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日本

ポータブルエコーのインタビュー

カメラ画像とエコー画像で、より的確な診断・コンサルテーションにつなげる 皮膚科専門医によるワイヤレス超音波画像診断装置「iViz air」活用

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

この記事では、ポータブルエコーiViz airの活用法をご紹介します。今回は、皮膚科医の倉繁祐太先生(44)です。

皮膚科では臨床写真の記録を残す

群馬県前橋市の「倉繁皮ふ科医院」の副院長を勤めています。乳児から高齢者の方まで、幅広い年代の方が来院しています。

皮膚科の診療では、文章のみで皮疹の性状を表現することが困難ですので、臨床写真を日常的に撮影しています。これは、皮疹の経過を確認する上で重要な記録となりますし、皮膚腫瘍などの手術を行う際は術前の状態を撮影します。また患者さんを他の病院へ紹介する場合などは、診療情報提供書に臨床写真を添付することもあります。

これまではデジタルカメラやダーモスコピー検査などで撮影した臨床写真のデータと患者さんのIDを紐付け、電子カルテやクラウド上に保存していました。

ポータブルエコーを活用することで利便性が向上

皮膚科の診療では、粉瘤(表皮嚢腫)などの皮膚・皮下腫瘍の性状を観察する場合や、皮下膿瘍の有無を確認する場合などにエコーを使用します。今回、iViz airを活用して感じた利便性が3点あります。1つは、スマートフォンと同じように1台に複数の機能が備わっていること。iViz air1台で、エコーによる「診察」とカメラによる「撮影」を同時に行うことができる点に利便性を感じています。

2つ目は、撮影後にフォルダが自動作成され、その中に撮影した写真が自動保存されること。これまではデジタルカメラやダーモスコピーで撮影した臨床写真を分類し、患者さんのIDとの紐付け作業を行っていましたが、iViz airでエコー画像とカメラ画像を撮影すると、患者ID・検査日ごとにフォルダが作成され保存されるので、管理がとても楽になります。

私たちのクリニックは少人数のスタッフで診察を行っているため、忙しい中で臨床写真を管理する作業を行うことが私自身やスタッフの負担になっていました。そのため、撮影して保存できる機能があることは有用だと考えます。

3つ目は、iViz airはワイヤレスであるため、診察時にエコー画像を患者さんに提示しやすく、それを見て患者さんの納得感が高まること。これまで口頭で所見を説明するのみでしたが、「この“しこり”は袋のような形をしていて、その中に膿が溜まっているようなので、この膿を出す処置をしましょう」と提示できますし、医師としてもより説得力の高い説明ができると思います。

皮膚科の在宅医療におけるiViz air活用

現在、私はクリニックでの診療の他に、月に1回在宅医療を行う機会があります。在宅医療においても、iViz airを持参することでさまざまな情報を得ることができます。

在宅医療で診療する機会が多い疾患は、湿疹・皮膚炎や褥瘡です。その他、皮膚腫瘍がある患者さんから「これは何ですか」と言われることがあります。粉瘤であることが多いので、エコーがあるとより深い診察と明確な回答ができ、特に皮膚がんなどを心配している患者さんには安心感を与えることができます。

また、現在は新型コロナウイルスの感染拡大のさなかですが、iViz airはアルコール綿での消毒が可能です。ポケットに収まる小型サイズで、且つ凹凸がない仕様のため、清潔に保つのが容易だと感じます。

【病変】
背部の皮膚石灰沈着症

【エコー所見】

  • 表皮下に境界不明瞭な高エコー領域
  • 音響陰影あり

【評価】
臨床像は粉瘤に類似しているが、エコー所見から明確に区別できる

カメラ画像

エコー画像

在宅医療におけるポータブルエコー活用法の展望

現在でも他科の医師が撮影した皮膚疾患の臨床写真についてコメントを求められる機会が多いのですが、皮膚疾患の診断において重要な触診ができないため、臨床写真だけでは高い精度で診断を行うことが難しいのが現状です。もしポータブルエコーの画像で腫瘍内部の構造がわかれば、「これは粉瘤でしょう」「これは良性腫瘍でしょう」など、より明確にコメントできるでしょう。

したがって、今後の在宅医療の展望としては、非専門医が皮膚腫瘍についてコンサルトする場合に、カメラ画像に加えてエコー画像を皮膚科専門医が評価することで、従来よりも的確な診断が可能になると考えます。

販売名

FWUシリーズ

認証番号

301ABBZX00003000