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日本

導入事例東邦大学医療センター 大森病院 中央放射線部

検査をもっと安全に
救急・整形外科・泌尿器科で活用されるFPDデジタルX線TVシステム

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

CUREVISTA*1 Openを納入した東邦大学医療センター 大森病院 中央放射線部の大久保卓史 統括次長、関口貫人 技師長補佐のお二人に納入後の使用経験についてお話をうかがいました。

  • *1 CUREVISTA は、富士フイルムヘルスケア株式会社の登録商標です。
  • * 本記事は掲載当時の記事であり、記載中の社名、施設名などに古い表現が含まれています。

東邦大学医療センター 大森病院

中央放射線部 大久保卓史 統括次長
中央放射線部 関口貫人 技師長補佐

(左)大久保氏、(右)関口氏

穿刺を伴う検査のリスクを低減

大久保統括次長 東邦大学医療センター大森病院は、1925年に帝国女子医学専門学校付属病院として開院しました。東京の南部・羽田空港のある大田区に位置し、城南地区医療の中核としての役割を担ってきました。現在では、934床を有する災害拠点病院として、がんセンターも併設しております。また、城南地区唯一のPET・CTを保有しています。

7号館まである施設のうち、3号館は最大震度7まで耐えられる免震構造になっており、災害時には全館が災害拠点として機能することになります。1階に救急・救命センター、2階にも大型の救命センター、CCU・ICU、3階にはオペ室が18室あります。3号館1階は昼間は総合診療科の外来ですが、夜間は救急対応に使用し、昼と夜では違う運用をしております。

新型コロナの状況下においては、マスクの装着と消毒の徹底を行ったうえで業務を遂行してきました。また、検査機器においても検査ごとに80%以上のアルコール綿での清拭を行っています。一時期消毒剤等の衛生材が不足しましたが、医師や看護師と同等に中央放射線部も検査の最前線にあるということで事務方に要望をし、入手がスムーズになりました。

CTでは最初の頃は直接機器を清拭していましたが、事務と交渉して寝台専用のビニールシートを購入しました。装置表面上は凹凸があり清拭が大変ですが、ビニールで平滑にすることにより清拭をしやすくし、片側5分の照射で99%除菌効果のある紫外線照射装置を導入して除菌を行っています。救急の部員で感染者が出ていないのは、このような取り組みの結果と考えております。

当院では5台のX線TVが稼動していますが、今回CUREVISTA*1 Openを導入したのは3号館1階で救急・整形・泌尿器を使用目的としています。現在は整形の検査を特に多く実施しています。

以前はI.I.を搭載した富士フイルムヘルスケア株式会社製のTU-3000を使用していました。今回のX線TVは救急・整形・泌尿器で、特にミエロなどの穿刺を伴う検査を多く実施しています。従来使用していたX線TVは撮影範囲の横移動の際に天板が動いてしまいます。穿刺を伴う検査の際に天板や受診者が動いてしまうと大変危険です。導入したCUREVISTA Openは撮影範囲の移動の際に管球アームが横移動をするので、検査中に天板が動かないことが最大の利点です。安全に検査ができるという点でメリットを感じています。

CUREVISTA Open

余談ですが、当院では消化器内科の内視鏡用途で従来型のCUREVISTAを使用しております。CUREVISTAも天板が動かないタイプです。ERCPや大腸検査の内視鏡はファイバースコープが長いので、以前使用していた天板が動くタイプのX線TVでは天板移動時に天板と台の間にファイバースコープを挟んで破損してしまうということが年1回程度は発生していました。修理代が数百万かかっていましたが、CUREVISTA導入以降は発生がゼロになっています。

  • *1 CUREVISTAは、富士フイルムヘルスケア株式会社の登録商標です。

低線量で画質は向上

関口技師長補佐 導入してから約1か月ですが、穿刺する検査で天板が動かないことに大きなメリットを感じています。穿刺の際のリスクもなくなり、安心して使えると先生方の評価も非常に高いです。管球横に付いた監視カメラで天板上の視認性がよくなっているので、操作室側のモニターで確認できて安心です。受診者の表情や状態が確認しやすく、先生方の手技の状況も把握しやすいため非常に助かっています。今までは不安に感じながら検査をすることもありましたので、“楽”に仕事ができるようになり喜んでいます。

また、絞りにライトが付いているのも非常に使いやすいです。照射野ランプよりも長時間点灯させることが可能なので、位置決めの際にもライトの照射でイメージができるので、透視を出さないということが大きいです(注:照射野ランプとは別のもの)。

操作コンソール。左がSECURECAMERAの画像

SECURELIGHT

SECURELIGHT照射中、緑色のランプはX線レディ状態のイルミネーションランプ

今回は泌尿器・膀胱鏡の検査でも使用しますが、透視可能範囲が広く天板の端まで寄せて検査することが可能になったので使いやすくなりました。今までの装置ではアプローチ性が悪かったので、医師や看護師と器材を含めて2号館まで移動して検査をしていましたが、それが解消され時間短縮、“働き方改革”にも繋がっています。

撮影範囲を天板端9.8㎝まで寄せた状態

また、単辺絞りができるのが非常に良いと思います。以前と比較して画質も良くなり、透視条件を下げても十分に確認が可能な場面が多くなっています。手技や状況にもよりますがDRLs2020:日本の診断参考レベル(2020年版)の数値と比較しても3/4~1/10程度に抑えられています。7.5fpsを主体に使用しており、位置合わせだけであれば3.8fpsや1.9fpsの低フレームレートを活用しています。また、透視モードはLMHのうち、MやLの低線量モードでも満足のいく画質を得られるのでよく使います。

例ですが、手技に慣れているベテランの先生方は低フレームレート、慣れていない先生には少しフレームレートをあげることによって見やすくなるように調整していますが、先生方から「見えない」という言葉がない限りは、基本的には低線量を重視して活用しています。自分がもともとCT担当だったので、線量を下げたいという気持ちが強く、X線TV担当になっても同じ気持ちで取り組んでいます。

従来はI.I.だったのですが、FPDになったので1.9fpsでも非常にきれいに見えるようになりました。神経ブロックをする先生からも非常にきれいだとご評価いただいています。元はオペ室で外科用Cアームを使用していましたが画質に満足がいかずに、前のX線TVを使用していました。それもきれいだと言われていましたが、FPDになって格段にきれいになっています。CUREVISTA Openは10cm視野まで絞って、拡大表示することも可能で、その点も使いやすいです。

大久保統括次長 2019年10月に厚労省からガイドラインが出され、当院でも4月から医療放射線安全管理委員会が発足し、線量を管理していくことになりました。将来的には線量管理ソフトを導入することになりますが、現段階では、線量情報をF-RISに送信して管理しています。

関口技師長補佐 透視画像のキャプチャー機能もいいです。ラストイメージの画像をキャプチャーすることができるのでよく使っています。これは要望ですが、ラストイメージ画像を任意でキャプチャーしなくてはいけませんが、キャプチャーしなくてもラストイメージ画像が自動で仮保存されると使い勝手があがると思います。

トモシンセシスはまだ本活用はしていませんが、テスト撮影では断層の高さを変更できるので使いやすそうだと評価しています。

今回コンソール部分は市販のテーブルを選択しました。一体型のコンソールの場合よりも使い勝手が広がってすごく良いです。テーブル上を広く使えてマウス操作のスペースやメモ書きをするスペースなどが確保できて使いやすいと思います。テーブルを事前に選択して、幅や長さ・高さ・引き出しの有無等も選べるので、導入前にいろいろ検討することができて楽しかったです。

最後に、今後のX線TVに期待する機能として、X線TV本体に内視鏡の光源を組み込んでファイバーを接続できると、非常に便利になると思います。ぜひ実現してほしいです。

販売名

デジタルX線透視撮影システム CUREVISTA Open / CUREVISTA Apex

医療機器認証番号

302ABBZX00032000