2020.10.08
設備保全とは?計画的な設備保全の進め方と設備管理台帳で管理すべき項目
前回の「設備保全とは?」のページでは、設備保全の基礎、目的、IoT活用などについてご紹介しました。今回は、計画的な設備保全の進め方と設備管理台帳で管理すべき項目、設備保全の人材育成についてご紹介します。
計画保全(計画的な設備保全)の進め方
設備保全は、事後保全を除いて計画的に実施されます。そのため、計画保全というような言い方もされますが、ここでは計画保全の進め方についてご紹介します。
計画保全の実施計画を作る
計画保全の実施計画を作りには、下記のような生産設備の設備管理台帳が必要です。
この管理台帳では、工場内にあるすべての生産設備に対してどのタイミングでどのような点検を行うか?を計画します。こういった管理台帳がないと、生産設備の抜け漏れ、保全業務の抜け漏れが発生します。
計画保全の進捗管理をする
計画を立案したら、その進捗管理を行います。ここで注意が必要なのは、設備保全をしたら人間が管理台帳に入力しないといけないことです。ここを徹底することでより設備保全の徹底と改善ができるようになります。
計画を是正する
進捗管理を行いながら、生産設備の稼働状況を見て、本当にこの計画保全で良かったどうか?この点検でいいか?を毎回確認します。回数を減らすことができないか?増やすことができないか?新しい点検が必要ではないか?などを確認して、計画を改善・是正します。
この是正がなければ、設備保全を実施することが目的となってしまい、手段の目的化が発生します。
製造側(現場の作業員)と保全要員の実施項目
計画保全では、生産設備を活用している現場の作業員と、その設備の保全を担当する保全要員の情報共有が非常に重要になります。そこで、どういった情報を共有すべきか、概要をご紹介します。
生産設備の現場の作業員が保全要員と共有すべき情報
まず、現場の作業員は、下記のようなことを定期的に実施しましょう。
1:始業点検を実施し異常の前兆を掴む
2:故障が発生したらその時の状況を記録しておく
その上で、現場の作業員と設備保全要員が定期的に情報交換し、設備の状態を共有しましょう。例えば、弊社では、「設備状況確認会」を毎朝実施しています。
保全部門が実施すべきこと
計画保全を実施するにあたり、保全要員も保全要員間での意見交換が必須です。例えば、ある生産設備で故障が発生した場合、その設備を止めて確認するのか、止めずに状態だけを見るのか、カメラを仕掛けて確認するのか?などです。
保全要員は、故障の原因追究と対策を考え続けなければならないため、原理原則を追求し、固定観念を破壊していくことも必要になります。
設備保全の人材育成
計画保全を効率的に実施するには、保全要員の人材育成も重要です。特に重要なのは、個人保全からチーム保全への移行です。
個人保全とは
個人保全とは、ある生産設備の保全を、ある保全要員に全て任せてしまうことを言います。ある保全要員がその生産設備に対する知識をどんどん深めていき、深い知識と経験で保全を進めることになります。生産設備のプロ集団を作ることで、様々なトラブルに迅速に対応できるようになります。しかし、業務が属人化してしまうため、保全要員が豊富にいる場合に最適と言えます。
チーム保全とは
チーム保全とは、設備をよくわかっている人がわかっていないメンバーにやり方を伝授し、チームで保全できる状態を作ることです。個人保全のように属人化せず、トラブル発生も柔軟に対応できるようになります。保全要員が少ない場合に最適です。
まとめ
計画的な設備保全の進め方と設備管理台帳で管理すべき項目、そして保全要員や現場の作業員が何をすべきか、人材育成はどうすべきか?について解説しました。
工場では様々な生産設備があり、様々な人間が働いているため、各工場の状態によって、チーム保全がいいのか個人保全がいいのか、設備管理台帳でどのように計画を立てどう是正していくのかなどは各工場によって異なります。そのため、コラムでご紹介した内容を参考にしながら、御社の設備保全の効率と効果を高めていただければと思います。
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