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50年以上にわたって地域医療を支え、地域の方々から信頼される医療を目指している永澤医院。リウマチ専門医である永澤潤哉氏に胸部X線画像病変検出ソフトウェアCXR-AIDおよびフラットパネルのオプションである小型拡張ユニット「EX-Mobile」を導入した経緯や使用感などについてお話をうかがった。
永澤 潤哉 氏
当院は私の祖父の代から地域医療への貢献に努めてきた診療所で、現在は一般内科と私が担当しているリウマチ科を標榜しています。
1日に3件程度で、通常の診療のほか、がん検診を含めた自治体の健診や就職時健診で撮影しています。
私が以前に勤務していた大学病院ではリウマチと呼吸器をトータルで診療していたため、胸部X線画像の読影にはある程度慣れているつもりなのですが、肺門部などの読影には少し苦手意識があり、日々の読影で悩ましさを感じることもありました。そうした中で、富士フイルムのDRパネルを導入するタイミングで、胸部X線画像病変検出ソフトウェアCXR-AID(以下、CXR-AID)およびEX-Mobileについての詳しい説明を聞き、見落とし防止などの効果に期待して導入を決めました。
リウマチの症状は手指の関節痛が典型的ですが、合併症として間質性肺炎などの肺病変が起こることがあります。また、リウマチの治療薬は免疫を弱らせる効果があるため感染症との相性が悪く、通常の肺炎や結核、非定型抗酸菌症などが生じる可能性が高まります。さらに、治療薬の副作用で薬剤性間質性肺炎が生じることもあります。そのため、リウマチの診断・治療では、関節のX線撮影と併せて胸部のX線撮影を行うことが重要であり、ガイドラインにおいて最低でも年1回の胸部単純X線検査が推奨されています。
例えば、読影して間質性肺炎を疑うケースで、CXR-AIDでも検出されているとやはり安心感がありますね。間質性肺炎については、正面と側面のX線撮影を行うことが推奨されており、当院でも基本的には正面と側面の撮影を行いますが、自治体のがん検診等のように対象が正面に限られる場合でも正面像のみで自信を持って診断が行えると感じています。
また、検出精度について怪しいと思う箇所はしっかりと拾ってくれるという印象で、自分の感覚に近いと感じています。ただ、私には診療のキャパシティがあり、多忙な時は時間をかけて読影ができないこともあります。それに対して、CXR-AIDは常に一定の精度で読影を支援してくれるので、見落としを予防してくれる心強い存在だと実感しています。
導入前は、診断に悩む症例については自院での胸部X線の再検査よりも他院でのCT検査をお願いすることも多かったですが、CXR-AIDを導入してからは読影に対する自信が高まったことで、より強く胸部単純X線検査をお勧めできるようになり、結果として患者さんの負担軽減につながっていると感じています。
日常診療で忙しく、見落としが心配な先生はCXR-AIDを活用すれば安心感が得られ、画像診断の効率化につながるのではないかと考えています。
撮影後はバックグラウンドで処理が行われ、その時間も30秒程度なので、撮影をして診察室に戻るとすぐに結果が確認できます。
CXR-AIDについては、ヒートマップ表示に加えて疾患名のサジェスト機能があれば、胸部X線画像の読影にあまり慣れていない先生の使い勝手がさらに向上するのではないかと思います。また、診療所の医師としては、診療所レベルでより使いやすい装置や技術の開発を続けていただければと期待しています。
- 販売名
胸部X線画像病変検出(CAD)プログラム LU-AI689型
- 承認番号
30300BZX00188000
- 販売名
デジタルラジオグラフィ DR-ID 1200 の付属品EX-M1
- 認証番号
226ABBZX00085000
- 小型拡張ユニット「EX-Mobile」のカタログ
- 本記事のPDFデータ