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日本
湘南平塚どうぶつ病院様の外観

導入事例湘南平塚どうぶつ病院

動物病院の新規開業事例
自分らしい『寄り添う』獣医療を追い求めて開業を決断

~旧知の同志とともにペットオーナーと動物の立場に立った獣医療を提供し、地域のペットライフを支える~

神奈川県平塚市に新規開業した「湘南平塚どうぶつ病院」は、2024年4月の開業からほどなくして市内外から多くのペットオーナーが訪れている。『地域のホームドクター』として着実に信頼を積み重ねるなか、病院理念、内装コンセプト、運用機器、集患施策などについて秋元剛院長と、院長とともに獣医療を担う得永寛人先生にうかがった。

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  • 動物病院の新規開業事例
    セカンドキャリアを見据えて開業を決意した獣医師のメソッド

湘南平塚どうぶつ病院

秋元 剛 院長
得永 寛人 獣医師

秋元 剛 院長(左)得永 寛人 獣医師(右)

施設概要

成長し合えるスタッフとともに、ペットライフに『寄り添う』獣医療を実践

湘南平塚どうぶつ病院 院長
秋元 剛 先生

秋元院長 2024年4月に開業した犬・猫を診療科目とする動物病院です。飼い主さまと動物に『寄り添う』ことを病院理念に、動物のライフステージに応じた親身な診療を年中無休で提供しています。
 診療体制は2人の獣医師、2人の愛玩動物看護師、1人の受付・事務スタッフに加えて、アルバイトスタッフが受付・環境衛生をサポートしています。開業から数か月が経ち、平塚市をはじめとした湘南エリア、小田原市などの隣接エリア、さらに東京都内からも来院いただいています。
 私は開業するにあたり『NOと言わない獣医療』を目標にしました。ペットライフの初期から末期まで支えるためには、日ごとに更新される知識や技術を習得し続けなければなりません。幅広い症例に対応できるようスタッフとともに日々成長に励んでいます。

開業背景

夜間診療と救急診療のニーズが高く、ゆとりをもって暮らせる湘南エリアに開業

秋元院長 私は卒後から一貫して高度救命救急センターに勤務していました。高難度症例を幅広く診療し、ターミナル期の動物を診療することもありました。1日でも長く飼い主さまと動物の生活を支えようと尽力するなかで、私の胸を打ったのは「この子の最期を先生に見届けてもらえて良かった」という飼い主さまの言葉です。獣医療は社会生活に必要な存在だと再認識すると同時に、「私なりのペットライフへの関わり方があるのではないか」という思いが湧き上がったことを覚えています。その後、獣医師としての今後のキャリアを熟考した末、個人病院を開業することを決意しました。
 開業の地に神奈川県の湘南エリアを選んだのは、夜間診療や救急診療のニーズが高かったからです。当初は都内や小田原市も候補として検討しましたが、私が貢献できる余地がより大きいのは湘南エリアだと判断しました。湘南エリアは豊かな自然のなかで妻や子どもと過ごせるのも大きな魅力で、趣味のサーフィンが楽しめることも決め手になりました。

立地・物件選定

1年半かけて辿り着いた、地域住民の生活動線に面した立地

秋元院長 開業場所の平塚市徳延は、のどかな住宅街で商店街や公共交通機関などの住環境が充実しています。土地契約は2023年8月に完了しましたが、土地探しに1年半費やしました。湘南エリアに絞って物件・土地を探し始めたところ平塚市中心地に空きはなく、毎週市内の不動産屋を巡りました。この土地との出合ったきっかけは知り合いからの紹介です。土地の広さも十分で、地域住民の主要道路沿いという立地から集患も見込めました。懇意にしていた開業コンサルタントにも「これほど良い土地はめったに見つからない」と評価いただき、平塚市徳延での開業を決断しました。

湘南平塚どうぶつ病院様の外観

外装・内装レイアウト

ペットオーナーと動物の不安を和らげる、配色と装飾にこだわった居心地の良い空間

秋元院長 飼い主さまと動物の不安を少しでも和らげたいと思い、内装はグレー調のシックな空間にしました。医療施設の内装は白色が一般的ですが、非日常的な空間にいると飼い主さまと動物は緊張してしまうものです。そこで、ご自宅のようにリラックスしていただけるよう落ち着いたトーンの配色で、なごやかさを演出する木材と観葉植物を取り入れました。
 お気に入りのインテリアは、待合室のベンチです。飼い主さまと動物が触れる物をどうしても手作りしたく、職人さんに教わりながら作りました。実際に挑戦してみると想像以上に大変で、半日かけてようやく1台作ることができました。精魂を込めて完成させたベンチだからこそ思い入れもひとしおです。

受付の様子

秋元先生こだわりのベンチ

施設内には、一般診療から高度医療・救急医療まであらゆる診療内容を想定し、診療室、手術室、処置室などを設けました。動線を第一に考え、スタッフや動物が効率的に移動できるようレイアウトしました。
 工事期間は2023年10月~2024年3月です。建築会社はすでに決めていたので、土地を購入してからスムーズに着工できました。しかし、2024年4月の開業を目指していたため、工事はかなり切迫していました。動物病院の大事な収入源である春のフィラリア予防やワクチン接種を受け付けるには、どうしても4月に開業する必要がありました。動物病院特有の事情について建設会社の方々にご理解いただき、迅速かつ的確な工事のおかげで2024年3月中旬に無事竣工しました。

医療機器選定

秋元院長 開業までの準備期間が限られているなか、医療機器装置を扱う複数社とやりとりするのは困難でした。富士フイルムに様々な医療機器装置の導入をサポートしてもらえるのはありがたかったです。
得永先生 血液検査装置の「富士ドライケム」シリーズをこれまで勤務した3施設で使用しましたが、シリーズを追うごとに機能が向上しています。当院が導入した臨床化学分析装置「富士ドライケム NX600V」も測定スピードが早く、多項目のなかから測定したい項目を選択できるのが利点です。膵炎患者の診断時には、「富士ドライケム NX600V」は血清リパーゼを最初にセットでき、優先的に測定できるので助かっています。

動物用X線画像診断システム「FCR PRIMA T2 V」
動物用X線画像処理ユニット「V Station T」

秋元院長 X線分野はX線画像診断システム「FCR PRIMA T2 V」とX線画像処理ユニット「V Station T」を導入しました。富士フイルムにはDR方式とCR方式があるなかで、画質、躯体サイズ、予算をふまえて、省スペースと高速処理を両立する「FCR PRIMA T2 V」を選びました。
得永先生 心タンポナーデの救急患者を処置した際には、超音波画像診断装置で心エコー検査を行い、心膜穿刺を速やかに施行できました。一分一秒を争う救急診療において、超音波画像診断装置は本当に頼りになる存在です。

秋元院長 富士フイルムのサポートのおかげで、タイトなスケジュールのなかで開業までこぎ着けました。医療機器装置の機能性の高さは以前から知っていましたが、富士フイルムのスタッフと実際にお付き合いして、相談事には親身に応対いただき、割賦制度のおかげで初期投資を抑えられました。また、「動物検体受託検査サービス」の健康診断を紹介いただき、多項目の検査結果がスピーディーに出るので継続して利用しています。

超音波画像診断装置

人材募集・教育

旧知の獣医師と思いやりのあるスタッフと『寄り添う』獣医療を模索する日々

秋元院長 得永先生は大学の同級生です。でも、大学時代は2人で一緒に行動するような仲ではなかったですね。
得永先生 秋元院長との不思議な縁を感じたのは、横浜市の一次医療施設に勤務してからです。紹介した二次医療施設の担当医が偶然にも秋元院長で、そこから連絡を取り合うようになりました。
秋元院長 得永先生が飼い主さまや動物思いの実直な獣医師であることはわかっていました。年中無休で地域のペットライフを支える上で、病院理念の『寄り添う』を実践できる獣医師は不可欠です。「彼以上の人材はいない、一緒に働いてほしい」と強く思い、2023年秋に得永先生に開業する意思を伝えました。
得永先生 秋元院長から開業の話を聞いたときはとても驚きました。私も過去に独立開業を考えたことはありますが、日々の診療と経営業務を両立するのは難しいと断念していただけに、秋元院長の話を聞いてくすぶっていた思いに再び火が着きました。新規開業施設での勤務は未経験で不安はありましたが、秋元院長の熱意と人柄を信じて一緒に働く決意を固めました。
秋元院長 得永先生には家族や安定した収入を得られる環境があるなかで、私を信じてついてきてくれました。彼の勇気ある決断にこたえられるよう、いま現在もより良い獣医療の実現、院内体制の整備に邁進しています。
 得永先生と同じく、愛玩動物看護師とアルバイトスタッフも人間性を重視しました。2023年10月から求人サイトを通じて募集をかけ、様々なキャリアやスキルをもつ応募者のなかから計3人を採用しました。3人とも快闊な人柄で、当院の明るい雰囲気づくりになくてはならない存在です。
 飼い主さまや動物に『寄り添う』ことは、一朝一夕でできるものではありません。相手の立場になりきって思いや感情を汲み取り、適切な言動に移せるかがカギになります。スタッフには診療面での貢献に感謝するとともに、ひとりひとりが『寄り添う』獣医療を体現できるよう、日々最善を尽くす大切さを伝えています。

集患対策

人通り・車通りの多い地域の生活動線が認知拡大を後押し

秋元院長 開業場所が決まった2023年8月にInstagramのアカウントを開設して、開業告知、施設特長や診療スケジュール、工事の進捗報告などを随時発信しました。ほかには、開業日が近づいたタイミングでチラシBOXの設置、Google Mapへの店舗登録、電柱広告の掲出を行い、開業に向けて認知を広めていきました。
得永先生 当院の駐車スペースに設置したチラシBOXの集患効果には驚きました。当院が面する道路はもともと人通りが多く、ペットの散歩や通勤で通りがかった皆さんがチラシを持ち帰り、後日来院いただくケースは多く見受けられます。
秋元院長 地域の皆さんの生活動線に面する場所に開業できたことは、集患において大きなメリットでした。当院を通りがかる歩行者だけでなく、自家用車や路線バスで移動される皆さんの認知にもつながっています。

開業経験を踏まえて

『地域のホームドクター』を目指してチーム力と医療環境を高めていきたい

秋元院長 開業前は不安が大きかったですが、得永先生とスタッフと毎日診療するにしたがって結束力は高まり、チームとしての成長を感じています。1日でも早く『地域のホームドクター』になれるよう、これからも人材・医療環境の両面から獣医療水準を高めていきます。医療環境面ではCT診断装置を導入予定です。富士フイルムには医療機器装置のエキスパートであり身近なサポーターとして、引き続き当院を支援いただきたいです。
得永先生 秋元院長と診療する日々は発見や刺激に満ちあふれていて、獣医師としての技術も心構えも磨かれていると感じます。当初は不安もありましたが、幸せなことにやりがいと楽しさを感じながら働けています。飼い主さまと動物のために習得したい診療技術は尽きませんので、向上心をもって学び実践していきたいです。
秋元院長 新規開業はあくまで獣医師にとっての数ある選択肢のひとつだと思います。どのような選択であっても、獣医師として生き方・働き方を熟考した末の決断であればきっと後悔はないはずです。新規開業を検討されている皆さんにお伝えしたいのは、「獣医療に真摯に取り組んでいれば大丈夫」ということです。当院の事例が次のステップに踏み出そうとする皆さんへのエールになれば何よりです。

院内レイアウト

開業までのスケジュール

開業に向けて、まずはご相談ください

湘南平塚どうぶつ病院さまの開業のお手伝いは富士フイルムVETシステムズがお手伝いさせていただきました。
当社は、動物病院の開業や効率化に必要なさまざまな医療機器をワンストップでサポートします。
動物病院の開業をご検討の方は、動物病院向けの診断機器・各種検査の総合メーカーである当社だからこそできることがございますので、お気軽にお声がけください。

湘南平塚どうぶつ病院(神奈川県平塚市)導入機器・システム

  • X線画像診断システム「FCR PRIMA T2 V」
  • X線画像処理ユニット「V Station T」
  • 超音波画像診断装置 
  • 臨床化学分析装置「富士ドライケム NX600V」