富士フイルムリポソームの特長

1. リン脂質
2. 内水相
水溶性薬物:内水相
脂溶性薬物:脂質二重膜内
3. PEG脂質
リポソームの安定化に寄与
リポソームは脂質二重膜のカプセル構造になっており、さまざまな低分子原薬を内包化し、注射剤のDDSとして使用することができます。
リポソームは、原薬の薬物動態と生体内分布を改善し、薬物の有効性と安全性を高め、免疫チェックポイント阻害剤やPARP(poly ADP-ribose polymerase)阻害剤のような作用機序の異なる薬剤の併用効果を増強します。
安定性の高いリポソーム開発:DHSMベースのリポソーム
リポソームは安定な製剤で、原薬の血漿中半減期を延長し、標的組織へのドラッグデリバリーのための生体内分布を改善します。
富士フイルム株式会社が開発を進めている、FF-10832(ゲムシタビンリポソーム)とFF-10850(トポテカンリポソーム)の実績では、冷蔵保存において2年以上の安定性があります。
従来の製剤は、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)を主な脂質二重膜成分として使用しておりましたが、合成ジヒドロスフィンゴミエリン(DHSM)を使用することで、より高い安定性を得ることができます。
従来のHSPCリポソーム

HSPC

DHSMリポソーム

DHSM

従来のリポソームに使用されるHSPCのエステル結合は加水分解により分解される可能性がありますが、DHSMの非加水分解性アミド結合とヒドロキシル基の存在は化学構造上の利点をもたらし、溶液中での長期保存においてリポソームカプセル自体の安定性を高めます。
DHSM脂質二重膜

分子動力学シミュレーション


- 日本薬学会 第143年会 ポスター発表資料


- Poster presentation of 30th EORTC-NCI-AACR SYMPOSIUM, in Dublin, Ireland from November 13th to 16th, 2018.
アミド基とヒドロキシル基は、DHSM分子間またはコレステロールを介して分子間水素結合を形成することもでき、アシル基の疎水性相互作用と相まって、内包化された原薬の漏出に抵抗性のある強固な脂質二重膜の形成を可能にし、in vitroおよびin vivoでの血漿中滞留性と生体内分布を向上させます。
リポソーム内包化予測アプリ
富士フイルムは、お客さまの候補化合物がリポソームに内包化されやすいかどうかを予測する内包化予測アプリを新たに開発しました。

無料
予測アプリは無料*2
簡単
化合物の構造を入力するだけ*3

二次元バーコード読取
- *1 薬剤の効果を最大限発揮させるための制御技術であり、必要な時間・場所に必要最小限の薬剤を届けることを目指しています。
- *2 トライアル版であるため、現時点で無料のサービスとなります。
- *3 お客さまにご入力いただいた化合物情報は、当社では一切記録しません