クリニック開業時のスタッフ募集の注意点

新規クリニック開業時におけるスタッフ募集は、一般にはクリニック開業前3カ月ごろからスタートさせます。

クリニック開業当初は経営が不安定なため、人件費をコントロールしやすいパート職員を採用するケースが多く見られます。正職員は一度雇用すると、勤務態度や能力に問題があった場合でも、解雇するのは非常に難しいからです。

クリニック開業時に募集するスタッフのうち、事務職員は比較的採用しやすい職種といえます。近場で働きたいというニーズは大きく、狭いエリアで募集をかけても一定の応募が見込めます。

ただし、レセプト作成や電子カルテの作業に精通した医療事務職を採用するには、採用エリアをやや広めに考える必要があるでしょう。

レセプト作成作業はクリニック経営を左右する重要な業務ですので、最低でも1人は医療事務経験者を採用するべきです。実際には、職員の急な休みや退職などに備えて、複数人で対応できる体制を整えた方が望ましいです。

職員に医療事務の資格取得を奨励したり、研修などを通じてレセプト作業に関われる人員を増やしたりするのも一手です。

看護師については、無床診療所では配置義務がないため、科目によっては人件費を考え採用しないケースもあります。とはいえ、医療知識を有する看護師は、クリニックの中核スタッフとして活躍することが期待されます。

看護師の募集は、看護師に特化したネット求人媒体が主流となっています。これに加えて一般の求人サイトや新聞折り込み広告、看護雑誌などへの広告出稿も検討します。

理学療法士や診療放射線技師などの採用も看護師と同様に、専門求人サイトや業界誌・紙などを使うと効果的です。

看護師の採用は難しい時代ですが、夜勤や休日勤務がなくパートでも勤務しやすいクリニックは、子育て中の看護師にとって魅力的な職場でもあります。ただし子どもが小さい間は、発熱などで急な休みや遅刻・早退する可能性があるため、スタッフ数に若干の余裕を持たせるのが理想的です。

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【企画・編集　日経メディカル開発】