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導入事例かない動物病院

X線撮影の効率化が動物への負荷に配慮する低侵襲医療を後押し

かない動物病院は動物と飼い主様が安心できる獣医療を信条とし、高度な低侵襲医療を追求している。動物のさらなる負担軽減を図る金井院長に「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」の低侵襲医療における評価や使用感についてお聞きした。

このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。

かない動物病院
金井 浩雄 氏

導入結果

  • DRシステムの運用により、X線撮影における低侵襲医療を促進
  • X線画像の画質向上により、診断精度向上に貢献

貴院の特長は。

姫路市エリアの一次診療病院としてさまざまな動物の診療にあたるとともに、高度な手術にも対応する地域の中核病院としての役割も担っています。特に動物の心身に負担の少ない低侵襲医療の専門性を高めており、腹腔鏡・胸腔鏡外科手術、PLDD、関節鏡手術などの高度な手術技術だけでなく、動物の不安を緩和する日頃のケアを徹底しています。

「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」の導入経緯は。

DRシステムの有用性はかねてから伺っており、CR装置の老朽化を機に導入を決意しました。複数のDRシステムがあるなか、富士フイルムの「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」に関心を抱きました。富士フイルムが医療の技術発展に挑戦し、獣医療機器にも創業以来培ってきた写真フィルムの技術が活かされていることを知っていたので興味が湧き、デモンストレーションを依頼しました。印象的だったのは、撮影した画像の画質の高さとX線照射から画像表示までの時間の短さです。動物毎、患部毎の撮りまわしも良く、撮影データの取り扱いもわかりやすいことから、X線撮影のワークフローが向上することを期待しました。

運用状況は。

犬や猫を中心に鳥などのエキゾチックアニマルも含めて、部位や臓器を問わず全身の診察・診断・手術に使用しています。特に使用頻度が多いのは骨折や椎間板ヘルニアをはじめとした整形外科手術です。

運用効果は。

当院の診療現場で運用しても、デモンストレーション時に目にした高精細な画質で撮影できています。撮影画像そのままでも骨や臓器がしっかりと描出されているので、画像調整する手間はほとんどありません。整形外科の診察では最初にX線撮影を行っており、骨の状態や周囲の変性、見逃しがちな亀裂などの患部状況を細かく確認できるおかげで、骨折や椎間板ヘルニアなどと診断したうえで最適な処置を選択しやすくなりました。
当院はX線画像を1日に30枚ほど撮影するのですが、CRシステムでのカセッテの入れ替えが不要になったことで撮影時間は約半分にまで短縮されました。また、保定スタッフの人員削減と負担軽減にも貢献しています。大型犬の胸部や関節などを8枚程度撮影するケースを例にすると、CRシステムでは力の強い動物を保定する一連の撮影工程に3名体制で対応していました。「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」の導入後は、撮影毎にカセッテを取り外して装てんするスタッフが不要なため2名で対応可能になり、保定時間が短縮されたことで撮影効率は向上し、スタッフの負荷は軽減され、そして当院が第一に掲げる動物の負担軽減にも寄与しています。

撮影室で使用している
「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」

操作性は。

フットスイッチで撮影後、動物を保定したままV station Tで撮影画像を確認できます。X線画像を撮影する頻度が多いからこそ、DRシステムの「保定する」「撮影する」「確認する」に集約された操作性が撮影効率の向上やスタッフの負担軽減の一因になっています。また、次のX線照射までの待ち時間は10秒にも満たないので、撮り直しが発生してもストレスなく行えるようになりました。

低侵襲医療への貢献は。

動物をいかに傷つけることなく治療効果を得るかを心掛ける当院にとって、X線撮影をスピーディーに実施できるのは大きなメリットです。首を強打した中型犬を診療した際には、骨折もしくは急性の頸部椎間板ヘルニアによる四肢麻痺が起きている状況で、一刻も早く原因を特定しなければなりませんでした。X線画像を短時間で複数枚撮影できたため、迅速に原因の特定と処置を行い、動物の痛みを最小限にとどめることができました。

V Station Tで撮影画像を確認する金井院長

使用した感想は。

肺疾患の動物に「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」を使用したことで、肺野部や気管支がより精細に描出され細かな変化を読み取りやすくなり、診断から経過観察までトータルで使用しました。肺疾患においては診療のクオリティが明らかに向上した実感があります。
骨折した動物のインプラント手術を実施した事例では、アーチファクトが低いX線画像を得られたおかげで、骨とボルト・プレートの境界領域が観察しやすくなりました。術後は骨組織の増殖や骨吸収などの状態変化を見定めなければならず、金属周辺の黒帯が少ない自然なX線画像は適切な判断を後押ししています。
撮影効率の向上は充実した情報収集にもつながっています。肘関節に疾患がある大型犬に対しては痛みのある部分だけでなくもう片方の同一部分を撮影し、左右の状態を比較したいところです。DRシステムだと大型犬であってもX線撮影の手間を惜しむことなく深度のある診療ができるようになり、動物本位の獣医療を提供する当院において大事な装置になっています。

「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」を活用して実現したい目標は。

動物と飼い主様が安心できる獣医療を確立するためにも、「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」を一層活用していきたいです。将来的には手術室の外科用Cアームと組み合わせ、骨折治療手術ではスクリューの貫通具合、腹腔鏡手術においては胆管内に残存した結石を確認するなど、レントゲン室に搬送する際のリスクを排除した手術環境を構築できればと考えています。X線撮影にともなう被ばくを懸念する飼い主様もいらっしゃるので、線量をさらに下げた状態での撮影も検討していきます。

撮影したX線画像を飼い主様に説明する金井院長

全国の獣医療従事者様にメッセージを。

これからも獣医療にとって、患部の状況確認の基本となるX線撮影の重要度は変わりません。その一方で、撮影と画像確認に時間を要すると動物に負担がかかるため、一般外来はもとより衰弱や呼吸困難などの動物には細心の注意が求められます。
「FUJIFILM DR CALNEO Flow V」を導入することは、動物の負担を軽減して獣医療の品質を高めるだけではなく、X線撮影を実施する当事者の心理的障壁を下げられると時間しました。全国各地で地域のペットライフを支える獣医療システムのなかでも、特に少数精鋭で対応されている動物病院・クリニックのX線撮影シーンで有用性を発揮するのではないでしょうか。

首強打による四肢麻痺を起こした柴犬を診療する際に撮影したX線画像。

バーニーズマウンテンドッグの前十字靭帯断裂に対するインプラント手術後のX線画像。

肺出血を呈するパピヨンの胸部を撮影したX線画像。ラテラル像。

肺出血を呈するパピヨンの胸部を撮影したX線画像。VD像。

動物用X線画像診断システム FUJIFILM DR CALNEO Flow V

販売名

デジタルラジオグラフィ DR-ID 1800V

届出番号

4動薬第2094号

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