このコンテンツは医療従事者向けの内容です。
医療現場を取り巻く環境は、技術の進歩や時代背景によってさまざまな変化を遂げています。そして、この先の未来も変わらず変化は起き続けていくであろうことは想像に難くありません。
医療現場、特に画像診断に関連がある分野の最近の変化として真っ先に挙げられるのが「デジタル化による高画質と被ばく低減」ではないでしょうか。まず「高画質」については、近年の技術革新による描出能の進歩には目を見張るものがある、というのは誰もが感じていることと思います。一方の「被ばく低減」については、「ALARAの原則」としてその重要性こそ昔から叫ばれていたものの、放射線の量や方向を実際に目で確認できないこともあり、いざ実行しようとするとなかなか難しい面もあったのではないでしょうか。
ところが昨今、「被ばく低減」の重要性に注目が集まっています。この背景には、原爆をもとにした疫学調査の進展や、それに基づいた医療従事者の線量限度の設定、東日本大震災以降に高まった放射線被ばくに対する興味や関心、日本の診断参考レベル 2020年版の公開など、さまざまな要因があると考えられます。いずれにしても、被ばく低減、つまり「診断や治療で用いられる放射線の線量」について、これまでよりも一層注目を浴びる時代になっていくでしょう。
本邦では、エックス線CT装置などのモダリティにおいて、2020年から線量管理および線量記録が義務化されました。2020年に義務化されなかったモダリティでも今後同様の動きがとられることは容易に想像できます。「透視検査」も例外ではないでしょう。まだ義務化されていない今だからこそ、「被ばく低減にしっかり向き合っていくべきタイミングである」ともいえるかもしれません。
この社会的課題に対して、富士フイルムは「被ばく低減による安全性の向上」について長年研究してきました。「システム側でできる根本的な被ばく低減のサポート」をめざし、「IntelliDOSE」という新被ばく低減プログラムを立ち上げ、さまざまな技術を組み合わせて低線量化に取り組んでいます。本特設ウェブサイトでは富士フイルムが取り組む被ばく低減にむけた全社的な活動をお伝えします。
富士フイルムでは、低線量化をめざして新被ばく低減プログラム「IntelliDOSE」 を立ち上げました。これには、医療従事者の水晶体被ばくの等価線量限度が引き下げられる流れや、2011年の国際放射線防護委員会(ICRP)によるソウル声明以降に各国でDRLs(診断参考レベル)が定められる動向など、医療分野における被ばくの低減が重要視されているという背景があります。