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日本

導入事例医療法人誠仁会 千綿病院

地域完結型医療の一翼を担う 64ch/128slice CT SCENARIA View

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

医療法人誠仁会千綿病院は、長崎県長崎市矢上町に位置し、「思いやりを 愛を 感謝を。人を大切にする病院」という病院理念の下、地域完結型医療の一翼を担うべく、近隣の医療機関、介護施設とも連携を図り、日々東長崎の地域医療に取り組んでいます。
今回は、昨年導入されたSCENARIA View*1について、診療技術部放射線室の松尾技師長にお話を伺いました。

  • *1 SCENARIA View、SCENARIAは富士フイルムヘルスケア株式会社の登録商標です。
  • * 本記事は掲載当時の記事であり、記載中の社名、施設名などに古い表現が含まれています。

はじめに、千綿病院の概要について教えてください

当院は、この東長崎地区で明治21年に千綿医院として開院し、昭和43年に千綿病院と改称し、昭和63年に医療法人誠仁会が設立され現在に至ります。開院から数えると135年を迎えるということになります。

当院は、“思いやりを 愛を 感謝を。人を大切にする病院"という病院理念の下、大久保理事長を中心に、地域医療の中核病院として、急性期医療・慢性期医療・リハビリテーション・在宅医療までトータルでの医療・介護を提供しています。また、救急医療協力病院として、地区の二次救急医療体制の一端を担っています。

標榜科は、内科、外科、整形外科、呼吸器内科、リハビリテーション科です。近年の高齢化による複数疾患を持つ患者さまの増加に対し、当院は安心して治療を受けられるよう、複数の科で協力して診療にあたっています。

放射線室として心がけていることについて教えてください。

「全ては患者さまのために」ということはいつも意識しています。その中で、「医師の診断に有用な画像を提供する事」と「放射線被ばくの低減」は最も重要だと考えていることです。この2点をより高いレベルに引き上げていくことが検査を担当するわれわれ診療放射線技師の使命であり、そのために知識や撮影技術の向上に努めていかなければならないと思っています。
それから、検査機器は日々新たな技術が開発・搭載され、「より高画質に」「より低被ばくで」「より早く」といったことが可能になっていきます。装置が持っている性能以上のことは技師の努力では実現できませんので、装置更新の機会には、そのような患者さまにより質の高い検査を提供できる機器の導入を提案していくことも大事にしています。

千綿病院では、昨年CT装置を更新されました。その経緯を教えてください。

今回は、9年半ほど使用していた64ch装置からの更新でした。先程も触れていましたが、「医師の診断に有用な画像を提供する事」と「放射線被ばくの低減」を最も重要と考えている中で、「より高画質」「より低被ばく」を実現できる性能を持っていることは大前提に置いていました。AI技術を活用した画像処理「IPV*2」は、この相反する要望にこたえることができると、臨床画像を確認させていただいた際に感じることができました。

また、Dual-Energy検査が可能なスペックであることも重要視しました。近年Dual-Energy 撮影が盛んに研究される中、文献を読んでいたところ、Dual-Energy撮影におけるCalcium suppression処理が、通常のCTでは判断できない不顕性骨折や骨挫傷の描出を可能にすることを知りました。当院は整形外科も標榜していますが、スペースの関係等でMRIを導入できていないため、整形領域の診断の一助になると考え、CT更新時の検討項目に加えました。

  • *2 IPVはIterative Progressive reconstruction with Visual modelingの略称です。AI技術のひとつであるMachine Learningを活用して開発した機能です。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはありません。診断対象や検査対象、被検者の体格、解剖学的位置、診療目的や検査内容によっては、効果が小さくなる場合があります。

また、更新前に使用していた前モデルと比較してガントリー開口径が75cmから80cmへ、寝台横移動幅が最大16㎝から20㎝へと大きくなり、整形外科領域での被検者セッティングがさらにやりやすくなったのはもちろんですが、加えてコンベンショナルスキャンでは寝台横移動機能とガントリーチルトを同時に使用できるようになったので、頭部CTのセッティングが非常に容易になり、画質の向上とともにスループットの向上にもつながっています。
Dual-Energy検査については、今回の装置更新後より新たに可能となった検査で、整形外科領域において少しずつ増加傾向にあります。

その装置導入時に注目されていた、Dual-Energy検査については、実際に使用されてみて、いかがでしょうか。

Dual-Energy検査に対しては、当初、処理パラメータやカラー表示にする際の色の調整といったところで試行錯誤し、オーダーを出される先生も半信半疑な部分があったかと思います。より高品質なCalcium suppression画像を作成するために、Dual-Energyの撮影方式や解析パラメータを始め、解析元画像のIPV強度やスライス厚などさまざまな条件を検討しました。現在はある程度処理パラメータが定まってきたところです。

臨床例を3例提示いたします。

今後は、Calcium suppression画像としてのさらなる画質向上はもちろん、撮影線量の低減も視野に入れて検討を進めたいと思っています。

販売名

全身用X線CT診断装置 SCENARIA View

医療機器認証番号

230ABBZX00027000

3D画像解析システム SYNAPSE VINCENT

販売名

富士画像診断ワークステーション FN-7941型

医療機器認証番号

22000BZX00238000