内事業会社の約9割がIT人材の質・量ともに不足感を感じています。特に地方では、IT技術者の約6割が東京圏に集中しているため、人材確保がより困難な状況です。
この人材不足によって一人で幅広い業務を担当せざるを得ず、日々のトラブル対応に追われ、本来重要な役割であるデジタル化の推進や戦略的なIT活用に時間を割けないという問題が発生しています。また、専門知識を持つ同僚がいないため、技術的な相談や問題解決が困難になっています。
スキル不足も大きな課題です。IT技術の急速な進歩により、クラウド、AI、IoTなど新しい技術が次々と登場しています。これらの最新IT動向を学習し、実務に適用することは、時間的制約や予算の問題から非常に困難です。
特に、一人で業務を担当する場合、日常業務に追われて学習時間を確保することが難しく、技術の陳腐化が進むリスクがあります。
さらに、経営陣からのコスト削減要求も大きな課題となっています。多くの企業でITは「コストセンター」と見なされ、常に予算削減の圧力にさらされています。しかし、セキュリティー対策の強化やシステムの安定運用、新技術の導入には一定のコストが必要です。この相反する要求のバランスを取ることは、情シス担当者にとって大きな課題となっています。
情シスが直面する課題を解決する手段
情シスが直面する課題を解決するにはどんな手段があるのでしょうか。詳しく解説します。
ITサポートサービスとは
ITサポートサービスとは、企業の情シスの業務を外部の専門家が代行するサービスです。サーバー・PC環境・ネットワーク環境の運用や保守、ヘルプデスク業務、IT資産管理など、幅広いIT関連業務をカバーします。
このサービスは、IT人材不足や専門知識の不足、コスト削減といった企業の課題を解決する有効な手段となります。専門家によるサポートにより、社内のIT運用が効率化され、従業員の生産性向上にもつながります。
最新のIT動向やセキュリティー対策にも対応できるため、企業のデジタル化推進やリスク管理にも貢献します。ITサポートサービスを活用することで、企業は本業に集中しつつ、高度なIT環境を維持することが可能になります。
ITサポートサービスのメリット
ITサポートサービスは、企業のIT環境を支援する外部サービスとして、多くのメリットを提供します。特に人材不足に悩む中小企業にとって、ITサポートサービスは重要な解決策となります。
まず、ITサポートサービスは深刻な人材不足を補います。IT人材の確保が困難な現状において、専門知識を持つ外部の人材を活用することで、必要なスキルセットを獲得できます。これにより、社内のIT運用や保守、トラブル対応などを円滑に実施することが可能になります。
コスト削減と効率化の面でも大きなメリットがあります。ITサポートサービスを利用することで、専門スタッフの採用や育成にかかる費用を抑えられます。また、必要な時に必要なだけサービスを利用できるため、固定費を変動費化し、コストの最適化が図れます。専門家による効率的な運用により、システムのダウンタイムが減少し、業務効率が向上します。
自社のシステム環境の安定稼働も、ITサポートサービスの重要なメリットです。24時間365日の監視体制や、迅速なトラブル対応により、システムの安定性が向上します。また、最新のセキュリティー対策や定期的なメンテナンスにより、システムの信頼性も高まります。これらは、業務の継続性を確保し、顧客満足度の向上にもつながります。
業務の属人化の解消も、ITサポートサービスがもたらす重要な効果です。特定の社員に依存していたIT関連の知識や作業を、外部の専門家チームに委託することで、リスクを分散できます。これにより、社員の急な退職や病気による業務停滞のリスクを軽減し、安定した運用が可能になります。
特に中小企業や人材不足に悩む企業にとって、ITサポートサービスは非常に有効な選択肢となりえます。従来、高度なIT支援は大企業向けのサービスと考えられがちでしたが、近年では一拠点、数台のPCからでも導入可能な低コストのITサポートサービスが登場しています。これらのサービスは、企業規模や予算に応じてカスタマイズが可能で、必要最小限のサポートから始めることができます。
まとめ
情シスは企業のデジタル化が進むなかで重要性が増しています。しかし、人材不足やスキル不足、コスト面の課題から、自社だけでの対応が難しい場合も少なくありません。そこで、外部のITサポートサービスの活用が有効な選択肢となります。専門知識を持つ外部の人材を活用することで、迅速かつ効率的な問題解決が可能になり、社内リソースを本業に集中させることができます。
なかでも、富士フイルムビジネスイノベーションの「IT Expert Services」は、情報システム部門や社内ヘルプデスクの人材不足を補う最適なソリューションです。「IT Expert Services」を利用することで、高度な技術力と豊富な経験を持つ専門家のサポートを受けられ、社内のIT課題を効果的に解決できます。また、必要に応じてサービスの範囲を調整できるため、企業の規模や要件に合わせた柔軟な対応が可能です。情シスの人手不足でお困りの場合は、 お気軽にご相談ください。
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