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いりえ動物病院様の外観

導入事例いりえ動物病院

動物病院の新規開業事例
セカンドキャリアを見据えて開業を決意した獣医師のメソッド

物件探しに奔走するなか、ワンストップ体制による機器選定や採用・教育を並行し、理想の動物病院を実現する

2023年9月、東京都文京区の本郷エリアに新規開業した「いりえ動物病院」。
商店街という生活の中心地に施設を構え、地域住民の充実したペットライフを支えるに至った思い、独立を決意してから開業までのプロセスについて入江なつは院長にうかがった。

このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。

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  • 動物病院の新規開業事例
    セカンドキャリアを見据えて開業を決意した獣医師のメソッド

はじめに

外科をはじめとする幅広い診療領域でペットライフに寄り添う

いりえ動物病院 院長
入江 なつは 先生

入江先生 私が外科出身ということで『外科手術に強いホームドクター』というコンセプトのもと、外科をメインに獣医療を提供しています。文京区の本郷エリアにお住まいの方々を中心に満足いただけるよう正しい知見や論理にもとづいた診療を心掛けています。

動物病院としては小さい方ですが、英名を『クリニック』ではなく『ホスピタル』にした理由は、「うちでは診療できません」という症例を限りなく少なくしたいという意思の表れです。動物や飼い主さまに寄り添い、コミュニケーションを重ねながら、良質なペットライフを支えていくことを目指しています。

開業背景

先輩獣医師から刺激を受け、獣医師として末長く活動するために開業を決意

入江先生 二次診療施設で救急医療などに従事する一方で定年退職を意識するようになり、60歳を過ぎても獣医療に携わる方法として独立を考え始めました。別の二次医療施設に移って引き続き勤務医として働く選択肢もありますが、将来的には自分のペースで獣医療にあたりたいと思いました。
ただ、動物病院を新規で開業するのは年齢が若いうちに行うのが一般的なため不安もありました。後押ししたのは、90歳を目前にしてもなお活躍する所属施設の院長の存在です。「あなたはまだまだ若いわよ」という言葉に勇気をもらい、動物病院を開業しようと決意しました。

院内設置機器
お話しされている入江なつは院長

立地・物件選定

街として成長性があり競合の少ないエリアで物件を厳選

入江先生 新規開業するにあたり集患面を念頭に置いて物件を探しました。なかでも文京区本郷エリアは都市開発が進んでおり、今後の発展性が高いことも魅力でした。指定エリアでは条件に合致する物件が見つかりにくいことは知っていたため、早めに物件探しを始めたのですが、半年ほど経っても集患が期待できる立地で大きすぎない広さの物件が出てこないため焦りました。

この物件を紹介されたときは即決でした。商店街の中に位置し周りに動物病院がないため、かかりつけの動物病院を必要とする飼い主さまは多いと判断しました。また、近くに以前勤めていた東京大学動物医療センターがあり、何かあった際に頼れるのは心強いです。

いりえ動物病院様の外観

外装・内装レイアウト

緊張を和らげるデザイン性と、動物病院としての機能性を両立

入江先生 来院される飼い主さまの緊張をほぐせるよう、ポップな動物のイラストが目を引く外観と、内観は天井の高さを活かした開放的な空間で、木のぬくもりを散りばめました。見た目だけでなく、空調設備を用いて薬品の臭いなどを抑えてリラックスできる空間にしています。

動物病院らしくない雰囲気は想定外の好影響を生んでいて、開業準備をしていると通りがかりの方に「ここはケーキ屋さんなの?」と声をかけられ、動物病院である旨を伝えると励ましの言葉をいただきました。動物病院はペットライフを送る飼い主さまのライフラインですので、地域の皆さんにいち早く受け入れていただく上でも親しみやすいデザインはプラスに働いたと思います。

いりえ動物病院様の内観

医療環境は、二次医療施設での経験を活かして設計しました。診察室と手術室の動線を短くして、ストレッチャーで移動しやすいよう通路幅を広くしてスロープを取り入れたので、緊急時や大型犬でも円滑に処置できます。スロープやスイングドアは動物の好奇心を刺激するようで小型犬などが楽しく移動しています。

医療施設の重要事項である衛生面に関しては、手術室や処置室にシンクを設置せず、洗浄設備はトリミングルーム内のシンクに集約しました。レイアウト面では機器・装置を詰め込み過ぎないようにすることで、床に落ちた埃や動物の毛が掃除しやすくなり、スタッフに余計な負担をかけずに清潔さを保っています。

医療機器選定

かねてから実感していた機能性とサポート体制を踏まえて1社から一括調達

動物用X線画像診断システム​
「FUJIFILM DR CALNEO Smart V」​
動物用画像処理ユニット「V Station T」​

入江先生 開業するにあたり富士フイルムに機器選定の支援を依頼し、X線画像診断システム、超音波画像診断装置、臨床化学分析装置、免疫反応測定装置、血液凝固分析装置、血球計数機、内視鏡システム、受託検査結果閲覧システムを導入しました。

富士フイルムの医療機器は獣医師として駆け出しの頃から使用しており、臨床化学分析装置「富士ドライケム」シリーズが登場した際には、小型化されたチップで電解質まで分析できる革新的な性能に驚いたものです。親身なサポートも印象深く、機器の不明点やトラブルが発生したときにはコールセンターに問い合わせすれば対処方法をスムーズに回答してくれます。そうした機能面とサポート面を踏まえて、富士フイルムに絞って機器選定を依頼しました。

X線画像診断システム「CALNEO Smart V」は経験の少ない獣医師でも必要水準の画像を撮影できるので助かっています。撮り直しをせずに済むのは動物にとって、心身への負担も最小限にできるメリットがあります。

診察室では、コンパクトサイズが特長の超音波画像診断装置が重宝しています。診察台や椅子などを配置した後のスペースを有効活用するため、機器選定時には画質に加えてサイズ感にもこだわりました。獣医師の背後に置いているので、診察中に気になることがあればすぐにエコー検査ができるので助かっています。

血液検査装置は使い慣れている「富士ドライケム」シリーズのなかから、臨床化学分析装置「富士ドライケム NX600V」と免疫反応測定装置「富士ドライケム IMMUNO AU10V」、併せて血液凝固分析装置「COAG2NV」と血球計数機を導入しました。即時検査が可能で結果が短時間で出るので、作業の効率化につながっています。

臨床化学分析装置「富士ドライケム NX600V」

免疫反応測定装置「富士ドライケム IMMUNO AU10V」

開業からまだ半年ですが、これらの機器は『外科手術に強いホームドクター』を掲げる当院の手術症例において有用性を発揮しています。糖尿病を持病とする猫の胸水症例では、体調に配慮しながら胸水の貯留量などの状態を、X線画像で毎日把握しました。手術後にX線画像で経過観察していたところ心陰影の大きさが気になり、すぐにエコー検査をしました。すると、胸水であると同時に心筋症であることが確認され、心臓薬による治療を開始しました。それでも体調状態が芳しくないため、「富士ドライケム IMMUNO AU10V」で血液検査を行い、T4の測定数値から甲状腺機能亢進症と診断しました。その後、抗甲状腺薬の使用が功を奏し、現在では元気に生活できるまでになりました。兆候を感じた時点で検査・分析を実施できたことが分岐点となり、迅速に処置できたケースだと思います。

動物医療業界でも電子化・ペーパーレス化が進んでいますので、電子カルテの導入をはじめとして、受託検査結果閲覧システムVETELOOPやデジタル画像を活用し、医療情報をデータ管理することで、院内の各所で閲覧できるようにしました。

2023年度時点では一般診療と予防医療が中心ですが、2024年度から健康診断サービスも実施する予定です。フィラリア検査と一緒に健康診断を行いたいという飼い主さまは多いので、富士フイルムの受託検査サービスと閲覧システムを活用することで、当院の全体業務に負荷をかけることなく、地域の健康診断ニーズにこたえていくつもりです。

人材募集・教育

親身な医療方針を経験豊富なスタッフとともに実践

入江先生 動物病院は人材あってこそ成り立つと考えており、開業準備初期から断続的に獣医師、動物看護師、トリマーを採用しました。前職場で一緒に働いていた動物看護師をはじめ経験豊富なスタッフが揃っていますので、私の診療状況から先を見通して自発的に行動し、役割を全うしてくれるので助かっています。なかには導入機器を初めて使用するスタッフもいましたが、富士フイルムの担当者さんが丁寧にレクチャーしてくれたおかげで、全スタッフが不安なく開業を迎えることができました。

集患対策

トリミングルームと広告施策を駆使してペットオーナーの認知を拡大

入江先生 広告施策としては、開業2か月前から当院WEBサイトのティザーサイトを公開したほか、外装に告知チラシを掲示し、電柱広告を設置して周知を図りました。

最も集患面に貢献しているのはトリミングルームです。新規の動物病院でトリミングルーム併設型にするのは少数派ですが、周辺にトリミングサロンがないことから、来院動機のひとつとしてトリミング需要を獲得したいと思いました。ただ単にトリミングルームを設けるだけではなく、通行人から見えるよう入口の横に配置し、ガラス張りにして室内の様子を確認できるようにしたことで、通りがかりのペットオーナーさまが興味を持ち来院いただけています。

トリミングルーム

開業経験を踏まえて

最善の診療を通して、地域のペットライフを支えていく

入江先生 開業することは自分自身がすべての責任を負うということを実感しています。開業を志してから先輩の開業獣医師やコンサルタントに相談しながら、物件をはじめ機器や内観レイアウトを妥協せずに決めたからこそ、自信を持ってスタートが切れました。

2024年度からは健康診断が始まり、飼い主さまのペットライフにより深く関わることになります。これからも動物の状態を適切に把握して処置する診療技術、飼い主さまとの親身なコミュニケーション、そして誠意のある診療姿勢を徹底して、地域のペットライフを支えていきたいです。

院内レイアウト

開業までのスケジュール

開業に向けて、まずはご相談ください

いりえ動物病院さまの開業のお手伝いは富士フイルムVETシステムズがお手伝いさせていただきました。
当社は、動物病院の開業や効率化に必要なさまざまな医療機器をワンストップでサポートします。
動物病院の開業をご検討の方は、動物病院向けの診断機器・各種検査の総合メーカーである当社だからこそできることがございますので、お気軽にお声がけください。

いりえ動物病院様の外観

いりえ動物病院(東京都文京区)導入機器・システム

  • X線画像診断システム 「CALNEO Smart V」
  • X線画像処理ユニット「V Station T」
  • 超音波画像診断装置 
  • 臨床化学分析装置「富士ドライケム NX600V」
  • 免疫反応測定装置「富士ドライケム IMMUNO AU10V」
  • 血液凝固分析装置「COAG2NV」
  • 血球計数機