DXを活用した働き方の実践事例
当社は業務プロセスの効率化や専門的ノウハウの共有といった場面に先進的なデジタル技術を取り入れ、
多岐に亘る仕事に従事する従業員が各々の専門能力を高いレベルで発揮しながら協業できるように、様々な仕組みを整えています。
以下に、当社が実践するDXを活用した働き方改革の事例をご紹介します。
一日の時間を有効に活用する営業、システムエンジニアの働き方
当社の営業関連部門が長きに亘る働き方改革の実践を通じて蓄積してきた知恵と経験は、「いつでも・どこでも・誰とでも」スムーズに仕事ができるITモバイル環境の構築や、在宅勤務や直行直帰の活用を促す制度・ルールの整備に繋がっています。業務を効率良くかつ効果的に進められる仕組みは、社内だけでなく組織を越えたプロセスにも取り入れられ、電子契約の導入など、お客様の働き方改革をも支援する形へと進化しています。
グループ会社である富士フイルムビジネスイノベーションジャパンの営業職をはじめとするお客様接点の従業員は、一日の移動効率を踏まえて、全国に開設されたサテライトオフィスや駅ナカなどに設置された個室型ワークスペース「CocoDesk注1」を活用しています。営業やシステムエンジニアのフレキシブルな働き方は、全国の拠点とバーチャルに繋がれた同社の東京・豊洲センターオフィスなどで、お客様にも見学いただいています。
ICTで進化する保守サービスのスタイル
複合機・プリンターを保守するカストマ―エンジニア(CE)は、リモートサービスで収集したビッグデータを活用して働き方を変革しています。具体的には、当社がお客様先にある機器の稼働状況を 毎日自動でリモート診断することで、CEが定期的にお客様先を訪問 して機器を点検するこれまでの保守形式から、訪問が必要と診断された時に対応する形式に置き換えました。予め機器の詳細状況を把握し、必要な作業や部品を特定することで、保守作業の正確さや効率が飛躍的に向上しています。
保守に高度な技術と知識が求められる商業用プロダクションプリンターの領域では、技術スペシャリストのノウハウを即時に共有する仕組みとして、全国でウェアラブル端末を活用しています。難易度の高い作業をお客様先で実施する時に、現場に赴いたCEから機器の視覚情報や音声をバックオフィスの技術スペシャリストと共有することで、技術スペシャリスト自身が現場にいるかのような支援をリモートで可能にしています。その結果、高難度作業における保守時間の3割短縮を実現し、お客様からも好評を得ています。
アナログチャネルからの脱却が進むコンタクトセンター
保守依頼の受付、操作に関する問合せ、消耗品発送の受付、諸々の機械管理業務などを担うコンタクトセンターでは、AIを活用した新たなデジタルチャネルの導入を推進し、従来の電話を中心としたアナログ対応にまつわる問題の解決を図っています。
近年の技術の進歩に伴い、自己解決を希望されるお客様には、ウェブサイト上のFAQやチャットボット注2、深夜や休日に故障・修理依頼を希望されるお客様には、AIオペレーター等、お客様のニーズに合わせたデジタルチャネルのラインナップを拡充しています。これらにより、利便性の高いカストマーサポートを提供するとともに、デジタルチャネルでのお問い合わせサポート率や、お困りごとの自己解決率向上にも大きな成果を挙げています。
3Dデータの徹底活用による開発・生産プロセス改革
従来、現場・現物の確認を基本としてきたモノ作りの場も、働き方改革の対象です。
スケジュールの遅延やコストの増加の要因となりがちな工程の手戻りを防ぐために、当社は、設計初期段階での品質を作りこむ、量産設計のフロントローディング注3に取り組みました。設計部門と生産部門が設計データを共有して連携することにより、社内での手戻りや取り引き先からの差し戻し件数が大幅に低減しました。また、3Dデータを活用して高精度のコスト見積りを初期段階から自動で行う仕組みも整え、コスト目標達成のための設計の手戻りも大きく減少させています。
電子署名による契約プロセスのデジタル化
当社は、契約書の作成・管理をデジタル化し契約業務の迅速化を図りたいというニーズの高まりに応えて、電子署名ソリューションの提供によりお客様の業務プロセスの変革に貢献しています。
当社においても本ソリューションを導入し、富士フイルムグループ全体としての活用も進んでいます。これにより、契約締結に関する業務時間の大幅な削減による業務効率化が可能になったとともに、輸送費、印紙代の削減や、契約書紛失リスクの抑制などのコンプライアンス強化も実現しています。また、在宅においても押印対応が可能なため、押印業務のために出社しなければならないということがなくなり、場所を選ばない働き方の実現に繋がっています。