2023.08.14
ワークフローシステムとは?
比較すべき点や機能・メリット、厳選クラウドサービスを徹底解説!
企業活動に於ける意思決定の品質を向上・強化するには、スムーズなワークフローを構築することが何よりも重要です。
他方で、昨今はさまざまなクラウドサービスがリリースされていることから検討に悩ましく、「どのようにシステムを比較すべか悩んでいる」「そもそもシステム化するメリットやデメリットがあるのか知りたい」「他社の導入事例を把握・参照したい」といった声もよく伺います。
この記事では、ワークフローシステムの概要のほか、「ワークフローシステムは自作できる?」「中小企業向けのワークフローシステムはある?」といった疑問点の解消まで、導入への検討の助けになるような情報を、幅広く解説していきます。
おすすめのソリューションも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムとは、稟議などの申請を行うに当たり、起票・回覧・合議・承認などの一連のプロセスを、電子上で効率的に完結させることのできるITツールとなります。稟議はワークフローシステムで実施する代表的な例として、その他に社内報告の提出などにも用いられます。
従来のワークフローでは、紙文書を用いたアナログ的な手法が一般的でした。起票から承認までに発生する書類の回覧はファクスや社内メールで実施され、また、捺印はデート印やゴム印などが使われていました。そのため、一連のプロセスに時間と手間を費やし、また、紙の受領のためにオフィスに出社する必要があり、テレワークの浸透を阻害する要因になっていました。
社会的なデジタル化の機運なども背景に、そのような課題を解決するために誕生したのがワークフローシステムとなります。
そもそもワークフローの定義は?
ワークフローとは、「ワーク(仕事)」と「フロー(流れ)」を組み合わせた言葉であり、業務を遂行する中で発生する部門間・組織間の作業の一連の流れのことを言います。例えば、営業活動で発生した経費計上を実施する際のワークフローは、以下のようになります。
【経費計上のワークフローの例】
順番 | 実施者 | 具体的な実現イメージ |
---|---|---|
1 | 営業担当者 | 取引先への訪問で発生した交通費の経費計上を依頼するため、営業部長に承認を依頼 |
2 | 営業部長 | 内容を確認して合議・捺印の上、経理担当者へ回付 |
3 | 経理担当者 | 内容を確認して合議・捺印の上、経理部長へ回付 |
4 | 経理部長 | 問題のない旨を判断して承認・捺印の上、経理担当者へ回付 |
5 | 経理担当者 | 会計システムへの入力、及び、立替精算を実施 |
6 | 営業担当者 | 立替払いの交通費が指定口座に振り込まれる |
ワークフローシステムを簡単に説明すると?
以下のイメージ図のような「作業完了のワークフロー」があった場合、このプロセスをシステム上で進捗できるものと捉えていただくのが良いでしょう。また、金額の大小によって合議者・承認者が異なる場合にも、分岐条件を自動でワークフローシステムが判断・提示してくれます。
こうしたワークフローを、分かりやすい操作方法や画面イメージと共に実施できるITツールが、ワークフローシステムとなります。
ワークフローシステムは自作できる?
ワークフローシステムは、Webクラウドサービスとしてパッケージ型のものが一般的です。しかしながら、自社のワークフローを「パッケージに合わせて変更しなければならないことを避けたい」といった理由から、Excelで作成したり、オンプレ(オンプレミス)でシステムを構築したりなどのように、作り方を把握されたい方も少なからずいるでしょう。
但し、Excelで作成した場合、ファイルの破損時に自社のワークフローの機能が停止してしまうなどの懸念もあり、適切なシステムを導入することの方が望ましいです。また、オンプレでシステムを構築した場合、実装までにコストやリードタイムを要するため、こちらも有効な案ではありません。
上記の点から、自作することは控え、自社のワークフローをなるべくクラウドサービスのパッケージに合わせていくことがポイントです。
中小企業向けのワークフローシステムはある?
以前は一から社内システムを構築して、コストをかけてワークフローをシステム化することが一般的でしたが、現在はさまざまなクラウド型のアプリケーションが増えたことで、中小企業でも導入しやすいモデルが増えています。
システムを検討する際のコツとして、いきなりカスタマイズを前提とした高価なモデルを選定するのではなく、まずはパッケージ化されたクラウド型のアプリケーションを導入するのが良いでしょう。そうしてワークフローシステムの効果を把握できた後に、さらにシステム化の範囲を拡大していきたい場合、より高度な機能を備えたものを検討していきましょう。
当社でもおすすめのソリューションを扱っていますので、この記事の「Working Folder + DocuWorks」の項目をぜひ参照してみてください。
ワークフローシステムのメリットと導入効果
企業の規模が大きくなればなるほど、業務に必要なワークフローの数は多くなる傾向にあるため、ワークフローシステム導入の費用対効果は比例して高くなります。
申請金額によって承認経路を自動的に変えたり、承認者が不在の場合の代理承認を自由に設定できたり、申請プロセスをシステム化することで、主に以下のようなメリットを享受できます。
【ワークフローシステムのメリットと導入効果】
- 回付や確認作業の手間を削減できる
- 決裁時間を短縮できる
- さまざまな働き方が可能になる
- 内部統制を強化できる
- ペーパーレス化につながる
紙の申請書に伴う手間を削減できる
繰り返しになりますが、ワークフローシステムを導入することで、申請書と申請プロセスの電子化が可能になります。紙の申請書だと、「印刷・捺印・配送」といった手間がありましたが、それらの負担を大幅に削減できます。
また、一部のワークフローシステムには「記入内容の自動チェック機能」を搭載したソリューションもあるので、申請書の記入ミスを予防でき、手戻りによるロスも減らせます。
このような細かい改善の積み重ねが、組織全体で見たときに大きな効果となって還元されます。
決裁時間を短縮できる
ワークフローシステムを導入すれば、それまで必要としていた書類の受け渡しや押印などの作業を、システム内で完結させることができます。
これにより、書面の回付が不要になり、それに伴って回付に要していた時間を短縮化できます。また、パソコンやスマートフォンなどのモバイル端末上でも申請内容の確認や承認が可能になるため、合議者・承認者が外出先でも確認できるようになり、オフィスに出社しないでも申請プロセスを進捗させることができます。
さまざまな働き方が可能になる
クラウド型のワークフローシステムは、Web上にアクセスできる環境さえあれば、いつでも利用できるのが大きな特徴です。
そのため、コロナ禍に伴って一般的となったテレワークやハイブリッドワークの際にも、ワークフローシステムが導入されていれば、申請プロセスをこれまでと変わらない様式で運用することができます。
このように様々な働き方に対応できるようになるのも、ワークフローシステム導入の一つのメリットと言えます。
内部統制を強化できる
ワークフローシステムを導入すると、ワークフローに於けるルールをシステム化して厳格化できるため、不正を未然に防止できます。また、起票から承認までの一連の申請プロセスのログを記録でき、稟議などの企業に於ける重要な意思決定へのガバナンス強化に繋がります。
ワークフローで承認を求める対象は「お金」が関わる申請が多いため、ワークフローシステムによって内部統制を強化できる点は、非常に価値のあるポイントと言えます。
つまり、ワークフローシステムの導入は、企業としてのコンプライアンス遵守や、自社の信頼性低下の防止など、経営的な視座感でも有効な施策となります。
ペーパーレス化につながる
申請書を電子化するということは、紙で発行する必要がなくなるということなので、必然的にペーパーレス化の促進に繋がります。ペーパーレス化が進めば、申請書の印刷・管理・保管スペースの確保などが不要となり、コスト削減にもつながります。
また、紙の削減はSDGsの取り組みにもつながるため、企業のブランドイメージの向上にも発展していきます。SDGsなどの社会的なテーマにも貢献できることから、紙の申請書を用いて運用しているのであれば、ぜひワークフローシステムの導入を具体的に検討してみましょう。
以上、5点のワークフローシステムのメリットをご紹介しました。より具体的に導入イメージを把握されたい場合、以下の資料も併せて参照ください。
ワークフローシステムのデメリット
ワークフローシステムで業務効率化が図れたり、内部統制が強化できたりといったメリットがある一方で、導入することのデメリットもあります。新たなシステムを導入する際、デメリットを把握しておくことは欠かせません。しかしながら、デメリットを把握することで、ワークフローシステムを導入する価値の再確認にもつながっていきます。
【ワークフローシステムを導入するデメリット】
- 既存のワークフローの見直しが必要になる
- 導入・運用にコストがかかる
- 操作方法が難しいと活用されないリスクがある
既存のワークフローの見直しが必要になる
既存のワークフローがそのままワークフローシステムに取り込めるパターンもありますが、システムに自社の現状の申請プロセスを合わせる必要が生じるようなケースがあります。
多くの企業は、既存のワークフローがあるでしょう。そのため、ワークフローシステムを導入する際には、既存のワークフローとシステムの整合性が取れるかを確認する必要があります。
導入・運用にコストがかかる
ワークフローシステムには、クラウド型とオンプレミス型の2種類があり、どちらを利用するにしてもコストがかかります。特にオンプレミス型の場合、システム構築にかかる初期費用が大きく発生します。
便利なシステムである以上、生産性向上への設備投資として考えるのが妥当ですが、上記で説明したように既存のワークフローと整合性が取れなければ、無駄なコストとなってしまう可能性もあるので、導入前の比較・検討は詳細に行うようにしましょう。
当社では、ワークフローシステムを選ぶ時に比較すべき項目をチェックシートにして公開しています。以下からダウンロードの上、必要に応じてぜひ活用ください。
操作方法が難しいと活用されないリスクがある
ワークフローシステムの多くは、操作がしやすいように工夫されているものがほとんどです。しかしながら、海外製のワークフローシステムなど、操作が複雑なシステムもあるため、導入に当たっては注意が必要です。
新しいことを覚えるのに比較的抵抗が少ない従業員が多ければ問題ありませんが、従来の状態からの変化に嫌悪感のある従業員にとっては、システムの導入が大きな負担となるリスクもあります。トライアルなどを事前に行って、自社の従業員が分かりやすいと感じるシステムを導入するように努めましょう。
また、導入後のフォローとして、操作方法を覚えるための勉強会を開催したり、わかりやすい操作手順書を展開したりするなど、運用を定着させるための計画も実施していきましょう。
ワークフローシステムの主な機能
ワークフローシステムにはさまざまな機能があります。こうした機能により、上記で説明したようなメリットを享受できます。詳細はデモンストレーションなどでしっかりと把握することが必要ですが、ここでは代表的を機能を先行して把握しておきましょう。
【ワークフローシステムの主な機能】
- 申請書の作成機能
- 申請や承認のフローに関する設定機能
- 申請履歴の検索機能・参照機能
- 申請や承認時のメールやチャットでの通知機能
- 外部システムとの連携機能
申請書の作成機能
申請書をシステム上で作成できる機能となります。これにより、申請書を紙に記入する作業を、完全に無くしていくことができます。
申請や承認のフローに関する設定機能
申請の種類によって申請者や承認者を設定できる機能となります。これにより、一つのワークフローシステム上で、申請プロセスの異なる複数のワークフローをまとめて管理することが実現できます。
申請履歴の検索機能・参照機能
過去に申請した申請書の検索や履歴の確認ができる機能となります。必要に応じて過去の判断基準を参照し、合理的に判断できるようになることから、全社的な意思決定の品質の向上にもつながります。
申請書の回覧時のメールやチャットでの通知機能
申請書が提出・回覧された際に関係者へ通知される機能となります。これにより、「自分の手元に申請書が届いていたことに気付けなかった」などの不備を抑止することができます。
外部システムとの連携機能
その他の業務システムとの連携が取れる機能となります。選択するシステムによって機能のレベル感は異なりますが、自社の業務環境に応じて必要有無を検討してみるようにしてください。
以上、5点のワークフローシステムの機能をご紹介しました。当社でもこうしたこうした機能を備えたワークフローシステムを提供しているため、具体的な検討に当たっては、以下の資料もぜひダウンロードしてみてください。
ワークフローシステムの比較の仕方
最適なワークフローシステムを比較・選定していくためには、事前に「社内のどのワークフローをシステム化するか」を検討しておく必要があります。
検討の基準としては、対象のワークフローに関わっている社員の数を加味して、会社全体で最も工数がかかっていると思われるものを以下の図のようにピックアップし、システム化ができそうなワークフローをいくつか選定します。
上記の完了に伴って具体的に比較・選定に入っていきますが、自社にとって理想的なワークフローシステムを導入するうえで、考慮すべき一般的なポイントを以下に列挙します。
サービスの利用形態によって選ぶ
まずはクラウドサービス型とオンプレミス型の大きく2種に分かれます。自社の業務環境に応じて、いずれかを選択しましょう。
クラウドサービス型
クラウドサービス型は、カスタマイズの自由度が低いものの、外出先からも容易にアクセスできるため、テレワークにも対応することが可能となります。また、自動アップデートなどにより、特別な投資や実装をしなくても、機能向上の恩恵を受けられるなどといった利点があります。
オンプレミス型
オンプレミス型は、細かいカスタマイズが可能な製品が多いため、既存のワークフローに合わせて柔軟に対応できます。しかし、社内ネットワークにアクセスできる環境にいない限り、システムを利用できないことが特徴です。外出先などからの利用を想定し、併せてリモートアクセス環境を準備する必要があります。
機能によって選ぶ
自社の既存のワークフローに適した機能を搭載しているかは、導入時の必須の確認事項となります。もしくは、ワークフローシステムに搭載されている新しい機能により、既存のワークフローを見直して生産性の向上が見込めそうかといった観点も重要です。
例えば、申請金額によって自動的に承認者の条件分岐が可能なワークフローシステムであれば、入力するフォームを間違えて手戻りが発生するリスクも減ります。また、代理承認が可能なシステムであれば、承認者が不在・休暇の場合でも、業務を止めることなく承認が行えるようになります。
既存システムとの親和性によって選ぶ
経理システムなどと連携することで、既存のワークフローをさらに効率化できる場合は、システム間で連携できるかという視点も必要です。
API連携が可能な場合は、どのような項目が連携可能なのかを確認し、要件を満たせるかを確認しましょう。
使いやすさで選ぶ
最後に、操作方法についてはできるだけ簡単で、使いやすいインターフェースである方が望ましいです。全社的な利用を促進する上では、この点が最も大切だとも言えます。
使いづらいシステムだと、運用が定着せず、自社内で全く利用されない状況に陥るような懸念も考えられます。
ただ、使いやすいシステムの場合、細かい設定が省かれ、カスタマイズ性や高度な機能が削ぎ落とされているケースもあるため、操作性と高度性のバランスを踏まえた選定が重要です。
以上、4点の比較の仕方を紹介しました。無料の比較表も用意しているので、選定時には以下の資料もぜひ参照ください。
おすすめのワークフローシステム3選
有料・無料のさまざまなツールがあり、「ランキングなどの口コミを見ても、正直なところ選べない」といったお悩みをよく伺います。そこで、B2Bのビジネスシーンに適したワークフローシステムを厳選し、それぞれご紹介します。
場所にとらわれずに電子文書を簡単に送受信できる仕組みから、クラウド型の多機能ワークフローシステムまで、幅広くご案内いたします。
DocuWorks
DocuWorksは、富士フイルムビジネスイノベーションが提供するドキュメントハンドリング・ソフトウェアです。文書の受け渡しから作成、プレゼンテーション、保存まで、ドキュメントを扱う一連の業務をすべて一つのソフトウェア上で完結できます。
簡易的なワークフロー機能を搭載しており、まるで紙の運用と変わらないような操作感覚で、申請書を回覧・押印することができます。いきなり申請プロセスをシステム化した場合、自社内の各組織で抵抗・軋轢が生じそうな場合、DocuWorksから始めてみるのがおすすめです。
仕様・価格:
Working Folder + DocuWorks
Working Folderは、当社が提供する文書ファイルなどを管理・保管できるクラウドストレージサービスです。通常のクラウドストレージと同様に、ドラッグ&ドロップの操作で簡単に文書のアップロードやダウンロードが可能で、出張先・外出先などでも自由に使えます。
上記でご紹介したDocuWorksの有償オプション(DocuWorks トレイ)と連携すれば、パソコンのディスプレイ上に表示されたトレイのガジェットに向けて、文書をドラッグ&ドロップで格納するだけで、相手に簡単に回覧・回付することが可能となります。新しい文書がトレイに入ると、ウインドウのポップアップと音で通知してくるので、文書の新着を直感的に把握することもできます。
こちらのソリューションも、まるで紙の運用と変わらないような操作感覚で、かつ、現状と大幅に変わらないで申請プロセスを実行できるので、ワークフローの電子化を手軽・早期に実現したい場合におすすめです。また、クラウドストレージを介してワークフローが進んでいくため、テレワークの導入・促進にも効果的です。
仕様・価格:
X-point Cloud
最後に株式会社エイトレッドが提供するワークフローシステム「X-point Cloud」をご紹介します。業務フローに沿って考えられた各種機能として、「作成・申請」「承認」「検索・集計」「管理者設定」を提供し、更には外部システムとの連携やセキュリティまで、徹底的にお客様目線に基づいて、ワークフローシステムに求められる必要な機能を搭載しています。
また、既存の帳票のイメージをそのまま使用してフォームを作ることができ、利用するユーザーにとっての導入の障壁が低いのも特徴の一つになります。
承認する場合も承認ボタンを押すと帳票イメージに実物と同じように印影が付くなど、ワークフローシステムとしての高度な機能を備えつつも、現状の運用感覚を持ったままシステム化できるため、先の2つのソリューションと共にぜひおすすめしたいシステムとなります。
仕様・価格:
ワークフローシステムの導入事例
ワークフローシステムの機能やソリューションなどを解説してきましたが、2点の導入事例をご紹介します。導入へのイメージをさらに具体的に持つことができると思いますので、御社の業務状況に照らし合わせながら、それぞれ参照してみてください。
押印申請へのシステム化の事例
A社様は、ペーパーレス化によって社内の押印作業のほか、取引先との契約締結のデジタル化に成功しました。コロナ禍で在宅勤務が増えたことで、押印や書類作成のための出社が負担となることや、取引先から電子契約を求められることが多くなり、これらの点に早急に対応しなくてはいけないという課題が生じました。
そこで、DocuWorksとWorking Folderの活用によって社内の押印や申請をほぼデジタル化し、在宅勤務しやすい環境を実現しました。また、電子契約ツールの導入により、取引先との契約締結の電子化へ対応することにも成功しました。
支払申請へのシステム化の事例
B社様は、ペーパーレス化によって組織間の連携速度や連携品質の向上に成功しました。請求書の支払業務では、経理部に対して紙の請求書が各組織からさまざまな方法で届くため、受付確認が非常に煩雑な状況となっていました。そのため、受付方法の標準化やデジタル化を検討し、生産性の改善に着手しました。
まずはkintone上に支払依頼の社内帳票を簡単に作成できるアプリを設計し、さらにDocuWorksを併せて導入しました。それらの二点により、支払依頼の申請書と請求書のスキャンファイルを、各組織がまるで紙と変わらない感覚で回付できる仕組みを形成しました。結果的に生産性の向上のほか、各組織も抵抗感なくスムーズにデジタル環境へ移行することができました。
ワークフローシステムを導入する際の注意点
最後にお伝えしたい点として、忘れがちなのが「運用面」への考慮です。
例えば、組織変更の際に承認者が変更となる場合、当然ながらワークフローシステムに設定されている承認者も変更が必要となります。このとき、人事情報をCSVで取り込めたり、人事システムとの連携ができたりすることが重要で、システム検討時の各社のデモンストレーションで必ずチェックするようにしてください。そうした運用ができない場合、組織変更の度に設定変更を行う手間が発生します。このように、長期的に見たときに、どのような運用負荷が掛かるかといった観点も忘れてはいけません。
また、既存のワークフローの見直しも重要です。無駄のあるワークフローがそのままシステム化されないよう、承認ルートを見直したり、不要な申請書を削除したり、システム化を機に最適化を図っていきましょう。
まとめ
ワークフローシステムとは、稟議などの申請を行うに当たり、起票・回覧・合議・承認などの一連のプロセスを、電子上で効率的に完結させることのできるITツールとなります。稟議はワークフローシステムで実施する代表的な例として、その他に社内報告の提出などにも用いられます。
例えば、金額の大小によって合議者・承認者が異なる場合にも、分岐条件を自動でワークフローシステムが判断・提示してくれます。そうした効率化のほかに、ワークフローシステムの導入によって決裁時間の短縮、内部統制の強化、ペーパーレス化の促進などのメリットを享受できるでしょう。
具体的にシステムを比較・選定する際には、この記事を改めて参照しながら、考慮すべき一般的なポイントを把握しておきましょう。
ワークフローシステムの検討に当たり、当社でも効果的な特徴とメリットをもったワークフローシステムを提供しているので、以下のお問い合わせフォームから、ぜひお気軽にご相談ください。
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