このウェブサイトはクッキーを使用しています。このサイトを使用することにより、プライバシーポリシーに同意したことになります。

日本

ポータブルエコーのインタビュー

認知症患者の「突然の腹部膨隆」
ワイヤレス超音波画像診断装置「iViz air」を活用して症状を把握

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

この記事では、iViz airの活用例をご紹介します。今回は、豊田地域医療センターで総合診療科部長を務め、プライマリ・ケアを実施する上松東宏先生です。

ポータブルエコーを活用した患者さんのご紹介

住まい:愛知県
性別:女性
年齢:80代
病状の概要:突然の腹部膨隆

腹部が膨隆している外来患者の症状把握

80代女性の森田晴江(仮名)さんが、入居している施設の職員の方と一緒に車いすでやってきたのは平日の午後でした。

森田さんは認知症を患っていました。当院に定期通院はしておらず、臨時受診をした初診の患者さんでした。職員の方によると、午前中の入浴の際に気付き、短い間で急にお腹が膨らんできたということ。発熱や嘔吐などの目立った症状はなく、本人も特に痛みなどは訴えていませんでした。

ポータブルエコー活用の経緯:認知症患者とのコミュニケーション

症状は「突然の腹部の膨隆」ということで、まずは簡単に腹部の診察をしましたが、明らかに膨隆しているものの、軟らかく、目立った圧痛もありませんでした。鑑別として考えたのが、腹水貯留または腸閉塞、もしくは大動脈瘤の切迫破裂でした。

森田さんは話すことができる状況で、重症感はなく、「何ともないよ」と言われていました。しかし、こちらとしては、前触れもなく急にお腹が膨らんできたということで、とても不安になるわけです。認知症ということもあり、森田さんの訴えや既往歴の確認の信頼性に自信が持てませんでした。

患部にポータブルエコーを当てることは手間ではないですし、何より緊急度を把握したかったので、iViz airを活用することにしました。

ポータブルエコー活用の結果:適正な医療資源配分に貢献

仮に、ポータブルエコーが手元になかった場合は、正確な病状を把握するためにCTなどのより高度な画像検査や場合によっては経過観察目的の入院も検討されたかもしれません。そうなると、より多くの医療資源が使われることになります。不十分な情報量のまま他科の先生に相談することになれば、お互いストレスにもなりかねません。そういった意味で、何が起きているかの把握を自己完結できることの意味は大きいです。

今回は、エコーを当てている際、動いている腸をそのまま本人や付き添いの方にお見せすることが可能でした。何か起きているか分かったことで、森田さんはもちろん、職員の方の方が安心された様子でした。

ポータブルエコーの活用ポイントのまとめ

最後に、今回の症例・iViz airの活用ポイントについてまとめておきます。

症状把握

突然の腹部の膨隆。発熱や嘔吐などの目立った症状はなく、本人も苦痛を感じていない様子だった。

iViz airの活用を決断した理由

腹部の診察をしたが、軟らかく、目立った圧痛はなかった。患者が認知症を患っており、問診の信憑性が低かった。また、緊急性を把握する必要もあった。

活用結果

容易に還納する腹壁瘢痕ヘルニアだったため、当日の精査・入院は不要と判断。翌日に外科の外来を受診するよう伝えた。

活用の効果

iViz airを活用したことで診断・転帰の判断までの時間をかなり早めることができた。病態や緊急度がわかったため、不要な入院を避けることができた。さらに、超音波画像でリアルタイムの病態を見せながら患者説明することで、何が起きているかを把握してもらえたため、安心感を与えることができた。

活用のポイント

腹部診察の一環として、エコーを活用したこと。エコーを当てている際、動いている腸を患者本人や付き添い人にリアルタイムで見せることができた。

販売名

FWUシリーズ

認証番号

301ABBZX00003000