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日本

導入事例横浜みどり動物医療センター しょう動物病院

一般診療から緊急診療まで地域に根づく動物病院の幅広い獣医療をサポート

横浜みどり動物医療センター しょう動物病院は2021年に新施設を開院するなど、高まり続ける地域の獣医療ニーズに医療設備の拡充とスタッフ育成で対応している。新たに導入した「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」の活用シーンを草場院長にうかがった。

横浜みどり動物医療センター しょう動物病院
草場 翔央 氏

導入成果

  • DRシステムの運用により、X線撮影の業務負担と動物の負担が軽減
  • 一般診療から緊急診療まで寄与するスピーディーな撮影性能

貴院の特長は。

獣医療の質にこだわった診療に注力しています。2017年に開院して以来、飼い主様の大切な家族である伴侶動物との健やかな日々を支えられるよう、幅広い要望に応えられる診療環境を構築しています。2021年の新施設への移転や最新鋭の医療機器の導入などハード面を強化するとともに、スタッフ全員が飼い主様と信頼関係を築き安心して診療をお任せいただくためのインフォームドコンセントなど、基本的な診療姿勢を徹底しています。
診療範囲は一般診療全般で、消化器や呼吸器をはじめとした臓器疾患、骨折や椎間板ヘルニアの診察・手術など、幅広く対応しています。

「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」の導入経緯は。

以前はCRシステムを使っていましたが、診療件数が年々増加するなかで、X線撮影の照射から画像表示までにかかる待機時間を改善したいと思うようになりました。その理由のひとつが動物の身体的・精神的負担です。CRシステムではカセッテの読み取りから画像表示まで時間を要するため、撮影台に保持し続けられる動物にはストレスがかかります。また、撮影には最低2名で、大型犬ではさらに人員が必要です。1頭あたり、撮影が完了するまで複数名のスタッフが5~10分拘束されるのは、業務効率や疲労蓄積の観点から見て看過できない課題でした。
CRシステムの買い替えのタイミングでDRシステムへの更新を検討するなかで、富士フイルムから新たに発売された「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」が候補に挙がりました。撮影画像の画質を筆頭に、画像にもとづき飼い主様に説明する際のV Station Tの使いやすさ、これまで富士フイルム製品を使用するなかで感じたサポートの手厚さや信頼度の高さなど、総合的に他社よりも秀でていると判断して導入しました。

運用状況は。

X線撮影を用いる診療内容は多岐にわたります。当院は呼吸器と循環器の診療を強みにしていることもあり胸部腹部で頻繁に使用し、整形外科も撮影頻度が多いです。対象動物は大型犬・小型犬や猫のほか、ウサギやハムスターなどのエキゾチックアニマルにも使用しています。

運用効果は。

高画質のX線画像のおかげで希望部位を細かく観察でき、鑑別診断時点で症状をより絞り込めるようになりました。小動物に関しても症例判断をしやすくなったと感じます。診察事例の多い骨・関節部を例にすると、以前の画像では関節炎や離断性骨軟骨症の診断に苦慮していましたが、「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」導入後はとてもきれいに見えるようになり、異常個所の把握や診断をしやすくなりました。
課題だった撮影効率は、事前準備が簡便化されカセッテの入れ替え作業が不要になり、全体業務の合間にX線撮影ができるため、1日の撮影予定を余裕をもって完遂できるようになりました。
低線量での高画質撮影を実現した仕様は、動物だけでなく女性スタッフを中心に診療にあたる当院にとってもありがたい進化だと思います。

V station Tで撮影画像を確認する草場院長

操作性は。

カセッテの取り扱いが不要で操作手順がシンプルなので撮影業務がしやすくなりました。当院では動物看護師がX線撮影の準備をすることが多いのですが、使い方がわかりやすいため、どのスタッフが設定しても誤りなく撮影準備ができます。

使用感は。

X線を照射してからすぐに画像が表示され、次の照射までの間隔も短いため、スムーズに撮影できています。これまでは経験則から「X線撮影には時間がかかる」「飼い主様や動物を待たせてしまう」という考えがあったため、場合によってはX線撮影を躊躇することもありました。「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」を導入してからは時間的制約が緩和され、X線撮影を今まで以上に診療に活用しています。また、スタッフの手間やストレスもかなり軽減されました。

有用性を発揮した事例は。

咽頭閉塞症による呼吸不全を起こした動物の救急診療に貢献しました。呼吸状態の悪い動物のため、X線撮影に時間がかかると症状がさらに悪化する恐れがあります。また、動物にとって暗所で保定されることのストレスは大きく、さらなる負荷をかけることは避けたい状況でした。早急な処置が求められるシーンでしたが、「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」を使い撮影後すぐにX線画像を確認でき、さらに画質も鮮明なためスムーズに原因の腫瘍を検出できました。日々の一般診療はもちろんのこと、一刻を争う緊急症例において特に強みを発揮する装置だと思います。
当院の主要症例のひとつである肺炎においては、「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」を導入したことで胸部X線画像をスムーズに撮影できるようになり、鮮明な画質は気管支や肺胞のより適切な評価につながっています。

「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」を活用して実現したい目標は。

より一層飼い主様と動物の負担が少ない獣医療を提供していきたいです。現在の獣医療界では動物の状態を迅速に把握することが重要視されています。検査装置においては超音波検査が素早く状態を確認する役割を担ってきましたが、効率的にX線撮影ができるDRシステムが加わると、短い時間でさらに精緻な診断が可能です。保定時の動物の負担が少ない点もDRシステムのメリットであり、当院では運用以降、医原性の体調悪化が大幅に減少していますので、今後も動物ファーストを支える存在として期待しています。
医療機器を扱うスタッフの育成も絶えず行っていきたいです。医療機器が進化するとその技術や機能に頼りがちですが、獣医療の柱が“人”であることは変わりません。X線撮影の効率化により生まれた時間を、飼い主様との親身なコミュニケーションに活かす、という信頼関係を育む好循環をつくっていきたいです。その結果として、地域の皆様から頼りにされる獣医療施設であり続けられればなによりの喜びです。

肺左前葉の腫瘤性病変を有するパピヨン(14歳)の胸部X線画像。

誤嚥性肺炎を起こした猫(12歳)の胸部X線画像。

動物用X線画像診断システム FUJIFILM DR CALNEO Flow V

販売名

デジタルラジオグラフィ DR-ID 1800V

届出番号

4動薬第2094号

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