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日本

導入事例医療法人七徳会 大井病院

地域医療における64ch/128SliceMDCT(SCENARIA View*1)導入のメリット
~AI技術を活用した画質向上と患者様へのやさしさの追求~

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

医療法人七徳会大井病院は、姶良市加治木町に位置し、「姶良の地域医療にチームで取り組む」という使命のもと、24時間体制の救急車受け入れなど、地域の中核的な役割を担っています。今回、2022年8月に導入された64ch/128SliceMDCTについて、CTをメインで担当されている、愛下主任技師、副島技師にお話を伺いました。

  • *1 SCENARIA、SCENARIA Viewは富士フイルムヘルスケア株式会社の登録商標です。
  • * 本記事は掲載当時の記事であり、記載中の社名、施設名などに古い表現が含まれています。

はじめに、大井病院の概要について教えてください

当院は、大正15年7月に鹿児島県の加治木町に開院し、もう少しで100年を迎えます。
「医の原点は救急にあり」という理念のもと、中薗院長を中心に加治木の中核病院として24時間体制の救急医療を提供しています。当院は、救急車を年間1,000台以上受け入れていますが、救急応需率のさらなる向上を今後もめざしております。
また、同医療法人のザ王病院とともに、患者さま中心の医療を提供し、近隣住民の健康増進として、生活習慣病の治療にも取り組んでいます。

大井病院では、2022年8月にCT装置を更新されました。その経緯を教えてください。

今回は、10年以上使用していた16ch装置からの更新でした。
そして、今回の検討では、院長が求める、”地域の救急医療を担う”という命題のために、救急時の全身検査が問題なく可能となる64chクラスの装置にするのを大前提としていました。さらに、更新前の装置では、逐次近似処理などの画像処理技術が搭載されておりませんでしたので、装置更新の際には逐次近似処理以上、可能であればAIを活用した再構成技術までの搭載をめざしていました。
また、整形外科医である大井理事長の”整形領域のCT画像の充実”という点も考慮すると、広い開口径と天板が左右に動くという点は、ポジショニングの自由度が上がることで患者さまにも優しい検査を実現でき、かつ画質向上にもつながる、大きなメリットとして検討時に考慮しました。
そんな中、一つのキーとなったのは、日立のCTなど医療機器部門が富士フイルムグループに入ったことでした。それを聞き、CT装置の性能に加え、富士フイルムグループとしての相乗効果を期待して今回導入をいたしました。

装置導入時に注目されていた、AIを活用した再構成技術IPV(Iterative Progressive reconstruction with Visual modeling)や天板左右動などについては、実際に使用されてみていかがでしょうか。

IPVはルーチン検査において、いろいろな部位で標準的に使用させていただいています。IPV処理により、違和感のないノイズの低減が行われ、見やすい画像になっている印象です。
当院でのIPVの活用方法として、整形領域でも、IPVでのVR作成や低線量撮影において診断可能な画像を提供できることを確認できています。
また、高体重の方の造影検査では、「造影効果の向上のために100kVによる低管電圧撮影の使用は可能か」を検討しています。当県の研究会の中でアンケートを実施した際にも、低管電圧撮影は、造影効果の向上には有効ですが、実際に活用できている施設は多くありませんでした。電圧を下げた際のノイズ低減など画像の最適化には、IPVが有用である可能性を感じています。

臨床画像例(100kV+IPVによる低管電圧撮影)1
目的:410mgI/kgによる造影検査

臨床画像例(100kV+IPVによる低管電圧撮影)2
目的:末梢血管の描出

販売名

全身用X線CT診断装置 SCENARIA View

医療機器認証番号

230ABBZX00027000

  • *  IPVはIterative Progressive reconstruction with Visual modeling の略称です。AI技術のひとつであるMachine Learningを活用して開発した機能です。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはありません。
  • * 取材時はマスクを着用しています。