製紙業界はエコ化が進んでいます

成木になると地球温暖化防止に貢献しません

CO2吸収効果

 

CO2吸収と排出

 

 

成長の早い木で8年程度で紙の原料として使用できるまでに成長します。 植物ですから、光合成でCO2を吸収し、O2(酸素)を排出しています。しかし、生き物である以上は呼吸もします。 O2を吸収してCO2を排出しているのです。若いうちは成長するために光合成を盛んに行いますが、成長がとまると CO2の吸収と排出の量がほぼ同じになってしまいます。ですから、8年程度の植林サイクルを行うと常に樹齢の 若い森林があることになり、CO2の高い吸収効果が見込まれ、これにより地球温暖化防止に貢献できます。

 

もし、成熟した森林ばかりになると「老齢樹の倒壊による山火事の危険性」や「老齢樹増加によるCO2 吸収効果の低減」などといったデメリットが発生します。

 

紙の原料として木材は万能選手

万能なワケ1:紙の原料に植物(木材)が好まれるのは?

紙の原料に使う繊維は主に木材が使われています。その他の資源と同様、大切な自然の恵みです。その中でも 木材は他の資源(化石エネルギー)とは大きく違い、再生可能という優れモノです。 必要な分だけ育てて、使うのを繰り返していれば環境に負担をかけません。 紙の原料として木材が選ばれた理由は

    ・安価

    ・扱いやすさ

    ・素材自体が再生可能(植林)

    ・一度加工しても再生可能(リサイクル)

人工的にミクロの世界で繊維同士を絡ませるような高度な技術で、しかも何度もバラバラにしては再生するような丈夫な ものは木材と同じ価格ではできません。後で詳しくお話しますが、木材から繊維を取る時に出る廃液もエネルギー源 (バイオマスエネルギー)として利用できます。

 

万能なワケ2:リサイクル可能な原料 ***日本の古紙回収率と利用率は世界トップクラスです***

日本は紙の回収率・利用率ともにトップクラスです。日本で作られる紙の原料の半分以上が古紙を使用しています。 日本の紙リサイクルの歴史は長く、紫式部が活躍した平安時代から始まっていました。












 

万能なワケ3:木材は無駄なく原料にできます

日本で作る紙の原料のうち、40%を材木から作っています。

材木は右図のように61%が植林、20%が細かったり曲がったり していて建材として使用できないもの。17%が板や柱を取った 残りの木、2%が家などに一度使われた古い木を使っています。 つまり、本来捨てられてしまうものまで紙の原料としてなら 有効に活用できるのです。

万能なワケ4:廃液も立派なエネルギーです

製紙産業では省エネの取り組みと同時に、バイオマスや廃棄物の エネルギーを積極的に取り入れています。 木材から繊維を取り出す際に出る廃液(黒液)も立派なエネルギー となります。

※バイオマスとは、植物や動物の排泄物のような有機性で、再生可能な物質です。