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ポータブルエコーのインタビュー

前立腺がんの定位放射線治療の前処置におけるワイヤレスエコーの使用経験

~AI技術を用いて開発された膀胱尿量自動計測、直腸観察ガイドの精度・効果を検証

地方独立行政法人長崎市立病院機構長崎みなとメディカルセンター

放射線科 診療科長、医療情報センター長
南 和徳 氏

放射線部
野原 慶太 氏

(左)南 和徳 氏(右)野原 慶太 氏

513床、36診療科を擁する地域の中核病院で、救急医療、急性期・高度急性期医療、小児・周産期医療、感染症・災害医療などに注力している長崎みなとメディカルセンター。前立腺がんの定位放射線治療の前処置にワイヤレス超音波画像診断装置「iViz air」を活用する研究に取り組んだ背景や、その効果に対する所感などについてお話をうかがった。

地方独立行政法人長崎市立病院機構長崎みなとメディカルセンター

長崎みなとメディカルセンターの放射線治療の特長は。

南氏 汎用機と高精度放射線装置であるサイバーナイフの2台体制で治療を行い、前立腺がんに対しては長崎県内で唯一、サイバーナイフを用いた定位放射線治療を行っており、体幹部定位放射線治療(SBRT)が占める割合はおよそ1/3となっています。

放射線治療で重視していることは。

南氏 エラーをなくすことは当然として、スタッフ全員で患者さんに対して、できるだけ侵襲が少なく、優しい治療を提供できるよう注力しています。

前立腺がんの定位放射線治療における前処置の重要性は。

南氏 体幹部定位放射線治療(SBRT)は、従来の強度変調放射線治療(IMRT)と比較すると治療の回数が少なく、前立腺がんのIMRTの一般的な回数が20~40回であるのに対して、当院のSBRTの回数は5回です。したがって、SBRTにおいては、1回1回の治療をより高い精度で行う必要があり、これまで以上に蓄尿や排便・排ガスといった前処置が重要になります。

貴施設での前立腺がんのSBRTにおける前処置の従来のフローは。

野原氏 前処置は膀胱や直腸などの前立腺の周辺臓器の状態を計画CT撮像時の状態に近づけることで、前立腺を確実にPTV内に収め、なおかつ治療精度および副作用の発現を抑えるために実施します。患者さんが来られたら、更衣後にCT室に入室していただきます。そこで事前に患者さんの体の形に合わせて成型した吸引式固定具の中で横になった状態でCTの撮像を行い、便の有無を確認します。その際、便があれば、自力排便をお願いするか、もしくは自力排便が困難な場合は看護師さんに協力していただいて浣腸を行い、再度CTを撮像します。

そして、十分な排便が確認されたら、そのCT画像を治療計画装置に転送し、治療計画CT画像と重ね合わせて、PTV内に前立腺が含まれているか、便やガスが治療に影響がないかを確認します。

それで問題がなければ、続いて尿量の確認に移ります。当院では従来から尿量の確認に据え置き型のエコーを使用しており、エコー画像をもとに治療計画CT時と同じ程度の蓄尿があるかを確認します。その際、十分な蓄尿がなければ、水を飲んでいただいて、少し待ってからエコーで再度確認し、適切な尿量になった段階で治療を開始します。

上記フローでの課題は。

野原氏 据え置き型のエコーを用いた尿量の確認では、担当する技師によって尿量計測に必要な膀胱径の計測にばらつきがあり、精度面で課題がありました。また、便を確認するために行うCT撮像は、撮像条件をかなり低く設定してはいるものの、十分な排便が確認できなければ複数回の撮影となってしまうため、被ばくが問題となっていました。

iViz airを初めて見た時の印象は。

南氏 軽量・コンパクト、しかもワイヤレスで、これだけの画質が得られれば、さまざまな場面で使いやすいのではないかと思いました。

野原氏 私はポータブルエコーを見たのが初めてだったので、そもそもこのようなタイプのエコーがあることに驚きました。そして、コンパクトで軽く、ワイヤレスなので、持ち運びがしやすそうだと思いました。

iViz airを前処置に活用する研究の内容は。

野原氏 従来から課題としていた尿量計測と便の確認に、iViz airのアプリケーションである「膀胱尿量自動計測」と「直腸観察ガイドPlus」*1を使用し、据え置き型のエコーを用いたフローと比較して、技師による計測の精度やスループットがどれだけ向上するかについて研究を行いました。

iViz air 画面イメージ​​
  • *1 AI技術の一つであるディープラーニング機能を活用し開発された「膀胱尿量自動計測」「直腸観察ガイドPlus」

iViz airを前処置に活用する研究の状況は。

エコー装置の活用イメージ​​

野原氏 約半年間の研究結果として、尿量計測については、iViz airの膀胱尿量自動計測をサポートに使用することで、技師間の計測値のばらつきがなくなり、計測時間も据え置き型のエコーの約半分程度になると分かりました。

据え置き型のエコーで尿量を計測する際は、マニュアルで膀胱の各径の長さを設定する必要がありますが、測り方によって算出される尿量が異なるため、同一のエコー画像でも測定者による個人差が生じてしまいます。

iViz airの自動計測機能では、膀胱の画像を取得した後、自動計測の結果を確認し、確定ボタンを押すことで尿量が算出されます。*2

自動計測機能を活用することで、手動操作の時と比較し個人差が少なくなり計測値が安定するようになったと考えます。
また、計測時間は据え置き型が約1分、iViz airが30秒弱で、この差が生まれた要因として、計測ポイントの設定にかかる時間や、どこを長軸・短軸にするかを考える時間の有無があると思います。

便の確認については、直腸観察ガイドPlusは、便がある場合もない場合もCTの結果とほぼ整合していて、精度が高い感触があります。直腸の位置は個人差があり、膀胱よりもエコーで描出するのが難しい印象があります。特に、我々は放射線治療でしかエコーを使用していないこともあって、直腸の描出にあまり自信がないのですが、直腸観察ガイドPlusを使用すると直腸の位置や便の有無が分かりやすくなり、自信を持ってエコーが実施できると感じています。

  • *2 確定前にキャリパーの位置を修正することも可能

前立腺がんのSBRTの前処置におけるエコー活用の展望は。

南氏 今後、前立腺がんに関しては、定位放射線治療が主流になってくると考えています。その前処置として必須となる尿量計測や便の確認について、簡便かつ場所を問わずに行える環境を整備できれば、スループットが向上します。また、精度の高い計測を誰でも行えるようになれば、放射線治療の精度向上につながります。今回の研究を通じて、そのようなデータを示すことができれば、今後、より多くの施設でiViz airが前処置に活用されるようになっていくのではないかと思っています。

今後、富士フイルムに期待することは。

南氏 iViz airのような高度で使いやすい装置の普及に向けて、性能を追求するだけでなく、価格面での訴求力もさらに高めていただければと期待しています。

野原氏 今回使用したアプリケーションもAI技術を活用して開発されたものと伺っていますが、AI技術などの先端技術が活用され、操作をより簡便にするなどの術者をサポートする製品や機能の開発を期待しています。

放射線治療室スタッフの皆さま

基本情報

販売名

FWUシリーズ

認証番号

301ABBZX00003000

 

本記事は取材日時点の情報であり、記事の内容や、施設名、所属、役職などは最新の情報とは異なる場合があります。

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